【FP監修】個人年金の解約返戻金はいつ・いくら受け取れる?計算方法や解約リスクも紹介!

個人年金保険2022.03.14 公開 | 2022/03/14 更新

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今回解説するのは、個人年金保険の解約返戻金についてです。
いつ、いくら返戻金を受けとることができるかなど解説をします。
年金保険の解約返戻金は、確定申告が必要な場合もあります。
サラリーマンは確定申告は会社がしてくれるので気にしていないという方々が多いですが、ここもしっかりおさえておかなければならないポイントです!

個人年金保険の解約返戻金とは?

みなさんは年金制度についてしっかりと理解されていますでしょうか??

国民年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人たちに義務づけられています。

また、会社員であったり公務員の人たちには厚生年金があります。

ここまでは国が設定した制度で公的年金です。

旦那さんが40年間厚生年金に加入、奥様は専業主婦の場合、夫婦2人で受け取ることができる公的年金は、月だいたい22万円あたりを試算することができます。

この額は高額だと思うでしょうか??

実際に、高齢者で無職の方々の1ヶ月の支出は26万円という数字が出ているので、公的年金に頼るだけでは毎月4万円の赤字を出してしまうことになります。

公的年金では不十分だと思えば、自分自身で年金作りをする必要があります。

個人年金保険とは、自分自身で行う年金作りに役立つ金融商品や運用方法のひとつ、多くの人たちが活用している王道と言っていいでしょう。

個人年金保険は、60歳、また65歳という年齢まで保険料としてお金を積み立てして、後々積立金を元にして年金をもらうシステムです。国民年金の加入と保険料納付は義務ですが、個人年金保険は任意加入なので自由です。

 

今回は個人年金保険と、その解約返戻金についてクローズアップします

 

解約返戻金の種類

どの保険に対しても解約返戻金がある訳ではありません。

解約返戻金は、保険の種類や契約内容、加入期間によって違いがあります。

個人年金保険には解約返戻金がありますが、他には、終身保険、養老保険、学資保険などに対して解約返戻金があります。

また、最近では一部医療保険にも解約返戻金があるものも登場しています。

解約返戻金は、支払った保険料が全額戻る訳ではありません。

保険を途中で解約すれば保険会社ではかかった経費を差し引き、また、運用益あたりも加味されて契約者に支払いされます。

お金が戻って来ることは嬉しいことですが、解約返戻金は、払い込みした保険料の合計よりもいくらか少なくなってしまうものだという認識は必要です。

ただし、そうではなく、加入期間が長くなるほど払った保険料よりも解約返戻金の方が多くなるタイプのものもあります。

解約返戻金の3つの種類

従来型

従来型は、解約返戻金のある保険の基本タイプです。

満期がある種類は、満期に近付く程、解約返戻率は高くすることができます。

終身保険に対しては、保険料払込期間が満了した後も、継続した年数が長いほど返戻率はアップします。

 

低解約返戻金型

低解約返戻金型は、解約返戻金は、従来型の70%程度におさえられているタイプの保険です。

保険料払い込み期間中の解約返戻金は少なくなってしまうことになりますが、その分支払いしなければならない保険料は安い傾向があります。

早期で解約してしまうことで戻るお金は少なくなりますが、保険料の払込期間満了のあとは解約返戻金の返戻率は一般的にアップします。(払込期間満了の後は、返戻率100%の保険もあります)

 

無解約返戻金型

そしてもうひとつの種類は、無解約返戻金型です。

無解約返戻金型はいわば掛け捨てです。

解約しても解約返戻金はありません。

保険を支払いしなければならない額は、解約返戻金のある保険と比較して安い傾向があります。

解約返戻金の有無を確認する方法

解約返戻金があるかないかを確認するためには、「設計書」と言う、保険商品の説明資料を見ます。

設計書には契約者の保険内容が記載されています。

また、その中には解約返戻金、また、返戻率という書き方で解約した時の金額に対しての記載があります。

その記載があれば解約返戻金のある保険であると判断することができます。

また、様々な保険の中にはパンフレットなどで低解約返戻金などと言った用語で語られていることもあります。

保険に加入しようと思っている人たちは、あらかじめどのような保険なのか内容、解約返戻金のありなしは確認した上で加入をしなければなりません。

現在の契約内容が自分自身ではなかなかわからないという方々は、専門家であるファイナンシャルプランナーなどに相談するといいでしょう。

 

 

解約返戻金の受け取り時期はいつ?

