【FP監修】学資保険の解約返戻金は損?受取額や計算方法、満期保険金との違いも解説!

学資保険2022.12.06 公開 | 2022/12/22 更新

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学資保険に加入したものの、なんらかの理由で解約を検討することもあるでしょう。
この記事では、解約返戻金の基礎知識から税金のことまで、徹底解説しています。
解約手続きをする前に検討していただきたいポイントもお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。

学資保険の解約返戻金とは?

まずは、解約返戻金の基礎知識をご紹介していきます。

これから加入する方も、解約を考えている方も、ぜひ参考にしてみてください。

 

解約返戻金の読み方と意味

解約返戻金は「かいやくへんれいきん」と読み、保険会社との保険契約を解約したときに支払われるお金のことを意味します

会社は責任準備金として、保険金や解約返戻金の支払いに備え一定の資金を確保しておかなければなりません。

解約返戻金はこの責任準備金から支払われることになります。

保険契約を継続する上で、解約返戻金は大事なポイントなのでしっかり理解しておきましょう。

 

解約返戻金の特徴

解約返戻金にはいくつかの特徴があります。

  1. すべての保険に解約返戻金がある訳ではない
  2. 保険料払込期間途中の解約は返戻率が低い
  3. 支払った保険料の満額は戻らない

それぞれについて詳しく説明していきます。

すべての保険に解約返戻金がある訳ではない

解約返戻金は全ての保険に発生する訳ではありません。

学資保険はもちろん、個人年金や終身保険などの貯蓄性の高い保険には解約返戻金は発生する場合が多いですが、医療保険や定期保険などに多い「掛け捨て」と呼ばれるタイプには発生しない場合が多いです。

加入する前の保険設計書に、解約返戻率は載っている場合が多いので、万一のときのために確認しておきましょう。

もし、保険設計書に解約返戻金のことが載っていなかった場合は、カスタマーセンターや担当者へ確認することをおすすめします。

保険料払込期間途中の解約は返戻率が低い

保険料の内訳には大きく分けて

  • 貯蓄にまわる分
  • 保障にまわる分

があります。

貯蓄の部分は保険会社が運用するため、運用期間が長いほど解約返戻金も上がります。

また、保険料払込終了後は金額が大きくなるため、保険会社にとって運用資金が多くなるといったメリットがあります。

そのため、返戻率は上がる傾向があるのです。

反対に、保険料払込期間途中は運用があまりできないため、返戻率も低い傾向があります

支払った保険料の満額は戻らない

当然のことなのですが、保険は純粋な貯金とは異なります。

そのため、解約した場合、支払った保険料の全額は戻ってきません

 

貯蓄タイプだから、いつ解約しても全額戻ってくると勘違いしている方は意外と多いので、ここはしっかり理解しておきましょう。

保険会社からは、保障部分の料金や運用のための費用を差し引いた金額が返還されます。

解約返戻金のタイプ

解約返戻金には3つのタイプがあります。

途中で変更することはできないので、加入前に確認が必要になります。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

従来型

基本のタイプがこちらです。

保険商品によって定められた返戻率によって、解約返戻金が算出されます

 

解約返戻金は、その時点で支払った保険料総額に返戻率を乗じることによって算出されます。

返戻率は保険商品や契約年数、契約者の年齢などさまざまな条件によって決まります。

返戻率は、加入前の保険設計書で確認できるので、返戻率を確認してから加入することをおすすめします。

低解約返戻金型

保険料払込期間途中の解約返戻金を、従来型の70%に設定しているのが「低解約返戻金型」です

払込期間途中の解約返戻金が低い代わりに、従来型より保険料は安くなるのが特徴です。

保険料払込期間が終了した後は、従来型と同じ解約返戻金になります。

学資金を受け取るまでは絶対に解約はしないけれど、保険料は少しでも安くしたい、という方にはおすすめです。

無解約返戻金型

文字通り、解約返戻金がないタイプです

その分、保険料は割安になります。

 

ただし、学資保険で無解約返戻金型というのはあまり存在しません。

定期保険や医療保険に多く存在し、貯蓄ではなく保障をメインにした「掛け捨て」と呼ばれるタイプに多いです。

 

 

解約返戻金はいくら受け取れるか?

