【FP監修】個人年金保険のおすすめ人気ランキング7選|2023年最新版
老後2000万問題を皮切りに、将来に向けた資産形成でいろいろと悩まれている方も多いのではないでしょうか?
そうはいっても「NISAやiDeCo、保険など何から始めればいいの?」「商品の種類が多すぎてわからない」などというお悩みも多く聞きます。
そこでこの記事では、お金のプロであるファイナンシャルプランナー2023年最新版の個人年金保険おすすめランキングを紹介するとともに、個人年金保険の基礎知識やiDeCoとの比較などを解説します。
記事監修者
ファイナンシャルプランナー
五十嵐 真一
個人年金保険を比較するための基礎知識!
個人年金保険にはさまざまな種類があるので、比較して自分に合った商品を選ぶことが大切です。
しかし、比較をするためには、個人年金保険の基礎知識がなければなりません。
そこでまずこの章では、個人年金保険の概要や種類、控除の仕組みなどの基礎知識を解説します。
個人年金保険とは
個人年金保険とは、保険料を積み立てると老後に年金がもらえる保険のことです。
年金ではありますが、分類としてはがん保険や学資保険などと同じ保険商品の一種となります。
年金には国民年金や厚生年金などの公的年金と、任意で入る私的年金がありますが、個人年金保険は私的年金の一種です。
国民年金や厚生年金だけでは足りないと考える人が、さらに年金を増やすために任意で加入します。
個人年金保険の種類
自分に合った個人年金保険を比較検討するためには、まずどのような種類に分類できるのかを知っておくことが大切です。
個人年金保険の種類は、年金受取期間、定額・変額、円建て・外貨建ての3種類の分類を頭に入れておくと理解しやすくなります。
この3つの分類を覚えておくと、円建て・定額の終身年金、外貨建て・変額の有期年金といった具合に、ほとんどの個人年金保険を分類して比較できます。
ただし、個人年金保険の中には、受取期間を複数から選択できるものや、定額と変額両方の要素を取り入れたものもあります。
ですから、必ずしも全ての個人年金保険がはっきり分類できるわけではないですが、それでもこれらの分類は個人年金保険を比較するための基本となります。
【個人年金保険の分類の仕方】
- 年金受取期間による分類(終身年金・確定年金・有期年金)
- 定額・変額による分類
- 円建て・外貨建てによる分類
年金受取期間による分類
- 終身年金
- 有期年金
- 確定年金
個人年金保険の年金受取期間は、終身年金・有期年金・確定年金の3つに分類できます。
終身年金は年金受取人が生きている間ずっと年金がもらえるタイプで、国民年金と似ているので分かりやすいと思います。
ただし、受取人が死亡すると保障は終了し、遺族年金などは支給されません。
有期年金は、5年や10年など、あらかじめ決められた一定期間だけ年金が支払われるタイプです。
受取人が生きていても、期間が終われば年金の受給は終了します。
終身年金と同様、期間中に受取人が死亡すれば保障は終了となります。
確定年金は年金を受け取れる期間が確定しているタイプで、期間中に受取人が死亡しても、遺族が残りの年金を受け取ることができます。
定額・変額による分類
- 定額個人年金保険
- 変額個人年金保険
個人年金保険には、定額個人年金保険と変額個人年金保険があります。
定額個人年金保険は、もらえる年金額が契約の時点で決まっているタイプです。
予定利率という決まった利率で運用されるので元本割れしないですが、将来インフレなどで利率が上がっても最初の予定利率のままで運用されます。
変額個人年金保険は、契約者自身で運用の仕方(株や債券など)を選択して運用結果次第で年金額が決まるタイプです。
利率が上がって高い運用益を得られることもある一方、運用が不調で元本割れするリスクもあります。
円建て・外貨建てによる分類
- 円建て個人年金保険
- 外貨建て個人年金保険
日本円で運用するか、ドルやユーロなどの外貨で運用するかによって、円建て個人年金保険と外貨建て個人年金保険に分類できます。
一般に外貨建て個人年金保険のほうがハイリスク・ハイリターンとなり、高い運用益を目指すことになります。
外貨建て個人年金保険はハイリターンを目指せますが、為替リスクや円に換金する際の手数料など、外貨建て独自のリスクもあるので注意が必要です。
節税効果でお得!個⼈年⾦保険料控除とは
個人年金保険で支払った保険料は、生命保険料控除の対象となります。