解約返戻金を受け取ることができるのは、以下のポイントです。

  • 契約者が保険を解約した場合
  • 保険会社から契約の解除を伝えられた場合

個人年金保険の解約返戻金の場合は、契約した期間がそれ程経過していない場合、想像しているより少ないこともありますし全くもらうことができないこともあります。

返戻率に対してそれぞれ保険会社によって違いがありますが、短期であれば50%以下もザラにあります。

個人年金保険を解約する理由は契約した人たちそれぞれ違うでしょう。

しかし、後で再びお話ししますが、解約をいつするべきかタイミングもしっかりおさえておくべきです。

  • 返戻率が高くなるタイミング
  • 損失額を最小限に抑えられるタイミング

などをしっかりおさえておくといいでしょう。

 

 

解約返戻金として受け取れる金額はいくら?

解約返戻金とは、保険を解約して戻るお金です。

いくら戻ってくるのか大変気になりますが、同時におさえておきたいのは返戻率です。

返戻率は、保険料の支払い額に対して、解約すればどの程度の率でお金が戻るのかを表しています。

返戻率が高いなら解約したとき戻る解約返戻金は多くなります。いつ解約すればいいのかの目安とすることもできるでしょう。

解約返戻金の返戻率と計算式

解約返戻金の返戻率の計算には、計算式がありますのでそれを覚えておきましょう。

計算式:返戻率(%)=受け取る解約返戻金÷払い込んだ保険料総額×100

計算式に従えば、例えば、保険の支払い額が、200万円で、解約返戻金が160万円であれば、返戻率は80%です。(160÷200×100)

返戻率100%なら、いままで払い込みした保険料と解約返戻金が同額です。

返戻率が100%以下であれば、払い込みした保険料よりも、解約返戻金の額は少なくなります。

100%以上という事であれば、支払いしたお金よりも解約返戻金を多く受け取ることができたということになります。

 

 

解約返戻金を受け取る方法

国民年金保険を解約する場合、それぞれ保険会社によって違いもありますが、おおかた以下の流れに従います。

まずは保険会社の担当、もしくはコールセンターへ電話をします。

そこに電話をして解約希望の旨を申し出てください。

そして、解約手続きに必要な書類を送ってもらいます。

送られてきた書類に必要事項を記載し、押印をして返送してください。

内容に不備がなく、解約手続きが完了すれば、1営業日後から1週間後にはスピーディーに口座に振り込みをしてもらえます。

できるだけ早く受け取りたいという方々は、直接窓口へ行けば、更に郵送の時間を短縮することができます。

 

しかし、むやみに保険を解約すると、以前とは同じような好条件で保険に加入できなかったり、払込保険料よりも解約返戻金が少ないなど、お客様自身が損害を被ることも往々にしてあります。

解約を検討する際には、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談をして、本当に解約をしていいのかどうかをしっかりと判断することをお勧めいたします。

 

 

個人年金の解約返戻金にかかる税金と確定申告

解約返戻金に対して税金がかかるのかも、あらかじめチェックしておかなければならないポイントです。

確定申告とは、一年間の所得金額から納めなければならない税金の額を決定して税務署に申告することを言います。

日本では、一定の収入に応じて税金を支払いすること(確定申告)は義務です。

計算式を理解し確定申告の時慌てないようにしましょう。

個人年金保険返戻金の場合、確定申告が必要か否か判断がなかなか難しい問題も抱えています。

しかし、確定申告をしないでそのまま放置していて、税務署に注意された際には「無申告加算税」「延滞税」がペナルティーとして加算されてしまうので注意しましょう。

※個別税務につきましては、所管の税務署へご確認をお願いします。

 

所得税に該当する場合

そもそも解約返戻金を受け取ることができる保険は、貯蓄性や資産性のある保険商品という見方がされます。

解約返戻金は、確定申告では、一時所得となり、所得税の課税対象です。

また、年金として受け取る場合には、雑所得です。

一時所得の場合、計算式による控除の50万円を差し引いた半分の額が税金となります。
雑所得の場合は、年金額に対応した払込保険料から引いた額を支払いすることになります。

一時所得は、「{解約返戻金-一時払保険料-50万円(特別控除)}×1/2」という計算式です。

また、確定申告で税金を負担しなければならないのは、絶対に保険料を支払いしている人ということではありません。

例えば保険料を旦那さんが負担している場合、解約するとき、解約返戻金は旦那さんが受けとっても、確定申告の納税義務は奥様の口座であることもあります。

そもそも年金保険返戻金を受けとれば必ず確定申告をしなければならないのでしょうか?

