【FP監修】個人年金保険の一括払いとは?保険料の一時払い、おすすめ人気商品を紹介

個人年金保険2022.03.15 公開 | 2022/03/22 更新

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個人年金保険の商品に登場する「一括払い」とはどのような仕組みなのかを中心に解説します。個人年金保険の基本的な知識から一括払いできる個人年金の種類、そしておすすめ商品まで一通りチェックしましょう。商品の選び方や重要なポイントも含めて将来に役立ててください。

個人年金保険の基礎知識

今回のメイントピックである「個人年金保険」の基本的な知識から理解しましょう。生活の中でどのようなタイミングで役立てられる保険なのかを知ってから、本題に進むと効率よく知識を深めることができます。

また、保険を考える中で気になるのが「老後資金」ですよね。これはメディアでも頻繁に話題に挙がることの多いキーワードです。これについても簡単に確認しましょう。

 

個人年金保険とは

個人年金保険とは、ある期間で定期的にお金を積み立てて、その契約時に決めた期間が終了したタイミングでお金を年金として受け取れる保険のことです。国民年金や厚生年金など公的な年金はおなじみですが、それとは別のものになります。

公的な年金だけでは不安な方は、個人年金保険に加入することで、さらに年金として貰える金額を上乗せさせることができます。契約した時点から決められた期間、支払いが続くことになりますが、老後の負担を軽減させられるのが魅力です。

 

【参考】老後に必要な費用の目安額

将来のことを考えると、やはり老後に必要な費用が心配ではありませんか?不自由なく暮らしていくためにはある程度必要な金額を知っておく必要があります。メディアでもたびたび取り上げられますが、月額約20万円~30万円程度が必要です。

この金額を考えると、少しでも余裕を持たせる生活がどうしたらできるようになるのか、悩んでしまいますよね。そんなときに個人年金保険は、老後の資金をさらに増やせる点で役立てられるというわけです。

退職金を考慮しても、国民健康保険や厚生年金だけでゆとりのある生活できるか心配と感じる方は多いです。個人年金保険についてぜひ知識を深めていきましょう。

 

個人年金保険の一括払いとは

ここからは、個人年金保険で見られる「一括払い」というキーワードに関して説明をしていきます。意味の説明をしたうえで、他の受け取り方法との違い、メリット、一括払いで年金を契約する際に注意したいことも含めて一通り見ていきましょう。

 

一時払い個人年金保険の概要

個人年金保険の「一括払い」とは「一時払い個人年金保険」のことを指します。一時払い個人年金保険とは、契約した時に支払った保険料を一定の年齢に達したタイミングで年金して受け取れる商品のことです。

わかりやすく説明すると、契約時に老後の年金受取に必要な金額を一括して支払うものです。いくらの金額が貰えるのかについては、その後運用によって変動します。

保険料を運用によって変動させられるわけですが、商品では最低保証の条件などが設定されている商品が多いので、安心してください。

 

平準払い・全期前納との違い

一時払い個人年金保険は、契約時に保険料を一括して払う商品だということが分かりました。実は個人年金には、一時支払いではなく別の支払い方法が利用できる商品も存在しています。

個人年金保険を選ぶときによく登場する仕組みが、以下の2種類です。

  • 平準払い
  • 全期前納

この機会にそれぞれの仕組みを理解しましょう。少し難しい名称ではありますが、わかりやすく説明します。

平準払い個人年金保険

まずは「平準払い個人年金保険」から解説します。これは契約した時点から一定の年齢に到達するまで、一定額を支払う仕組みの商品です。老後の年金として受け取るためには、契約した時点から継続的に契約した金額を支払わなければなりません。

平準払い個人年金保険では、最初に商品を契約するタイミングで将来的にいくら貰えるのかを知ることができます。そのため、老後資金の計算をより具体的に考慮できるはずです。

 

全期前納個人年金保険

では次に「全期前納個人年金保険」について解説します。この商品を契約すると、最終的に貰える年金額を契約時に全額支払います。その金額を保険会社が老後資金として預かった額を年金として支払うという保険商品です。

全期前納個人年金保険では、預け入れた金額に利息が付けられます。また、途中で契約を解除した場合でも返戻金があるなどメリットがあります。

契約期間内で死亡した場合でも、その時点で保険金として充当されなかった残りの金額が戻ってくるのも特徴の1つです。

 

一時払い個人年金保険の仕組み

今回のメインワードである「一時払い個人年金」の仕組みを見ていきましょう。この保険を活用するためにまずは契約から始まります。保険会社などから提示されたおすすめ商品から契約したい保険を決めます。

