【FP監修】ファイナンシャルプランナー(FP)への相談が意味がないと言われる3つの理由
本記事ではファイナンシャルプランナーへの相談が意味がないといわれる3つの理由について解説していきます。
老後資金、住宅ローン、教育費など、生きる上でお金に関する悩みはつきないものです。
お金に関する悩みはお金の専門家と言われているファイナンシャルプランナーへの相談をおすすめします。
記事監修者
WEBEAT
片山勇大
ファイナンシャルプランナー(FP)への相談が意味がないと言われる3つの理由
ファイナンシャルプランナーに相談すると、お金に関する不安や悩みを軽減できます。
ファイナンシャルプランナーへ相談したいけれどよくわからない、なんとなく不安という方はこの記事を参考にしてみてください。
1.知識がないファイナンシャルプランナー(FP)が存在するため
ファイナンシャルプランナー(以下、FP)とは職業の名称です。そのため資格をもっていなくてもFPと名乗れます。
FPといっても経験や知識などには個人差があります。
FPには1級、2級、3級、AFP、CFPなどの資格があります。この中で特にFP2級と3級は毎年多くの資格取得者がいます。
2023年度のFP2級合格者はおよそ3万5千人、3級の合格者はおよそ8万人となっています。
日本FP協会 FP技能士の取得者数
2.売り込みに遭うケースも少なからずあるため
FPには独立系FPと企業系FPがいます。違いは以下のとおりです。
独立系FP | 企業系FP |
---|---|
特定企業に属さず開業している
営業目標やノルマはない 複数企業の金融商品について説明ができる 異動や転勤がないので長いお付き合いができる |
企業系 金融機関(銀行、証券会社、保険会社など)に在籍している
営業目標やノルマを課せられていることが多い 企業の売りたい金融商品の説明が中心 転勤などにより担当がかわる可能性がある |
企業系FPは特定商品の専門性は高いですが中立性に欠ける場合があります。これは企業系FPが所属する企業の営業職員に近い存在といえるためです。
企業や銀行と提携して活動しているFPの場合は紹介料や販売手数料で収入を得ています。
よって、個人個人の利益のために特定の商品を強引に勧めてくる可能性があります。
すすめられた商品が自分のニーズに合っていれば問題はありません。
しかし、自分に適した商品であるか判断できるようであれば、はじめからFPに相談する必要はないでしょう。
特定の商品を売り込んでくるFPに出会った場合は、すぐに別のFPへ変更するようにしましょう。
3.ぼったくり価格のファイナンシャルプランナー(FP)が存在するため
FPへの相談には無料相談と有料相談があります。
日本FP協会によると相談料の目安は次の通りです。
- 5000円未満 14,2%
- 5000円~10000円 47,3%
- 10000円~20000円 33,5%
- 20000円以上 5%
日本FP協会が認定しているCFP、AFPが設定している1時間あたりの相談料
引用:相談料の目安(有料相談) | 日本FP協会 (jafp.or.jp)
FPの有料相談の場合の1時間あたりの相場は5,000円〜10,000円ほどであることがわかります。
相談料が高ければ熱心に相談にのってくれる、専門性が高いようにも感じますが、決してそうとは限りません。
また、異常に高い料金設定の場合は注意が必要です。
相談者から高額な相談料をとることを目的としているFPは良いFPと言えないからです。
相談料はFPを選ぶ際のひとつの目安になりますが、それ以上にFPの経験・知識、相談者との相性が大切です。
ファイナンシャルプランナー(FP)への相談をおすすめできる方
次の2つにあてはまる方はFPへの相談をおすすめできます。
- 相談したいことが具体的に固まっている方
- お金の悩みを解決したい方
詳しくみていきます。
1.相談したいことが具体的に固まっている方
お金に関する相談といってもジャンルはさまざまです。
FPに相談できるジャンルは次の通りです。
貯蓄
