【FP監修】掛け捨ての保険って実際どうなの?積立型との比較や、メリット・デメリットを専門家が解説!
新型コロナウイルスの影響もあり、新規で生命保険に加入される方や現在加入されている保険の見直しをされる方が増えてきています。
しかし生命保険には数多くの種類があり、目的に応じてしっかりと選択することが欠かせません。
本記事では「掛け捨ての保険って実際どう?」「積立型とどっちがいいの?」という疑問に対して専門家が解説していきます。
参考の一助となれば幸いです。
記事監修者
マネーペディア株式会社
嶋 時生
掛け捨て保険について
掛け捨ての生命保険とは、保険期間満了時に受け取れる満期保険金や、解約時に受け取れる解約返戻金が無く貯蓄機能が無い生命保険のことをいいます。
今や貯蓄機能のある生命保険も増えてきていますが、掛け捨て型は万が一の際のリスクに備え、何もなかった場合にはそれまでに支払ってきた保険料は返ってこないというものになります。
ただし、その分保険料が割安になっています。
貯蓄型保険について
貯蓄型の生命保険とは、生命保険としての保障機能と将来の資金準備のための貯蓄機能の両方を兼ね備えた保険のことをいいます。
また、貯蓄型保険には一生涯保障される終身保険タイプと保険期間が定まっている養老保険タイプの二種類があります。
一般的に終身保険タイプには保険料の払込期間が定められており、保険料の払込期間満了後においては保険料の支払い無く保障を一生涯持ち続けることができます。
また、契約後から加入期間が長くなれば長くなるほど解約返戻金が増加し、一定期間を超えると払い込んだ保険料よりも上回る場合が多くなっています。
ただし、早期に解約すると受け取れる解約返戻金が払い込んだ保険料よりも下回ることが多く、全くない場合もあるので注意が必要です。
掛け捨て保険のメリット
保険料を安く抑えて保障を準備できる
掛け捨て保険の一番のメリットは、保険料を安く抑えて万が一の際に大きな保障を準備できることです。
貯蓄型の保険は前述の通り、保険料の中から保障部分と貯蓄部分の二つのお金を支払っていることになります。
一方で、掛け捨て保険は保障部分のみの保険料になるため支払いを抑えることができます。
また、貯蓄型の保険とは違い同じ保険料でも掛け捨て保険の方が高い保険金額になります。
これは先ほどと同じで、掛け捨て保険は純粋に保障部分に対する保険料のみの構成になるからです。
保険の見直しがしやすい
掛け捨て保険の方が貯蓄型保険と比較して見直しをしやすいです。
時代の流れとともに生命保険の商品数は増え、それとともに商品自体の保障内容も少しずつ変化してきています。
加入から数年が経ち、「見直しをして新しい保険に切り替えたい」ということもあるでしょう。
そんな時に解約返戻金のある貯蓄型保険の場合、途中解約をすると、支払った保険料よりも解約返戻金が少なくなる可能性があるため、見直しをするタイミングを逃してしまうことがあります。
その点、掛け捨て保険は、医療の進化などに応じて新しい商品に自分のタイミングで乗り換えることができます。
掛け捨て保険のデメリット
中途解約した際に解約返戻金がない可能性がある
掛け捨て保険のデメリットは、中途解約した際には解約返戻金がないか、あってもごくわずかというところです。
前述の通り、貯蓄型保険と比較して保障部分の保険料しかないため、支払金額は安く抑えられますが、保障の範囲に該当するようなリスクが起こらなければ、支払ってきた保険料は戻ってくることはありません。
そのため、あくまでも将来のリスクのために保障を買っているという理解が必要です。
保障の期間が決まっている
もう一つは、一定期間の保障であることが多いという点です。
中には一生涯保障が続くような医療保険などの商品もありますが、基本的には10年で更新を迎えるような商品が多く、更新の度に年齢、性別に合わせて保険料が上がります。
生涯にわたって保障を確保し、老後の保険料負担を抑えたいという方などには向いているでしょう。
目的から考える掛け捨て保険と貯蓄型保険の特徴
掛け捨て保険の目的
掛け捨て保険の一番の目的は、将来起こり得るリスクに対して貯蓄では賄えない経済的な負担をカバーすることにあります。
少ない保険料に対して大きな保障を持つことができるので、結婚後や出産後など大きな保障が必要な時期に保険料を抑えながらリスクに備えることができます。
住宅ローンの返済完了までの間やお子様が独立されるまでの間など、保障を手厚く準備しておきたい期間は掛け捨て保険がおすすめです。
貯蓄型保険の目的
貯蓄型保険の目的は、将来のライフイベントに合わせて計画的な資金準備を行うことにあります。
例えば、「教育資金」や「老後の生活費」などいつか必要になるお金をリスクに備えながら確実かつ計画的に準備することができます。
また、保険期間中に就労できないような状態になった場合でも、それ以降の保険料を支払うことなく保障を持ち続けることができ、解約時に受け取れるお金も増え続けるといった商品もあります。
そのため保障を持ちながらも、将来のライフイベントに備えて計画的な資金準備を行いたい方におすすめです。
掛け捨て保険が向いている人
20代や独身
20代や独身の方には掛け捨て保険がおすすめです。
若い時期は十分に貯蓄ができていないことも多く、ケガや病気、就業不能といった万が一をカバーすることが難しいです。
だからこそ、20代や独身の方は、掛け捨て保険で保険料の負担を抑えつつ、しっかりとした保障を持ちながら余ったお金で貯蓄や資産形成をしていくと良いでしょう。
ライフイベントで出費が多い
結婚式や出産、自宅の購入など出費が増え、極力支出を抑えたいというタイミングにおいては掛け捨て保険が有効です。
支出は抑えたいがこれから起こり得る万が一に備え、しっかりと保障を準備したいということもあると思います。
そのような時には、割安な保険料で高い保険金額を確保し、将来のリスクに備えることのできる掛け捨ての定期保険や就業不能保障保険などがおすすめです。
掛け捨て保険と貯蓄型保険の選び方
掛け捨て保険と貯蓄型保険の選び方は目的や条件によって異なります。
例えば、20代や独身の方、結婚や出産を控えている方は支出を抑え、流動性のある資金準備が必要になるため掛け捨て保険が適しています。
リタイア後の保障を準備したいという方や貯蓄が苦手で保険で保障を持ちながら計画的な資金準備を行いたいという方は、貯蓄型の保険が適しています。
どちらのタイプが適しているのかは人によって異なるので、現在の状況や将来のライフプランを考えたうえで自分の目的に合っているものを選びましょう。
まとめ
実際に保険を選ぶうえで、どういう保障でどれくらい備えるべきなのかということや何を重視するのかなど様々なことをあらゆる側面から考える必要があります。
ただこういったことを一人で考えることは非常に難しく、かなり時間もかかります。
保険を選ぶ際には、保険だけでなく多くの金融知識を持った信頼できるプロのファイナンシャルアドバイザーへ相談することをお勧めします。
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