個人年金保険の保険料は「一般の生命保険料控除」か「個人年金保険料控除」のどちらかが適用されます。
一般の生命保険料控除では、個人年金保険の保険料と他の生命保険の保険料が合算されます。
一方、個人年金保険料控除では合算されず、個人年金保険の保険料だけが別枠で控除されます。
一般の生命保険料控除も個人年金保険料控除も上限額は同じなので、別枠で控除できる個人年金保険料控除は一般の生命保険料控除よりも有利です。
どちらの控除が適用されるかは、適格特約という条件によります。
適格特約が満たされる場合は個人年金保険料控除が適用され、満たされない場合は一般の生命保険料控除が適用されます。
適格特約は以下のとおりです。
個人年金保険料の税制適格特約
- 年金受取人は契約者かその配偶者である
- 年金受取人は被保険者と同一である
- 保険料の払い込み期間が10年以上である
- 年金の受取開始が60歳以上、受取期間が10年以上である(有期年金・確定年金の場合)
個人年金保険料控除の計算方法
計算方法は以下のとおりです。
この計算式は、一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除で共通となっています。
新制度では介護医療保険料控除が新設されたので、その分一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除の控除額は減っています。
旧制度(平成23年12月31日以前に契約)の所得税の控除額
- 1年間に支払った保険料の総額 :控除額
- 25,000円以下⇒ 支払った保険料の全額
- 25,001円から50,000円⇒支払った保険料の半額+12,500円
- 50,001円から100,000円⇒支払った保険料の4分の1+25,000円
- 100,001円以上⇒50,000円
旧制度の住民税の控除額
- 1年間に支払った保険料の総額 :控除額
- 15,000円以下⇒ 支払った保険料の全額
- 15,001円から40,000円⇒支払った保険料の半額+7,500円
- 40,001円から70,000円⇒支払った保険料の4分の1+17,500円
- 70,001円以上⇒35,000円
新制度(平成24年1月1日以後に契約)の所得税の控除額
- 1年間に支払った保険料の総額 :控除額
- 20,000円以下⇒ 支払った保険料の全額
- 20,001円から40,000円⇒支払った保険料の半額+10,000円
- 40,001円から80,000円⇒支払った保険料の4分の1+20,000円
- 80,001円以上⇒40,000円
新制度の住民税の控除額
- 1年間に支払った保険料の総額 :控除額
- 12,000円以下⇒ 支払った保険料の全額
- 12,001円から32,000円⇒支払った保険料の半額+6,000円
- 32,001円から56,000円⇒支払った保険料の4分の1+14,000円
- 56,001円以上⇒28,000円
個人年金保険の人気商品は年代により異なる
20代・30代の人と40代・50代以上の人では、個人年金保険の選び方も違ってきます。
下の表は、2023年1月の資料請求数をもとにした、個人年金保険の年代別人気ランキングです。
どの年代も、こだわり個人年金保険外貨建・年金かけはし・たのしみ未来がベスト3なのは同じですが、外貨建ては若い世代ほど人気が高くなっています。
このように、個人年金保険の人気商品は、年代によっても変わってくる部分があります。
年代 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
20代・30代 | こだわり個人年金 | 年金かけはし | たのしみ未来 |
40代 | 年金かけはし | こだわり個人年金 | たのしみ未来 |
50代 | 年金かけはし | たのしみ未来 | こだわり個人年金 |
個人年金保険の比較に役立つ選び方
個人年金保険を比較する時に重視すべきなのは、種類と受取期間・返戻率・適格要件の3つです。
迷った場合はまずこの3つに立ち返って比較してみましょう。
- 種類・受取期間を選ぶ
- 返戻率の高さで選ぶ
- 個人年金保険料控除の適格要件をチェックする
①種類・受取期間を選ぶ
最初の章でも解説したように、個人年金保険には、終身年金・確定年金・有期年金といった受給方法の違いと、変額・定額、円建て・外貨建ての分類があります。
個人年金保険を比較する際は、まずどの種類と受取期間にすべきか考えましょう。