どうしても解約をしなければならない場合、解約返戻金がいくらもらえるのかは気になるところです。

ただし、自分の計算で正確な金額をだすことは難しいと言えます

なぜなら、返戻率は、保険会社や契約者の年齢、契約期間などによって変わってくるからです。

最適な方法は、担当者か保険会社に問い合わせをすることです。

問い合わせをすれば、その時点での解約返戻金を試算してくれます。

とは言っても「もしものときのために目安は知っておきたい」という方も多いでしょう。

ここでは、モデルケース使って、解約返戻金がいくらもらえるのかをご紹介していきます。

解約返戻金の計算方法

モデルケースを使って、解約返戻金の計算方法を見ていきましょう。

 

契約者30歳・子供0歳・払込期間10歳まで・受取開始18歳・月額保険料15,000円のケース
経過年数 払込保険料累計 解約返戻金額 返戻率
5年 90万円 70万2000円 78%
10年 180万円 169万2000円 94%
15年 180万円 181万8000円 101%

上記の5年で解約した場合の計算方法の詳細はこちらです。

  • 払込済保険料総額=月額保険料15,000円×12カ月×5年=900,000円
  • 返戻率=解約返戻金額702,000円÷払込保険料900,000円=78%(返戻率)

このように払込保険料と返戻率によって、解約返戻金は算出されます

この結果を見るとわかる通り、中途解約時の解約返戻金は元本割れするケースがほとんどです。

ただし、経過年数が長いほど解約返戻率は上がっていきます。

また、保険料払込終了後は、この場合のように、受取時期まで待たなくても元本割れしないケースもあります。

ただし、これはあくまでも一例です。

実際に計算するときは自分が加入している保険の返戻率によって計算する必要があることをご理解ください。

解約返戻金と満期保険金の違い

ここで改めて、解約返戻金と満期保険金の違いを確認しましょう。

解約返戻金とは、保険契約を途中で終了させたときに発生するお金のことで、元本割れする可能性が高いです。

それに対し満期保険金は、期間が定められている保険に加入している被保険者が、満期の時期に生存していた場合に支払われるお金のことです

もちろん、加入時に設定した受取金額は満期まで続ければ受け取ることができるので、損をする可能性はほぼありません。

学資保険は高校卒業時を中心に、複数回に渡って学資金が支払われる商品がたくさんあります。

その中でも最後の受け取り金が満期保険金となり、同時に学資保険も消滅する仕組みになっています。

解約返戻金との共通点があるとすれば、どちらもお金が支払われた後は保険がなくなるため、保障もなくなるという点です。

学資保険の解約返戻金で損をする理由

学資保険は、基本的に長期間での契約を前提としています。

そのため、予想外に早期で解約することにより損をしてしまうケースが多く発生します。

どんな理由で損をしてしまうのかを確認していきましょう。

 

 

解約手続きはキャンセルできない

一度、解約手続きをしてしまうと、その手続きをキャンセルすることはできません。

解約をしてしまうと元の状態に戻すことは出来ないのです

また、再度、学資保険に加入したいと思っても、以前加入していたときと同じ条件とは限りません。

保険会社は日本の金利情勢の影響を受けて、学資保険の利率も変えていくので、情勢によっては返戻率が下がっている場合もあります。

また、被保険者の年齢により保険料も返戻率も変わります。

一般的には、年齢が上がると保険料も上がりやすいので「再加入すれば大丈夫」という気持ちで気軽に解約すると、損してしまうケースがほとんどです。

また、学資保険には加入する際に年齢制限があるので、再加入時の年齢によっては加入できないケースもでてきます。

 

 

解約によりペナルティを受ける?

「解約するとペナルティを受ける」という話を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、実際には解約により契約者がペナルティを受けるということはありません

おそらくこの場合のペナルティとは、契約者に対してではなく、営業担当者にかかるものを指していると思われます。

担当者が自分にペナルティがかかるのを防ぐために解約はできない、と言っているケースが実際に発生したこともあるようです。

そのため、実際には契約者が解約をしてペナルティがかかるといったことはありませんので安心してください。

もし担当者に言いづらい場合は、保険会社のカスタマーセンター等へ連絡すれば問題ありません。

 

ただし、学資保険に子供の医療保障などの特約をつけていて早期解約をした場合は、解約返戻金がゼロのケースもあり得ます。

特約をつけていなかった場合でも、早期解約は返戻率がとても低いので、やはり解約をすると最終的には損してしまう場合が多いのです。

 

 

学資保険の元本割れで損をしないために

学資保険の解約でいちばん損をしてしまう理由が「元本割れ」です。

元本割れとは、支払った金額より少ない金額が戻ってくることを意味します。

解約返戻率は保険商品によって違いはありますが、保険料払込期間途中に100%を超えることはほぼありません。

そのため、保険料払込期間途中に解約した場合、かなりの確率で元本割れを起こしてしまいます

 