商品契約とともに、年金として受けとる資金を一括で支払いましょう。一時金なので、月額一定料金を支払う必要はありません。

一時金として支払った保険料は、保険会社によって運用されながら支払われていきます。受け取りは毎年です。

 

個人年金保険を一括払いするメリット

 

受け取る年金の原資を一時金として支払う「一時払い個人年金」を利用することで得られるメリットについて紹介します。どのような点で良いのかを理解して、自身に合ったものなのかを見極める材料にしてください。

ピックアップするメリットは全部で3つです。

  • 毎年受け取れる
  • 死亡保険金がある
  • 運用してくれる

以下でそれぞれ詳しく見ていきます。

 

毎年受け取れる

1つ目は、毎年年金を受け取れるという点です。保険料は一時金として全額支払わなければなりませんが、受け取りの際は毎年一定金額に振り分けられます。そのため、収入のバランスも考慮することができるだけでなく、安定した資金繰りで生活できるようになります。

 

死亡保険金がある

 

2つ目は、死亡保険金があるという点です。死亡保険金とは、契約者が途中で死亡してしまった場合でも一定金額が支払われる仕組みになっています。死亡保険金は、非課税の相続税として算入できますので、遺族にお金を残せる場合があります。

 

運用してくれる

3つ目は、運用してくれるという点です。一時払いで納められた保険料は、先ほども触れましたように保険会社が運用します。運用することで、貰える年金額を増加させられる可能性があります

 

個人年金保険を一括払いするデメリット・注意点

 

ではここで、「一時払い個人年金」を利用することのデメリット・注意したいポイントについても確認しましょう。特に意識する必要があるのは「生命保険料控除」です。保険料を支払う年に控除の対象となりますが、翌年は対象となりません。

この点を考えると、節税を意識したい方であれば、「全期前納」を利用することをおすすめします。全期前納の個人年金保険では、毎年を生命保険料控除の対象とすることができるからです。

繰り返しになりますが、全期前納は保険会社が保険料を預かるだけですので、一時支払いとは異なる扱いになります。

個人年金は、老後資金の一助とする点で意義のある商品です。最終的に少しでも年金を増やせる商品を見極めてください。

 

【参考】個人年金保険料の相場

 

では、今後自身で個人年金商品を契約することを考えてみましょう。契約の前に知っておいた方が良い情報があります。そのうちの1つに挙げられるのが、個人年金保険料の相場です。

あまりにも負担の多い契約をしてしまうと、多大な年金保険料で日々の生活が苦しくなってしまっては意味がありません。相場を考慮して、無理のない範囲で年金額を増やせるようにしましょう。

保険料の相場としては、年間で約20万円~25万円程度とされています。もちろん雇用形態や家庭の状況によって当てはまらない場合もあります。

 

一括払いできる個人年金保険の種類

保険料を一時金として支払う個人年金保険には、いくつか種類があります。多くのタイプを知っておくことで、より適切な年金を見つけることができます。以下2つの分類別にまとめて紹介します。

  • 運用方法による分類
  • 受け取り方法による分類

運用方法では定額か変額といった商品から選ぶことになり、利率やリスクを考慮する必要があります。また、受け取り方法では主に終身か確定かで選びます。

 

運用方法による分類

まずは運用方法による一時払い個人年金保険の種類を見ていきます。以下の表にまとめましたので、参考までにご覧ください。

運用方法別保険 概要と特徴
定額年金
  • 貰える年金額が確定している。運用損失があっても金額が保証される。
  • 金額が最初からわかるので、計画的に老後の費用を計算できる。
  • 利率に関しては比較的低めという特徴がある。
変額年金
  • 貰える年金額は未確定で保険会社による運用結果に委ねることになる。
  • 運用結果次第で老後の年金額が変わるため、資金計画が立てにくい。
  • 貰える金額が増える可能性はあるが、反対に少なくなることもある。

 

受け取り方法による分類

次に受け取り方法による分類を紹介します。終身タイプと確定タイプが挙げられますので、これらの概要・特徴を以下の表にまとめました。
受け取り方法別保険 概要と特徴
終身年金
  • 年金額は本人が亡くなるまで受け取ることができる。
  • 保証期間内で死亡した場合は遺族に支払われる商品もある。
  • 死亡するまでの年数が長いほど貰える金額が多くなる。
確定年金
  • 年金額が支払われる期間が決められている。
  • 年金額の受け取り期間が満了した時点で支払いが終了する。
  • 期間内で死亡した場合は残りが遺族に支払われる。

 