ただし、同じカテゴリーの個人年金保険でも、細かい条件は商品ごとに違ってきます。
まずは大まかに選んでから、個々の商品の詳細を比較していくとよいでしょう。
例えば、一口に確定年金といっても、受取期間は5年・10年・15年などそれぞれ違いますし、保証期間が付いているかどうかの違いもあります。
外貨建てならどの通貨で運用できるのかなど、細かい点も見ていくようにしましょう。
②返戻率の高さで選ぶ
個人年金保険の比較では、返戻率の高さも押さえておきたいポイントです。
返戻率が高いほうが、同じ保険料でもより多くの年金を受け取ることができます。
ただし、現在の定額個人年金保険はどの商品も返戻率が105%前後で、あまり違いがないのが現状です。
それでも商品によって多少の違いがあるので、返戻率は必ずチェックしておきましょう。
変額個人年金保険は返戻率をあらかじめ知ることはできないので、過去の運用実績やシミュレーションなどから判断していくことになります。
返戻率の高さにこだわるなら、変額個人年金保険や外貨建て個人年金保険に加入したほうが有利です。
③個人年金保険料控除の適格要件をチェックする
前章でも解説したように、個人年金保険は適格要件を満たすと個人年金保険料控除の対象となり、税制面で有利になります。
個人年金保険を比較する際は、適格要件を満たせるかチェックしておきましょう。
特に、一般の生命保険料控除を他の生命保険で上限まで使っている場合は、適格要件は重要なチェックポイントになります。
適格要件は条件が特に厳しいわけではありませんが、例えば年金の受取期間が短い場合(10年未満)は満たさなくなるので注意しましょう。
また、契約者・年金受取人・被保険者が同一でない場合も、適格要件を満たさないことがあります。
契約者・年金受取人・被保険者の違いはやや分かりにくいので、加入時に確認して適格要件を満たすようにしておきましょう。
【比較】個人年金保険のおすすめ人気ランキング7選
この章では数ある個人年金保険の中から、返戻率などを基準におすすめの商品を7選ご紹介します。
それぞれに特徴やメリットがあるので、比較して自分に合ったものを選びましょう。
- マニュライフ生命 こだわり個人年金(外貨建)
- JA共済 ライフロード
- ソニー生命 変額個人年金保険
- 三井住友海上プライマリー生命保険 ハッピーロード
- 住友生命 たのしみワンダフル
- 明治安田生命 年金かけはし
- 日本生命 みらいのカタチ年金保険
※2023年1月時点の資料請求数をもとにランキングを作成しています。
①マニュライフ生命 こだわり個人年金(外貨建)
マニュライフ生命の「こだわり個人年金(外貨建)」は、米ドルまたはオーストラリアドルで運用する外貨建ての個人年金保険です。
アメリカやオーストラリアは日本より金利が高いので、円建ての個人年金保険と比較して高いリターンが期待できます。
この商品は保険料を一定額の円で購入するので、為替が変動しても保険料が変わらないのが特徴です。
外貨が安い時に多く購入するので、自然と為替リスクを軽減できる仕組みになっています。
払い込みを一時的に停止できるのもこの商品の特徴です。
例えば、子供が大学に入って学費がかさむ時期は払い込みを停止し、卒業したら再開するといった使い方ができます。
②JA共済 ライフロード
JA共済の「ライフロード」は、予定利率変動型の個人年金保険です。
6年目以降の予定利率を毎年設定し直すことで、定額個人年金保険よりも高い返戻率を目指すことができます。
変額個人年金保険も予定利率を決めずに運用しますが、高いリターンが狙える反面、運用成績が悪化してしまうリスクもあります。
一方、ライフロードは最低利率が定められているので、運用が不調で損をする心配がありません。
予定利率の最低保証は、2023年1月現在で最初の5年間が0.3%、6年目以降が0.5%となっています。
定額個人年金保険と変額個人年金保険の、両方のメリットをうまく取り入れた商品だといえます。
参考:JA共済 ライフロード🔗
③ソニー生命 変額個人年金保険
ソニー生命「変額個人年金保険」は、運用成績によってもらえる年金額が変わる変額個人年金保険です。
個人年金保険に興味があるけれど、定額個人年金保険は返戻率が低くて不満という方におすすめです。
この商品では、株式や債券をはじめとする、8つの特別勘定から自分で選んで運用します。
そのため、投資に関する知識があったほうが、運用成績を伸ばせる可能性があります。