保険は貯蓄と違い、保障がセットになって価値があるものです。

元本割れした上に保障もなくなってしまうと、学資保険のメリットがなくなってしまいます。損をしないためにも、長期間続けられる内容で加入をすることが大切です。

 

 

未経過分の学資保険料が返らないケースもある

支払い方法を「年払い」や「半年払い」にしている方に当てはまるのが、未経過分の保険料が返還されずに損してしまうケースです。

月払いの場合は解約をすれば、その時点で支払いはストップしますが、年払いの場合は、翌年の支払い月からストップされるため、未経過分の保険料は返還されない場合があります

例えば、毎年4月が支払い月で解約したのが7月だった場合、8月から翌年3月までの保険料は戻ってこないのです。

保険会社により対応は違いますが、多くの保険会社は未経過分は返還しないとしているので、解約をするタイミングにより損してしまう可能性もあるのです。

 

 

学資保険の保障が消える

解約をすれば保険契約が消滅します。

そのため、学資保険の保障も無くなってしまいます。

いちばんの特徴である「契約者に万一のことがあった場合に保険料の払込が免除になる特約」も無くなってしまうので、解約後は親の万一に自分で備えていかなければなりません

このような保障の形態は学資保険ならではのものです。

また、子供の医療保障特約をつけていた場合も保障は消えてしまうので、新たに医療保障を準備する必要がでてきます。

 

 

学資保険の解約返戻金を受け取る前の検討ポイント

保険料の支払いが大変で「もう学資保険を解約するしか方法はない」と思っても、他に検討すべきポイントはあるはずです。

解約をすると損してしまうケースがほとんどです。

解約手続きをする前に、今一度、検討するポイントをご紹介していきます。

 

 

契約者貸付制度

契約者貸付制度とは、解約返戻金の一定の範囲の中で、契約者が融資を受けられる制度です

一般的に解約返戻金の70~90%を上限として融資が可能です。

 

ただし、注意したいのは利息が発生する、ということです。

利率は契約時に決まっているので、契約書などで確認できますが、貯蓄をしているのに利子を支払わなければならない、というのは特殊な状況でもあるので、「貸付金」ということを忘れないことが大切です。

万一、融資金額が解約返戻金を超えてしまった場合は、保険契約が失効してしまいます

。失効とは保険の効力が無くなることを意味します。

最悪の場合、失効中に契約者に万一のことがあっても、保険料の支払いは免除にならない、というケースも発生してしまうので注意が必要です。

また、あくまでも貸付の制度なので、毎月の保険料の支払いはそのまま続きます。

融資金の返済は保険期間内に返済が終了していればよく、返す時期や金額も、自由に選べます。

ただ裏を返せば、保険会社から催促がないので、いつの間にか利子で融資額が多くなっていた、ということもあり得ますので、できるだけ早く返済することをおすすめします。

なんらかの理由で一時的にお金が必要になった場合には、契約者貸付制度は有効的な手段です。

 

 

自動振替貸付制度

自動振替貸付制度とは、保険料の支払いができなくなった場合に、解約返戻金の中から自動的に保険料を支払う制度です

こちらも貸付になるので、利子も発生しますし、保険期間内に返済する必要があります。

契約者貸付制度が金額を指定して借りられるのに対し、自動振替貸付制度は保険料分のみを貸付する、という違いがあります。また、ほぼ自動的に付帯されている制度なので、利用するときの手続きが簡単なのも特徴です。

 

 

減額(一部解約)

減額とは、学資保険の一部のみを解約することです。一部のみ解約することで下記のメリットがあります。

  1. 毎月の保険料が下がる
  2. 解約した部分の解約返戻金が受け取れる

ただし減額した分、受け取れる学資金の額も減ってしまいます。

減額試算は自分ではできないので、保険会社に連絡をし、試算してもらう必要があります。
ちなみに、減額はできますが、余裕ができたからといって増額はできませんので注意が必要です。

払済保険への変更

払済保険への変更とは、今ある保険契約はそのまま継続するけれど、保険料の払込はストップさせる方法です

契約は続くので、学資金の受け取り時期がくれば、払込済保険料総額から計算された金額を受け取ることができます。

もちろん予定していた受取金より低くなります。

「保険料の払込は厳しいけれど、解約返戻金を受け取りたいほどではない」といった方におすすめです。

ただし、払い済み保険にするには、払込済保険料総額がある程度に達していないとできません。

そのため、加入してから短期間で払い済み保険にするのは厳しいと言えます。

また保険会社によっては、学資保険は払い済みにできないという会社もあるので、確認が必要です。

 