資産運用 |
貯蓄のコツを知りたい
資産運用してみたい |
---|---|
保険 | 自分に合った保険を知りたい、現在の保障内容が合っているか知りたい |
税金・相続 | なるべく税金をかけずに相続したい |
住宅ローン | 住宅ローン控除についての相談がしたい
住宅ローンの借り換えをした方が良いかアドバイスがほしい |
家計管理 | 毎月の収支がギリギリで困っている 家計管理の方法を知りたい |
老後資金 | 老後の不安がある、現在の貯蓄で足りるか不安 |
不動産 | 不動産投資をしたい |
FPに相談する際はどの分野についての相談をしたいのか、明確にしておくことが大切です。
「お金のことが不安」といっても、老後のお金のことなのか、教育資金のことなのか、現在の家計のことなのかわからないと、何が心配なのかを確認するだけで相談がおわってしまう可能性があります。
より適切なアドバイスをもらうためには、現在の家計の状況やライフプランなどの情報提供も大切です。
また、FPにも得意分野があります。家計管理が得意なFPに不動産のことを相談しても一般的な回答しかもらえない可能性があります。その場合、FPに相談してもあまり意味がなかったと感じてしまうでしょう。
相談したい分野を得意とするFPに相談することで満足のいく相談ができるのです。
2.お金の悩みを解決したい方
FPに相談できる内容をみると、思った以上に幅広い分野の相談ができることがわかります。
保険に入りすぎていないか
正しく資産運用ができているか
など、今ある不安をお金の専門家に相談してみたいと思いませんか。
現在はネットで調べるとさまざまな情報が出てきますが、自分なりの対策を見いだしたとしても、他にいい案があるかもしれないと不安になるかもしれません。
信頼できるFPに相談すると、お金に関する不安や悩みに対する手段を考えてくれます。
家計や住宅ローンの見直しなど具体的に対処していくことで無駄がなくなり、安心して過ごせるようになるでしょう。
お金と税金は切っても切り離せない関係です。税金についてはわかりづらいことが多いため、お金の専門家であるFPに相談したくなるかもしれません。
しかし、FPはあくまで道しるべを示してくれるだけになります。
税金関係の具体的な相談をするためには税理士資格が必要です。
税金の申告や税務署への提出書類をお願いしたい場合は税理士に相談しましょう。
また、法律に関しても同様です。弁護士資格を持っていない人が法律の相談にのったり法律事務を行ったりすることは基本的に禁止されています。
一般的なアドバイスについては問題ありませんが、法律に関する相談をしっかりとしたい方はFPへの相談は向いていません。
ファイナンシャルプランナー(FP)を選ぶときの注意点
FPを選ぶときの注意点は次の3つです。
- 中立性があるか
- 金融リテラシーが高いか
- 保有資格や実績、経歴の確認
中立性があるか
FPは中立の立場で相談を行う必要があります。
企業と提携している、企業に所属しているなどの場合はどうしても自社の商品をすすめる傾向にあります。
FPは個人の利益のみを求めるのではなく、相談者にとって最善な提案をすることが求められます。
年齢・性別はもちろん、家庭環境や職業などさまざまな相談者へ、冷静で客観的な判断ができるFPが良いFPといえます。
このようなFPと出会えれば、様々なライフステージの変化に適したアドバイスをもらうことが可能です。
金融リテラシーが高いか
金融リテラシーとはお金と賢く付き合うために必要な知識と判断力のことをいいます。
現代社会では金融との関わりをもつことを避けられません。また、時代の変化に伴いお金に対する考え方も変わっていくものです。
2014年金融庁が定めた金融リテラシー・マップでは小学生から高齢者までが身に着けたい具体的方針を定めています。
2022年度から高等学校で金融教育がはじまったことからもわかるように、現在では「生活スキル」として金融リテラシーを身に着けることが求められています。
一般の人でも求められる金融リテラシーですから、お金の専門家であるFPにはより高度な金融リテラシーが求められます。
