【FP監修】ドル建て保険の解約のタイミングはいつ?損をしないために知っておくべき知識を解説
2022年11月現在、ドル円の為替レートは141円付近と大きく円安に振れています。
本記事では外貨建て保険を加入した際に考慮すべき「いつ解約するのがお得なの?」という疑問に対して、保険のプロであるFPが詳しく解説しています。
解約を検討する際に必要な知識を収集するためにお役立てください。
記事監修者
ファイナンシャルプランナー
五十嵐 真一
外貨建て保険の解約は為替レートが重要
外貨建て保険に貯蓄目的で加入したが、解約して受け取るにはいつがいいのだろうか?
とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
実際に外貨建て保険は適用される予定利率が高いため、効率よく資産運用ができる点が好評で加入者も増えてきています。
しかし外貨建て保険では「解約返戻金」に加えて「為替レート」というリスクもしっかり考慮しなくてはいけません。
為替レートは常に変動するため、外貨建て保険を持つならその点を考慮した上での出口が大事になります。
場合によってはデメリットのほうが大きくなってしまうケースもあるのです。
しっかりと為替レートを理解して、解約するうえでベストなタイミングを把握する一助になれば幸いです。
満期の前であっても円安が進めば解約の検討を!
本来、保険は中途解約を前提として加入するものではありません。
原則として、終身保険を除けば満期のタイミングで満期金を受け取ることがベストです。
なぜならば、中途解約の場合では保険種類によって解約控除が引かれてしまうことがあるからです。
中途解約を検討すべきケースと、継続を検討すべきケースにわけてみていきましょう。
外貨建て保険を中途解約すべきケース
加入当初の目標に対して、円換算で十分な利益が出ている
既に外貨建て保険に加入されている方は、加入当初に目標値を検討されていたのではないでしょうか。
例えばですが、
1ドル100円の時に1000万円の一時払いへ加入したケース
このような場合、加入時に払い込んだ保険料はドルベースで10万ドルです。
現在の為替レートが1ドル150円となっていた場合、解約返戻金が90%相当の9万ドルへ減少していたとしても、円換算では1350万円となります。
したがって、ドルベースでは元本割れをしていますが為替差益によって円換算では加入当初と比較して135%まで増えていることになります。
実際のケースでは、解約控除や市場価格調整、為替スプレッド等の諸手数料も考慮する必要があるのでご注意ください。
このような諸費用については、FPなどの専門家に試算をしてもらうとよいでしょう。
円安のせいでそもそも保険料の払込継続が厳しいなど
上記のような一時払いではなく、毎月や毎年などの平準払いで外貨建て保険に加入しているケースを検討してみましょう。
加入当初は1ドル100円で、毎月の保険料が300ドルだったと仮定します。
加入当初は円換算で毎月3万円の保険料です。
しかし、1ドル150円となってしまった場合、毎月の保険料は4万5000円となってしまいます。
このような為替変動によって保険契約の継続が困難となってしまった場合は、
- 中途解約
- 減額
- 払い済み保険への変更
など、様々な契約変更を検討すべきでしょう。
実際にどのような選択をすることがベストなのかは、保険種類に加えて継続年数や加入時の為替レートなど様々な項目を検証する必要があるため、いちど専門家に相談してみることを勧めます。
外貨建て保険を中途解約すべきでないケース
円換算で元本割れをしている
- 加入当初と比較して円高が進行している
- 経過年数が浅く解約返戻金が100%未満
などで、為替レートを加味しても元本毀損をしている場合は安易に解約せず継続を検討すべきでしょう。
解約・満期以外の目的で加入している
- 死亡保険金の受け取りを目的としていた
- 若いころに老後に向けた資産形成を目的として加入した
などの場合は、本来の目的がまだ先にあることが考えられるため、安易に解約せず継続を検討すべきでしょう。
上記のような場合であっても、個別のケースによっては解約が有効な手段となることもあり得ます。
ご自身で判断が難しい場合は、FPなどの専門家に相談してみることをおすすめします。
円高?円安?重要な解約時のタイミングは
外貨建て保険には解約時の為替リスクがつきものです。
外貨建て保険の解約返戻金は外貨で支払われるため円での受け取り額は為替相場が影響します。
もともとは、銀行預金よりも増えるし、といった理由で将来のために加入したものが予定よりも思ったよりも少なければ本末転倒ですよね。
外貨での受け取りができる商品もある
解約返戻金の通貨を選べる場合は為替リスクへの心配はありません。
円に換金する際が重要であり、円受取が必須でない場合は、ドルで保有しておけるので、為替リスクを回避することができます。
解約時のタイミング次第では、出口戦略が重要
解約時に円高の際は、円での受け取り額が減ってしまうので、
- 円安になるまで解約せずに待つ
- 外貨での受け取りができる場合には円安の際に円に換金する
解約時の円安が想定されるようであれば
- 予定よりも早い段階での解約を検討する
などが重要になってきます。
各社の外貨建て終身保険について
ここでは数ある外貨建て保険の中でも人気の
- メットライフ生命
- マニュライフ生命
について解説していきます。
それぞれの保険会社によって、異なる特徴があるため自分に合った商品を選び、今後の貯蓄に活用していきましょう。
メットライフ生命のドル建て終身保険について
メットライフ生命の「USドル建終身保険ドルスマートS」は、積立利率年2.5%を最低保証し、死亡に備えながら将来の資金準備にもなる保険です。
特約によって三大疾病だけでなく、要介護2でも保険料払い込み免除になり、積立利率は毎月更改されるため外貨のインフレ対策にもなり、リスクを軽減できる点がメリットになります。
ただし、外貨を円に変換する際の為替手数料が50銭(0.5円)と他社と比べて少し高めであるのでこの点は、デメリットになります。
マニュライフ生命のドル建て終身保険について
マニュライフ生命の「こだわり外貨終身」は積立利率年1.5%が最低保証です。
これだけ見るとメットライフ生命のほうが良いように見えますが、他社と比べて、積立に回る保険料の割合が高いために、返戻率のパフォーマンスが上がります。
特定疾病払い込み免除特約が強みで三大疾病時の場合に保険料の払い込みが免除され、さらに解約返戻金が増加し治療費などをサポートするために使うこともできます。
また非喫煙者にはノンスモーカー料率が適用され、最大30%程度お得になるメリットがあります。
為替手数料は円を外貨にする場合1ドルあたり0.5円になります。
まとめ:外貨建て保険の解約タイミングについて
- 解約返戻金は為替変動の影響を大きく受ける
- 満期前に解約すると、元本割れする可能性がある
- 為替リスクを避けるうえでもドルで保有しておくこともできる
「家族の生活保障」「葬式代」「子供の教育資金」など様々な目的で死亡保険に加入するのを検討している方も多いと思います。
ただしこれらは、為替変動の影響で解約返戻金として受け取る際の額が読めないため、適切とは言えないかもしれません。
解約を検討する際は、払い済み保険や、契約者貸付などを改めて確認することをお勧めします。
しかし、実際にご自身で考えてみてもどれが最善策なのかわからないこともあるかもしれません。
そんなときは保険のプロに相談するのも一つです。
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