ただし、運用方法についてはアドバイスがもらえるので、投資の知識があまりない方でもサポートを受けながら運用することができます。
年金支払前に死亡してしまった場合は死亡給付金が支払われ、障害を負ってしまった場合は以後の支払いが不要になるなど、不測の事態に対応できる柔軟性も特徴です。
④三井住友海上プライマリー生命保険 ハッピーロード
三井住友海上プライマリー生命保険の「ハッピーロード」は、「目標設定型」と呼ばれる変額個人年金保険です。
返戻率の目標を自分で設定し、目標に達した時点で利益を確定するのが特徴となっています。
運用方法は外貨と特別勘定の組み合わせで、高い運用成績を追求します。
外貨は米ドル・オーストラリアドル・ニュージーランドドルから選べます。
運用の目標値は105%から200%の間で設定でき、もちろん目標に達しなくても年金を受け取れます。
変額個人年金保険は運用の不調による元本割れが心配ですが、この商品は100%または110%の最低保証があるので、原則として元本は保証されます。ただし外貨建てなので、為替レートによっては元本割れすることもあります。
この商品は、郵便局で申し込みできるのも特徴の一つです。
いつも使っている郵便局なら心理的なハードルも低く、顔見知りの職員がいれば質問もしやすいでしょう。
⑤住友生命 たのしみワンダフル
住友生命の「たのしみワンダフル」は、オーソドックスな定額個人年金保険です。
加入時に定めた予定利率にもとづいて運用し、元本を保証しながら老後の資金を積み立てることができます。
契約年齢は75歳までと高めの設定なので、年齢のせいで他の個人年金保険に加入できなかった60代・70代の方にもおすすめです。
返戻率は30歳で加入の場合、一時金で約104%、受取期間10年の確定年金で約106%となっており、定額個人年金保険としては平均的な数値となっています。
もし加入者が認知症などで意思決定能力が落ちてしまった場合は、代理人を立てることができる「保険契約者代理特約」があるのも特徴です。
⑥明治安田生命 年金かけはし
明治安田生命の「年金かけはし」は、死亡保障を低くする代わりに、年金の返戻率を高く設定している定額個人年金保険です。
返戻率は25歳加入で約107%、35歳加入で約105%となっており、定額個人年金保険としては十分な数値となっています。
契約できる年齢は20歳から55歳となっており、60代・70代の方は加入できません。
年金の受取方法は5年か10年の確定年金です。
この商品は、個人年金保険の基本的な機能に絞ったシンプルさが特徴だといえます。
受取方法や支払い方法が複数から選べる、複雑な個人年金保険はよく分からないという方におすすめです。
⑦日本生命 みらいのカタチ年金保険
日本生命の「みらいのカタチ年金保険」は、オーソドックスなタイプの円建て定額個人年金保険です。
返戻率は30歳加入で約105%とされており、平均的な水準はクリアできているといえます。
この商品には配当金があるので、もう少し返戻率が上がる可能性もあります。
年金の受取方法は、5年・10年・15年の確定年金、または保証期間10年付きの終身年金です。
受取方法は受取開始時に選択できるので、確定年金か終身年金かで迷っている方は、とりあえずこの商品に加入して後で決めることもできます。
3大疾病にかかった際に払込みを免除できる「保険料払込免除約定」など、サポートもきちんとしています。
契約可能年齢は7歳から65歳で、クレジットカード払いも可能です。
個人年金保険とiDeCo(個人型確定拠出年金)を比較
iDeCo(イデコ)も個人年金保険と並ぶ有力な私的年金の一つです。
個人年金保険とiDeCoどちらに加入すべきなのか、それとも両方活用すべきなのか迷ってしまう方も多いでしょう。
個人年金保険とiDeCoはそれぞれメリットとデメリットがあるので、それらを比較して自分のライフプランに合ったほうを選ぶことが大切です。
そこでこの章では、iDeCoについて概要と特徴を解説するとともに、個人年金保険が適しているケース、iDeCoが適しているケースを解説します。
iDeCoの概要と特徴
iDeCoとは、自分で運用方法を選ぶ私的年金の一種です。
個人年金保険は支払った保険料を保険会社が運用しますが、iDeCoでは運用方法を自分で選びます。
そのため、自分がどのように運用したかで受け取る年金額が変わるのが特徴です。
元本は保証されないので、積極的な運用にはリスクがともなうことを理解しておく必要があります。