一般に会社で仕事をしているサラリーマンたちは、会社が源泉徴収をしてくれるのでいちいち確定申告をする必要はありませんでした。しかし、だから年金保険返戻金のとき確定申告をしなくていいということではありません。

サラリーマンは、特に確定申告・税金に対してほとんどわからないという方々が多いので注意しましょう。

個人年金保険の解約返戻金は、一時所得であるから課税対象です。

贈与税に該当する場合

解約返戻金が贈与税に該当して確定申告が必要になる場合もあります。

確定申告で一時所得ではなく贈与税となるケースは、保険料負担者と解約返戻金を受け取る人が違う場合です。

那さんが保険料を契約して解約すれば確定申告では一時所得の扱いとなりますが、旦那さんが保険料負担者であり年金を解約して、子供さんであったり奥様が受けとった場合には確定申告時、一時所得ではなく贈与税に該当します。

贈与税に対しては、「(解約返戻金-110万円(基礎控除額)×贈与税の税率」という計算式にあてはめることができます。

また、個人年金保険以外の生命保険に加入している方々もいらっしゃることでしょう。

そのような場合、確定申告はどうなるのでしょうか。

満期保険金とは保険料の支払いが満期になった時に受け取れる一時金のことですが、満期保険金も同じようにして確定申告では一時所得の扱いです。

20万円を越えてしまえば確定申告で所得税の扱いです。

一時所得、所得税、雑所得、確定申告など、非常に税金に対して難しい用語がありますが、わからないでそのまま放置しておけば脱税にもなります。

確定申告の項目は、この記事の中でも一番大事な部分です。

 

 

個人年金保険の解約返戻金に潜むリスク・注意点

個人年金保険は貯蓄タイプの保険に該当するので一般的には解約すればいくらかの解約返戻金が戻ります。

しかし、おおかた解約返戻金がいくらなのか計算すれば支払いした保険料の額よりも少なくなります。

そのため、いくら支払いが大変だからと言って安易に解約しようと思わない方がいいでしょう。

例えばもっと他にいい貯蓄の方法を見つけることができれば、解約して損してもいいからやめようと考えてもいいですが、そうでないのならせっかく契約したものは解約しないという姿勢が大事です。

途中で個人年金保険って貯蓄性があまり良くないと思っても、途中でやめてしまう方が損です。

後であらためて解説することになりますが、ちょっとの期間支払いが厳しいと言うのなら、解約をしないでやり過ごす方法についても考えてみましょう。

 

個人年金保険の解約返戻金をなるべく多く受け取るコツ

できるだけ解約返戻金は多くもらいたいものです。

返戻率をアップさせるためにはこのような方法を取りましょう。

  1. 高返戻率の商品を選ぶ
  2. 払込期間を短く設定する
  3. できる限り早期に加入して払込期間を長くする

①高返戻率の商品を選ぶ

保険は、それぞれ種類に応じて返戻率に違いがあります。そのあたりもあらかじめしっかり検討が必要です。

いくらかでも高返戻率を期待したいのなら、返戻率の高い保険を選ぶことです。

高い返戻率を期待することができる個人年金保険には、

  • 外貨建て個人年金保険
  • 変額個人年金保険
  • 一時払いの個人年金保険

があります。

外貨建て個人年金保険とは、保険料の支払いや保険金の受け取りなどを米ドルや豪ドルなどの外貨で行う方法のことを言います。

円建よりも高い返戻率を期待することができるでしょう。

ただし、為替の変動も受けてしまうためいつか元本割れの恐れもあります。

変額個人年金保険は、保険会社の運用実績で将来の保険金や解約返戻金の額が変動する保険のことを言います。

運用成績次第では、年金額を相当増やすことができます。

しかし、こちらもいつか元本を下回る可能性はあります。

一時払いの個人年金保険は、加入している最中に保険料を一括で支払いしてしまうことを言います。

月払いや年払いと受け取り年金総額が同じであれば、返戻率は高くすることができます。

 