 

特約のみの解約

学資保険に特約をつけている方は、特約のみを解約することによって保険料を少なくすることができます

ただし、保険料の内訳を見るとわかるのですが、特約部分は貯蓄部分に比べると、保険料はごくわずかです。

大幅な保険料の減額にはならないので、少しでも毎月の負担を減らしたい、という方には検討してみるポイントになります。

 

 

解約返戻金の増加まで待つ

解約返戻率は、時間が経過するごとに上がっていきます。

いちばん良いのは返戻率が100%を超えるまで待つことです

100%を超えれば、損をすることはありません。

「保険料の支払いが苦しくなってきた」と感じた段階で、保険会社にいつ解約返戻率が100%を超えるかを確認しておけば、そのときまで続けようというモチベーションになるかもしれません。

学資保険の解約返戻金と税金

解約返戻金で多額のお金を受け取った場合に、税金や確定申告が気になる方もいるでしょう。

ここでは、税金がかかるケースや、確定申告が必要なケースをご紹介していきます。

解約返戻金に税金がかかるケース

解約返戻金は税制上では一時所得に分類され、金額によっては税金がかかる場合もあります。

具体的には「解約返戻金−払込済保険料総額」が50万円を超える場合にのみ、課税されます

50万円を超えない場合は課税されません。

課税される場合に一時所得を計算する必要がありますが、一時所得を計算するには

(解約返戻金−払込済保険料総額−特別控除50万円)×1/2

で算出します。

この金額が一時所得になり、他の所得がある場合はそれらを合算して税金が算出されます。

 

 

学資保険解約返戻金と確定申告

確定申告をしなければならないケースとは以下の通りです。

  1. サラリーマンで、給与以外の所得が年間20万円以上の場合
  2. 公的年金受給者で年金受給額が年間400万円以下、かつ、所得が20万円以上の場合
  3. 個人事業主などで、年間所得が38万円を超える場合

解約返戻金による一時所得が他の所得と合計して、上記のどれかに当てはまる場合は確定申告をする必要があります

保険会社は100万円を超える解約返戻金を支払った場合には、税務署に支払い調書を提出することになっています。

解約返戻金を受け取った場合は、うっかり申告漏れで指摘されないように気をつけましょう。
※本記事では執筆時の2022年3月時点での法令に基づき記載をしております。個別税務については所管の税務署へご確認をお願い致します。

学資保険の解約返戻金の請求手続き

いろいろ検討したものの、やはり解約することを選ぶ方もいるでしょう。

ここでは、手続き方法をご紹介します。

保険会社によって多少の違いはありますが、流れはこちらになります。

  1. 保険会社に解約依頼の連絡をする
  2. 必要書類を用意する
  3. 郵送、または、電子で手続きをする
  4. 解約返戻金の入金を確認する

学資保険に限らず、保険の手続きは基本的には契約者本人が行います。

保険会社はそのあたりを厳しく確認するため、原則は契約者本人が連絡や手続きをするようにしましょう

契約者本人が手続きできない場合は、委任状や契約者の身分証明書やその他の書類が必要になってきます。

解約手続きの必要書類は、保険証券と本人確認書類、解約返戻金の振り込み口座などが必要になるケースが多いです。

学資保険の解約返戻金はいつ受け取れるか?

解約返戻金は保険会社に連絡し、所定の解約手続きを行うことで受け取ることができます。

解約日は、対面の場合は手続きが完了した日、郵送の場合は書類が保険会社に届いた日になります。

解約返戻金の受け取りまでにかかる時間は保険会社により異なりますが、解約日から3営業日後~1週間以内に支払われることが多いです。

 

 

まとめ

本記事では学資保険の解約返戻金について解説しました。以下本記事で触れた内容をまとめましたので参考にしてください。

  • 解約返戻金は貯蓄と違うので、全額は戻らない
  • 学資保険は「従来型」「低解約返戻金型」のどちらかのタイプが多い
  • 解約返戻金を計算するには「払込済保険料総額」と「返戻率」が必要
  • 学資保険の解約は元本割れの可能性が高い
  • 解約をする前に貸付や減額や払い済みなどにできないか、一度検討するべき
  • 払込済保険料総額と解約返戻金の差額が50万円超の場合は、所得税がかかる場合もある

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