iDeCoは個人年金保険より節税効果が高く、掛金は全額控除で運用益は非課税、受け取った年金も控除の対象となります。
【iDeCoの特徴】
- 自分で運用する
- 節税効果が高い
- 元本は保証されない
iDeCoに加入する際の注意点
iDeCoには個人年金保険にないさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットもあるので、両者を比較しながら総合的に判断する必要があります。
iDeCoに加入する際に特に注意しておきたいのは、元本割れのリスクや途中解約できないことなど、以下の4点です。
- 元本割れのリスクがある
- 途中解約はできない
- 加入期間は60歳まで
- 手数料がかかる
元本割れのリスクがある
iDeCoは定額個人年金保険と違い元本割れのリスクがあります。
お金を増やしたいからといってリスクの高い投資信託ばかり選ぶと、結局元本割れして損をしてしまう可能性もあるので注意しましょう。
iDeCoの運用方法を選ぶ際は、自分の投資信託の知識や経験に合わせて、適切なリスクをとることが大切です。
途中解約はできない
iDeCoは個人年金保険と違い、原則として途中解約はできません。
よって、iDeCoの掛金は余裕を持って設定し、急な出費で困ることのないように計画を立てる必要があります。
ただし、iDeCoの掛金は年ごとに変更できるので、一年ごとに掛金を見直していけばある程度リスクを回避できます。
加入期間は60歳まで
個人年金保険は加入期間が商品によってそれぞれ違い、50歳から85歳くらいまでの幅があります。
一方、iDeCoの加入期間は60歳までと決まっており、選択ができないのは注意点です。
手数料がかかる
iDeCoは加入時に2,829円の手数料がかかり、さらに毎月数百円程度の手数料がかかります。
ただし、iDeCoの掛金は全額所得控除されるので、節税メリットと手数料が相殺されると解釈すれば、必ずしも損ではないと考えることもできます。
個人年金保険とiDeCoのメリット・デメリットを比較
個人年金保険とiDeCoの主なメリット・デメリットを比較すると、下の表のようにまとめることができます。
これ以外にも、細かい点で比較すべきメリット・デメリットはいろいろあります。
しかし、まずは下の表に示した点を比較すれば、自分がどちらに加入すべきか大まかな方針を固めることができるでしょう。
個人年金保険 | iDeCo | |
---|---|---|
元本保証 | 定額個人年金保険:あり 変額個人年金保険:なし |
なし |
節税効果 | 低い 保険料の一部が所得控除 |
高い 掛金は全額所得控除 運用益は非課税 |
途中解約 | 可能 | 不可 |
加入期間 | 商品によって50歳から85歳くらいまで | 60歳までで固定 |
個人年金保険とiDeCoの節税効果を比較
iDeCoは個人年金保険より節税効果が高いのがメリットですが、個人年金保険の控除額の計算がやや複雑なのもあって、比較してどれくらい得なのかイメージが沸きにくいかもしれません。
そこでここでは、具体的な掛金(保険料)を想定して、実際どれくらい節税効果が違うのかを比較してみます。
下の表は、掛金(保険料)が月1万円・月15,000円・月2万円の場合に、それぞれ所得税の控除額がいくらになるか示したものです。
個人年金保険の所得税の控除額は上限が4万円なので、これ以上保険料が増えても控除額は変わりません。
一方、iDeCoは全額控除なので、掛金が増えるほど節税効果が高くなります。
掛金(保険料)の額 | 所得税の所得控除額 | 控除額の差 |
---|---|---|
月1万円(年12万円) | 個人年金保険:4万円 iDeCO:12万円 |
8万円 |
月15,000円(年18万円) | 個人年金保険:4万円 iDeCo:18万円 |
14万円 |
月2万円(年24万円) | 個人年金保険:4万円 iDeCo:24万円 |
20万円 |
個人年金保険が適しているケース
iDeCoより個人年金保険のほうが適しているケースとしては、主に以下の3点が考えられます。
- 手堅く老後資金を積み立てたい
- 投資信託について詳しくない
- 途中解約の可能性がある
手堅く老後資金を積み立てたい
定額個人年金保険なら途中解約しない限り元本が保証されますが、iDeCoは元本保証されません。
よって、手堅く老後資金を積み立てたい方は、個人年金保険が向いているといえます。