一括払いできる個人年金保険の選び方

個人年金保険に興味がある方は、さまざまな商品の中から自身に合ったものを見つける必要があります。一時払いの商品を探す際は、考慮すべき点を踏まえながら適切な商品かどうかを見極めてください。

運用方法、受け取り方法の商品を選ぶ際に意識したいポイントを中心にまとめました。

 

運用方法を選ぶ際のポイント

運用方法には先ほど紹介しましたように定額型、変額型の商品があります。また、外貨建ての商品がラインナップされる場合もあります。

外貨建てとは、年金額の支払い、受け取りをドルやユーロなどの外貨で取引するものです。これも含めて重要なポイントを見ていきましょう。

 

①定額型の個人年金保険

定額型に個人年金保険を検討している方に向けてポイントを紹介します。先ほど表でまとめた概要と特徴を踏まえながら見ていきましょう。定額型の場合は、契約時に貰える金額が分かるので、安心感があります。

運用がうまくいかなくても金額保証が存在しますので、受け取りの際に少なくなることがありません。老後資金を無難に受け取りたい方には良いですが、インフレーションが発生した場合に最終的に損になる場合があります。

確かに金額が決まっている点では安心できますが、円の価値が変わるリスクは理解する必要はあります。以上の点を考慮しながら商品を選んでください。

 

②変額型の個人年金保険

変動型の商品を選ぶ場合のポイントです。保険会社の運用結果に左右されますので、多めに年金額を受け取れる可能性があります。もちろん損失も考慮しなければなりませんが、リスクが高めでも貰える金額を増やしたいと考えている方には向いています。

商品にはその他の保証によってカバーされるものもありますので、リスクをどの程度軽減できるのかということも頭に入れながら選ぶことをおすすめします。

 

③外貨建ての個人年金保険

外貨建て商品を選ぶ際のポイントを見ていきましょう。為替相場を考慮する商品なので、通貨価値に応じて金額が変動します。より多めに年金を受け取りたい方には良いですが、もちろんこちらもリスクが伴います。

円に換金したときに円高の場合は、貰える金額が低くなることも考慮しながら商品を選んでください。また、円に換算する際の手数料が発生しますので、この点も注意しましょう。

【参考】基本年金金額の相場

基本年金金額の相場はいくらか気になる方は多いです。日本年金機構によると、国民年金の月額は55,000円程度、厚生年金は、月額200,000円程度とされています。厚生年金は、夫婦2人老齢基礎年金が合算されていますので注意してください。

 

受け取り方法を選ぶ際のポイント

受け取り方法で商品を選ぶ際に考慮したいポイントの紹介に移ります。受け取り方法でよく挙げられる商品は以下の4つです。

  • 終身年金
  • 確定年金
  • 有期年金
  • 夫婦年金

年金給付に関しての相場についても併せて見ていきましょう。

①終身年金

終身年金を選ぶ際のポイントから紹介します。健康的な生活で長生きした場合には恩恵が受けられる商品です。本人が亡くなるまで受け取れるのが大きなメリットとして挙げられます。ただし死亡時の保証があるかを考慮することもおすすめです。

意図しないタイミングで亡くなった場合に、遺族に支払われる保証があれば、保険料を掛け捨てにせずに受け取れます。

 

②確定年金

確定年金は先ほど表で紹介しましたように、どの期間でいくら貰えるのかが決まっています。計画的に年金額を増やしたい方におすすめです。ただし長生きした場合、期間が終了した後の年金について考慮する必要性が出てきます。

③有期年金

有期年金のポイントを見ていきましょう。こちらも同様にどの期間でいくら貰えるのかがはっきり決まっていますので、老後資金をより具体的に考えたい方におすすめです。

保険料は比較的安い傾向にありますが、遺族への支払いが受けられないなどのリスクを考慮する必要があります。

④夫婦年金

最後に夫婦年金を考えるポイントを見ていきましょう。夫婦単位で年金が貰える商品で、いずれか1人が亡くなっても、もう1人に金額が引き続き支払われる点でリスクを軽減できます。

1人ずつ個別の商品を契約していると、死亡時に遺族が受け取れないなどのリスクが発生します。1つの保険商品にまとめた方が恩恵を受けやすいので、夫婦年金という考え方もおすすめです。

【参考】年金の給付開始年齢と給付期間の相場

では年金を貰い始める年齢、期間はどの程度なのでしょうか。年金の給付開始年齢は65歳からが一般的ですが翌年以降に持ち越すことも可能です。ただしこの場合は受給額が変わります。

