【FP監修】外貨建て保険とNISAの違いを徹底比較!

外貨建て保険2022.03.16 公開 | 2024/08/13 更新

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本記事では、資産形成として比較検討される事の多い外貨建て保険とつみたてNISAの違いを、プロの金融アドバイザーが詳しく解説していきます。加入検討されている方やどちら一方加入されている方にも参考となる内容となっていますので、ぜひお役立てください。

外貨建て保険とは?

外貨建て保険とは米ドルや豪ドルといった外貨で保険金額(死亡・高度障害児に支払われるお金)、保険料(掛け金)、解約時に戻ってくるお金である解約返戻金を運用することです。

外貨の方が日本円よりも金利が高く、万が一の死亡保障があったり老後資金を貯蓄できたりといったメリットがあることから非常に注目を集めています。

ではなぜ円建てよりドル建てのほうが金利が高いのか説明していきます。

円建て商品は、日本の再建利回りが低下していることから金利が低くなっています。
一方、外貨建て保険は米国債券利回りを基準として保険会社は積立利率を決めているため円建て商品より金利が高くなります

このような理由で多くの方から注目されている商品ですが、トラブルによる苦情が少なくありません。特に高齢者や親族からの苦情が多く、外貨建て商品の基本的仕組みを理解せずに加入してしまっているケースが多いのでこの記事でしっかり解説していきます。

 

外貨建て保険のメリット

外貨建て保険のメリットについて解説していきます。

まずは、円建て商品と外貨建て商品2つを持つことにより為替リスクの分散ができる事です。
円の価値が下がったとしても満期保険金や解約返戻金を外貨で受け取れるので海外旅行でそのまま使うことができたり、円の価値が上がるタイミングまで外貨で持っておくことが可能です。
また、運用の利回りが高いほど、目標額に達成する速度が速くなり、その分保険料を安くすることができたり解約返戻金を増やすことができます。その為、円建て商品に比べて保険料が割安になります。

さらに、近年の日本ではマイナス金利となっているため保険会社も運用に苦戦していますが、外貨では商品によっては2~3%の利回りが見込めるため円建て商品より有利に運用することができます。

 

外貨建て保険のデメリット

一方で、デメリットをお伝えしていきます。

外貨建て保険では基本的に積立金が元本を超えるまで年数がかかる事が多い為、早期で解約した場合元本を割ってしまうケースが多いです。そのため外貨建てで運用を考えているのであれば長い目で考えていく必要があります。

また、外貨建て保険は保険料の支払い時や受取時に為替リスクに加えて、為替手数料がかかってしまう点もデメリットの1つに挙げられるでしょう。
円をドルに換えるときやドルを円に換えるときにそれぞれ為替相場にプラスされることを考慮して損益判断を行わなければなりません。

以上のように、ある程度のリスクがある為、金利も高いですが、元本割れというリスクを絶対負いたくない人や将来の生活費など絶対に必要となるお金を貯めなくてはいけない人などは外貨建て保険はおすすめできません。

 

NISAとの比較

外貨建て保険についてお伝えしましたが、続いて、よく比較対象とされる「NISA(つみたて投資枠)」について解説していきます。

初めに、保障と運用を一緒に考えるのは間違いです。
もし保障が必要であれば生命保険に必要な保障額で加入し、保障と運用とは切り離して考えるべきです。

例えば保険では家族を守るためだけではなく、独身の時にも就業不能状態になってしまった時の対策として必要です。生活が安定しているタイミングだからこそ万が一の備えについて考えておくべきです。

そして、NISAは過去の実績では株式を中心とした投資信託での運用が一番パフォーマンスも良く、インフレリスクの対策にも有効です。

個人的には、いつでも引き出せるNISAでの投信積み立てを優先し、資金に余裕のある人や性格的に将来もらえる金額がわかる商品を持ちたい方は外貨建て保険を組み入れてもいいかもしれません。
株式や投資信託ほど大きく増やすことは狙えませんが、相場に左右されず確実に積みあがっていく商品で積み立てをしていく方が向いているからです。

また、NISAの積立投資枠は年間120万円までの投資額の範囲内で、投資で得た利益が全額非課税になります。こういった有利な税制もあり、長期間積立分散投資をすれば個人年金保険よりも資産形成に有利です。

しかし、積立なので、ある程度の資産形成ができるまで10年・20年と言った期間がかかります。契約時に保険金が決まる保険と組み合わせて死亡や働けなくなるリスクに備える必要があります。

 

まとめ

外貨建て保険とNISAの違いについてお伝えしましたが、ご自身に合った商品選択をするためにはライフプランからキャッシュフロー表を作成し、教育資金や老後資金等で必要な目標額の設定をすることも重要となってきます。

NISAと外貨建て保険には違いがありますが、どちらか一方に加入すればいいというわけでもありません。
それぞれのメリット・デメリットをきちんと理解し、自身の家計や状況にマッチした保障と運用を考えていきましょう。
また、複雑な税制や多くの情報が溢れている現在は、プロの金融アドバイザーに相談をし、一緒に将来設計をしていく方も増えてきています。

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