投資信託について詳しくない
iDeCoは自分で投資信託を選んで運用するので、投資信託の知識がなければ元本割れのリスクが大きくなってしまいます。
よって、投資信託について詳しくない方は、個人年金保険で保険会社に運用してもらうほうが安心です。
途中解約の可能性がある
iDeCoは原則、途中解約できないので、もし急な出費があっても掛金をおろすことはできません。
また、iDeCoのような私的年金は長い期間積み立てるので、途中でもっと良い商品が見つかって乗り換えたくなることもあるでしょう。
このようなケースでも、個人年金保険なら途中解約で対応することができます。
途中解約の可能性があるなら、個人年金保険を選んだほうが安心です。
ただし、個人年金保険を解約すると元本割れすることがあるので、加入の際は解約返戻率を確認しておきましょう。
iDeCoが適しているケース
個人年金保険よりiDeCoが適しているケースとしては、主に以下の3点が考えられます。
- 投資信託について知識がある
- 積極的な運用をしたい
- 節税効果を高めたい
投資信託について知識がある
iDeCoは運用する投資信託を自分で選ぶので、投資信託の知識の差が運用益に影響します。
投資信託の知識が豊富で、返戻率の低い定額個人年金保険に入るより自分で運用したい思う方は、iDeCoが適しているといえます。
積極的な運用をしたい
個人年金保険はかつては十分な利率がありましたが、現在は利率が低い商品がほとんどです。
頑張って何年も保険料を積み立てても、5%程度しか得しないのが現状となっています。
一方で、iDeCoは自分で運用方法を選ぶので、より高いリターンを目指した積極的な運用もできます。
自分の力で積極運用して老後資金を増やしたい方は、iDeCoが適しているといえるでしょう。
節税効果を高めたい
個人年金保険にも節税効果はありますが、上限が決まっておりせいぜい年間1万円程度の節税効果しかありません。
一方で、iDeCoは掛金が全額所得控除されるので、個人年金保険より高い節税効果が期待できます。
両者の併用もおすすめ
個人年金保険とiDeCoはどちらか一方に決めなくてはならないわけでなく、両方とも加入して併用することもできます。
両者のメリットをどちらも享受したい場合や、両者のデメリットによるリスクを分散したい場合は、両方とも加入してしまうのも一つの考え方です。
では最後にこの記事の内容をまとめます。
個人年金保険には受取期間、定額・変額、円建て・外貨建ての分類方法があり、これらを比較して商品選びしていくことになります。
個人年金保険の分類の仕方
- 年金受取期間による分類(終身年金・確定年金・有期年金)
- 定額・変額による分類
- 円建て・外貨建てによる分類
比較の際は種類や受取期間だけでなく、返戻率や適格要件もチェックしましょう。
個人年金保険の比較に役立つ選び方
- 種類・受取期間を選ぶ
- 返戻率の高さで選ぶ
- 個人年金保険料控除の適格要件をチェックする
おすすめの個人年金保険として、以下の7商品を紹介しました。
それぞれの特徴を比較して、ライフプランに合わせた商品を選ぶことが大切です。
- マニュライフ生命 こだわり個人年金(外貨建)
- JA共済 ライフロード
- ソニー生命 変額個人年金保険
- 三井住友海上プライマリー生命保険 ハッピーロード
- 住友生命 たのしみワンダフル
- 明治安田生命 年金かけはし
- 日本生命 みらいのカタチ年金保険
iDeCoと個人年金保険を比較すると、下の表のようになります。
それぞれメリット・デメリットがあるので、自分に合ったほうを選ぶことが大切です。もちろん併用することもできます。
個人年金保険とiDeCoのメリット・デメリットを比較
個人年金保険 | iDeCo | |
---|---|---|
元本保証 | 定額個人年金保険:あり 変額個人年金保険:なし |
なし |
節税効果 | 低い 保険料の一部が所得控除 |
高い 掛金は全額所得控除 運用益は非課税 |
途中解約 | 可能 | 不可 |
加入期間 | 商品によって50歳から85歳くらいまで | 60歳までで固定 |
以上、個人年金保険の比較方法について詳しく解説しましたが、自分だけで判断するのは不安な方もいるかもしれません。
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まずは一度、ご相談されてみてはいかがでしょうか。