また、給付期間の相場は20~22年ほどと言われています。退職金も含め、少なくとも20年間は十分な年金が受け取れるような資金計画を立てる必要があります。

 

 

 

一括払いできる個人年金保険のおすすめ人気商品5選

最後になりますが、保険料を一時払いで契約できる商品のおすすめを紹介します。ピックアップするのは全部で5つです。人気商品の中から選びました。特徴やメリットなど簡単にまとめます。

今後個人年金保険への加入を考えている方は、以下の5商品をぜひ検討材料として役立ててください。その際は、これまで紹介してきたポイントを踏まえながら選びましょう。

また、以下紹介するおすすめ商品の中に気になるものがありましたら、ぜひ検索してみてください。

 

①三井住友海上プライマリー生命『あしたの、よろこび2』

1つ目のおすすめは三井住友海上プライマリー生命『あしたの、よろこび2』です。

おすすめ① 特徴 タイプ・コース メリット・デメリット
あしたの、よろこび2
  • 通貨選択生存保障重視型個人年金保険
  • 円・ドル(外貨)建て
  • 受け取り重視コース
  • 先取・安心コース
  • 満期充実コース
  • ターゲットコース
  • 長生き時・死亡時のリスク軽減バランスを考慮できる
  • さまざまなコース内容
  • 預金形式ではない
  • 元本割れするリスク

②第一フロンティア生命『プレミアカレンシーM3』

2つ目のおすすめは第一フロンティア生命『プレミアカレンシーM3』です。

おすすめ② 特徴 タイプ・コース メリット・デメリット
プレミアカレンシーM3
  • 積立利率変動型個人年金保険
  • 円・ドル(外貨)建て指定が可能
  • 基本プラン
  • 満期重視プラン(死亡時給付50%)
  • 満期重視プラン(死亡時給付100%)
  • 資産を増やす場合におすすめ
  • 長生きのリスク軽減
  • 円高で損失のおそれ
  • 遺族への支払いリスク

③ニッセイ・ウェルス生命『賢者の年金』

3つ目のおすすめは、ニッセイ・ウェルス生命『賢者の年金』です。

おすすめ③ 特徴 タイプ・コース メリット・デメリット
賢者の年金
  • 積立利率金利連動型年金
  • 円・ドル(外貨)建て指定が可能
  • 確定年金
  • 年金総額保証付終身年金
  • 年金総額保証付後厚終身年金
  • 円高で損失のおそれ

④住友生命『たのしみグローバルII』

4つ目のおすすめは、住友生命『たのしみグローバルII』です。

おすすめ④ 特徴 タイプ・コース メリット・デメリット
たのしみグローバルII
  • 5年ごと利差配当付指定通貨建個人年金保険
  • 円・ドル(外貨)建て指定が可能
  • 指数連動プラン
  • 分散投資でリスク軽減
  • 資金を守りながら増やす仕組み
  • 元本割れするリスク

⑤メットライフ生命 『プロシオン』

5つ目のおすすめは、メットライフ生命 『プロシオン』です。

おすすめ⑤ 特徴 タイプ・コース メリット・デメリット
プロシオン
  • 定額個人年金保険
  • 円・ドル(外貨)建て指定が可能
  • 定期引出プラン
  • ターゲット設定プラン
  • 基本プラン
  • 円安時に 資金が増やせる
  • 据え置き期間を引き延ばせる
  • 円高による損失
  • 解約手数料の発生

まとめ

今回は個人年金保険の商品で見られる「一時払い」について解説しました。紹介した内容を以下ポイントとしてまとめます。今後の保険商品選びの知識として役立ててください。

  • 「個人年金保険の一括払い」とは、保険料を一時払いすること。
  • 「個人年金保険」は、老後受け取る年金に上乗せできる保険商品。
  • 一時払い個人年金保険のメリットは、毎年年金が受け取れる点だけでなく、死亡時の給付金や運用により資金を増やせること。
  • 一時払い個人年金保険のデメリットは、生命保険料控除の回数が最初の年のみであること。
  • 定額年金は、貰える年金額が確定しているが、利率に関しては比較的低め。
  • 変額年金は、保険会社による運用結果で決まり、貰える金額が増えたり減ったりする可能性がある。
  • 終身年金では、年金額は本人が亡くなるまで受け取ることができる。
  • 確定年金では、年金額が支払われる期間が決められており、受け取り期間が満了した時点で支払いが終了する。
  • 外貨建ての商品では元本割れなどのリスクを考慮したうえで契約する必要がある。

もし選ぶ際に疑問点があったり、不明点があったりした場合は、保険のプロに相談することを強くおすすめします。

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