②払込期間を短く設定する

もっと多く解約返戻金を受け取りたいという場合、払込期間を短くするという方法もあります。

終身払いではなく、保険料払込期間を60歳や65歳に設定することで終身払いよりも返戻率をアップさせることが可能です。

③できる限り早期に加入して払込期間を長くする

また、個人年金保険は、加入する年齢が高い程、返戻率はダウンします。

多く解約返戻金を受け取りたいと思えば、しっかり計画をたてできるだけ早く加入して支払い期間を長くすることです。

ただし、いつまでの期間支払いをすれば解約返戻金が払込保険料の総額を上回ることができるのかは保険会社によって違います。

契約する前にあらかじめしっかりいつ、いくらのシミュレーションを行うことも大事です。

 

個人年金保険の解約を避けるための方法

個人年金保険は、そもそも満期まで継続することが前提となっている保険なので、解約はできるだけしないという方向性が正しいです。

せっかく将来のためお金を準備しているのに元本割れでは非常にもったいないです。

個人年金保険の支払いがいつか厳しくなってしまったら個人年金保険の解約という選択肢ではなく別の方法も検討するといいでしょう。

  1. 自動振替貸付により支払いをストップさせる
  2. 払済保険に変更して保険を一部残す
  3. 契約者貸付により保険会社からお金を借りる

①自動振替貸付により支払いをストップさせる

一般的に個人年金保険では、自動振替貸付という制度があります。

解約返戻金の額内で、個人年金保険の保険料の立て替えをすることができます。

立て替えしている期間利息が発生してしまい、自動振替貸付額が解約返戻金を超えてしまうことで契約が失われてしまったり解除されてしまう欠点がありますが、一時的というのなら有効的に活用することができます。

また、どの個人年金保険に対しても、自動振替貸付制度があるという訳ではありません。

 

②払済保険に変更して保険を一部残す

また、払済保険で保険の一部を残すという方法があります。

一時的ということではなく、ずっと保険支払いは無理という時に有効的に利用することができる方法です。

保険料支払い中止を、「払済保険」への変更と言います。

払済保険では、以降支払いを中止して、その時の解約返戻金をもとにして元の契約の保険期間を変えないで一時払いの元の契約と同種の保険に切り替えをします。

支払いした保険料によっては、解約返戻金の額の元本割れを阻止することができるかもしれません。

③契約者貸付により保険会社からお金を借りる

また、契約者貸付を利用する方法があります。

契約者貸付は保険は解約しないで、一定割合の額ということになりますが、保険会社からいくらかを借り入れすることができる方法です。

こちらの方法も利息は発生します。

借りたお金の返済は保険期間の中であれば基本的にいつでも問題ありません。

ただし最低返済額がいくらかは指定されることがあります。

 

まとめ

今回、個人年金保険の解約返戻金について解説しました。

個人年金保険を契約しているけど、何かしらの事情で解約しなければならないことがあるでしょう。

そのような人たちのために解約返戻金について解説をしました。いつ解約すればいいかタイミングもおさえて行動しましょう。

しかし、それはいつでも解約しましょうという話しをしている訳ではありません。

個人年金保険を解約してしまうと、多くの場合元本割れをしてしまうリスクについて考えるべきです。

個人年金保険は、老後のための貯蓄です。年金は維持することを優先して考えるべきです。

もしも支払いが困難な時は、今回紹介した自動振替貸付、契約者貸付、払済保険という方法も検討するといいでしょう。

また、年金保険返戻金には税金が発生して確定申告しなければならないことがあります

一時所得、確定申告、雑所得など難しい用語が登場しますが、ここあたりもしっかり理解しておきましよう。

個人年金保険の商品選びで迷っている場合は、保険のプロに相談することをおすすめします。

保険のプロは商品の特徴に詳しい上、税制面で損しない方法も教えてくれます。

 

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