金融リテラシーのあるFPかを見極めるためには以下の項目が目安になります。
- 企業の財務諸表を知っており、基本的な内容を理解している(P/L,B/S,CF)
- 節約前提の提案をしない
- 投資経験がある、現在も投資をしている
- 株式の年率平均リターンがわかる
どれだけ経験豊富なFPでも上記の項目を知らない場合は別のFPに相談した方がよいといえます。
保有資格や実績、経歴の確認
FPを選ぶ時は事前に保有資格や実績、経歴を確認するとよいでしょう。
FPには次の3つの資格と、関連資格でMDRTというものがあります。
資格 | 種類 | 特徴 | 有効期限 |
---|---|---|---|
FP技能士(3~1級) | 国家資格 | ファイナンシャルプランナーの基本的な資格です。2級以上に合格しており、日本FP協会のAFP認定研修修了者は「AFP資格」の登録権利が得られます。 | なし |
AFP | 民間資格 | 2年ごとの資格更新で常に知識とスキル向上が必要です。 | あり(2年) |
CFP | 民間資格 | 世界25の国と地域で認められている、世界が認めるプロフェッショナルなFPの証である上級資格です。AFP資格同様、2年ごとに資格を更新する必要があり、所定の継続教育が義務付けられています。 | あり(2年) |
MDRT | 国際資格 | 1927年に発足したMillion Dollar Round Table(MDRT)は、卓越した生命保険・金融プロフェッショナルの組織です。世界中の生命保険および金融サービスの専門家が所属するグローバルな独立した組織として、500社、70カ国で会員が活躍しています。 | 1年 |
FP技能士の場合、2級・1級を持っているFPがおすすめです。
「AFP」「CFP」は2年ごとに資格の更新があるため、常に知識やスキルを更新しているといえます。
FPを選ぶときには、1回の受験でとれるFP技能士よりも、AFPまたはCFPを持っているFPを選ぶことをおすすめします。
AFP・CFPの資格を持っていることは名刺で確認できます。
資格がすべてではありませんが、AFPやCFPなどのより高い資格を持っている方が、知識や経験が豊富なFPと出会える可能性が高くなります。
また、MDRTとは卓越した金融専門知識を持つものに与えらえる世界共通の資格です。
日本国内における成績資格保有者はごくわずかですが、もしMDRT資格を持つFPと出会うことが出来たらぜひ相談してみてください。
参照:MDRTとは
ファイナンシャルプランナー(FP)への無料相談から始めるのがおすすめ
FP相談には無料相談と有料相談がありますが、どちらも相談できる内容は同じです。
有料だとそれだけで相談に行くハードルが上がりますが、無料であれば小さなことでも気軽に相談してみようと思えますよね。
無料なので、FP選びに失敗してもリスクがない
無料だと親身に相談にのってもらえないと感じる方もいるかもしれませんが、そうではありません。
多くのFPは無料で相談者の話を聞くことで相談者と信頼関係を築きたいと考えているものです。
信頼関係を築くことができれば、適切な時期に相談にきてもらうことで保険の見直しなどをしてくれる可能性も高くなります。
また、もし自分に合わないFPであっても無料なら他のFPに乗り換えしやすいでしょう。
有料相談の場合はFPを変えるたびにお金がかかってしまうのがデメリットです。
FPによって金融に対する考え方は異なりますし、お金の話は互いの信頼関係がないと良い相談はできません。
相性の良い担当者を見つけるためにも複数のファイナンシャルプランナーを比較するとよいです。
そのためにも、初回は無料のFPに相談するのがおすすめです。
まとめ マネーペディアならWEBでファイナンシャルプランナーに直接質問できる
無料で相談したい
信頼できるFPを探したい
忙しいのでオンラインで相談したい
お金のことをトータルで相談したい
など、どれかひとつでも当てはまる方はマネーペディアを活用しましょう。