【FP監修】大学の学費は4年間でいくらかかる?私立・国公立ごとに紹介

リアル家計簿をのぞく2023.02.28 公開 | 2023/02/25 更新

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この記事では、私立大学と国公立大学の4年間の学費や、学費を用意する方法を紹介します。
「高いって聞いたけど、実際にどれくらいか知りたい」
「在学中に学費を払えなかったらどうしよう…」
という方は、ぜひ参考にしてください。

国公立大学の4年間の学費はいくら?

国立大学と公立大学の4年間でかかる学費は、以下の通りです。

国立大学 公立大学
入学料 282,000円 391,305円
授業料 535,800円 536,363円
4年間でかかる学費 2,425,200円 2,536,757円

国公立大学は文系と理系の学費に、ほとんど差がありません。

なぜなら国公立大学は国や自治体の資金で運営されているため、大学の施設設備費が学生から徴収されないからです。

また公立大学の場合、大学と同じ地域の出身であれば入学費が減額される大学もあります。

例えば長野県立大学は、県外出身者の入学料は423,000円ですが、県内出身者は141,000円です。

このように国公立大学は学費をかなり抑えられるため、

「良い大学に行かせてあげたいけど、教育費はそんなに出せない…」

という家庭は、国公立大学を検討すると良いでしょう。

参考:文部科学省|国公私立大学の授業料等の推移

私立大学の4年間の学費はいくら?学部別で紹介

私立大学の4年間でかかる学費は、以下の通りです。

文系学部 理系学部 医歯系学部
入学料 225,651円 251,029円 1,076,278円
授業料 815,069円 1,136,074円 2,882,894円
施設設備費 148,272円 179,159円 931,367円
4年間でかかる学費

(医歯系は6年間)

4,079,015円 5,511,961円 23,961,844円

私立大学の学費は国公立大学と比べて100万円以上高く、医歯系学部に関しては2000万円以上も高くなっています。

なぜなら、私立大学は国の資金ではなく自己資金で運営されているため、入学者から施設設備費も徴収されるからです。

実際に文系学部や理系学部では、4年間の施設設備費だけで約60万円、医歯系学部では約550万円が徴収されています。

ただし上記の金額はあくまでも平均値であり、私立大学は大学や学部によって授業料が異なります。

そのためここからは、学部ごとの4年間の学費を紹介します。

参考:文部科学省|令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について

文系学部

私立大学文系学部の4年間でかかる学費は、以下の通りです。

文・教育 神・仏教 社会福祉 法・商・経済
入学料 225,770円 221,067円 216,339円 226,215円
授業料 821,813円 770,742円 782,154円 812,758円
施設設備費 155,794円 154,743円 170,198円 141,447円
4年間でかかる学費 4,136,198円 3,923,007円 4,025,747円 4,043,035円

このように文系の各学部では、学費にほとんど差がありません。

ただし文系では海外留学に行く人も多く、その場合は1年間で別途200万〜400万円ほどかかると言われています。

そのため4年間でかかる学費以外にも、余裕を持って教育資金を用意しておくと良いでしょう。

理系学部

私立大学理系学部でかかる学費は、以下の通りです。

理・工 農・獣医
入学料 238,432円 334,717円 251,393円
授業料 1,111,240円 1,427,708円 1,008,511円
施設設備費 156,324円 311,790円 209,886円
4年間でかかる学費

(薬学部は6年間)

5,308,688円 10,771,705円 5,124,981円

上記の表から分かるように、薬学部は他の理系学部よりも500万円ほど学費が高いです

なぜなら、在学期間が6年間と長いだけでなく、医学部と同等の特殊な設備や教育、教科書などが必要になるからです。

また国公立大学は、6年間の学費でも約350万円と半額以下のため、私立大学薬学部の学費がいかに高額かが分かるでしょう。

医歯系学部

私立大学医歯系学部の6年間でかかる学費は、以下の通りです。

医学部 歯学部
入学料 1,340,379円 599,454円
授業料 2,670,071円 3,267,136円
施設設備費 1,097,202円 631,960円
6年間でかかる学費 23,944,017円 23,994,030円

このように私立大学医歯系学部は、6年間で約2400万円の学費がかかり、非常に高額です。

なぜなら医歯系学部は命を扱う学部で、特殊な設備や教育、教科書などが必要になるため、学生が負担する金額も大きくなるからです。

それに対して国公立大学は、6年間でも約350万円しかかかりません。

そのため子供が医歯系学部に興味がある場合、国公立大学と私立大学のどちらに進むかを家族でよく話し合いましょう。

大学で発生する学費以外の費用を3つ紹介

大学で発生する学費以外の費用は、以下の3つです。

  1. 大学受験料
  2. 生活費
  3. 留学費用

それぞれ解説します。

大学受験料

日本政策金融公庫によると、進路別の大学受験料は以下の通りです。

国公立大学 27.7万円
私立大学文系 31.3万円
私立大学理系 32.2万円

国公立大学に進学する人も、大学入学共通テストを受けたり、滑り止めとして私立大学を受けたりするため、約30万円でほとんど変わりません。

具体的には、大学入学共通テストは12,000円〜18,000円、国公立大学の二次試験は17,000円程度、私立大学の一般試験は1校あたり3,5000円程度と言われています。

また大学受験料は受験校の数によって変わるため、何校受験するかを家族で相談すると良いでしょう。

参考:日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」

生活費

全国大学生活協同組合連合会によると、大学生の生活費は以下の通りです。

⾃宅⽣ 下宿⽣ 寮生
1ヶ月間 62,970円 125,040円 103,140円
1年間 755,640円 1,500,480円 1,237,680円

このように大学生の生活費は、自宅から通うのか自宅外から通うのかによって大きく異なります。

また大学生はアルバイトでお金を稼ぐ人も多いため、下宿⽣や寮生にいくら仕送りするかを家族で話し合いましょう。

参考:全国大学生活協同組合連合会|第57回学生生活実態調査

留学費用

在学中に語学留学や短期留学に行く場合、1年間で200万〜400万円ほどかかると言われています。

ただし大学によっては交換留学制度を利用すると、留学費用を安くすることが可能です。

例えば慶應義塾大学の交換留学では、本来は学費が高い海外の大学に慶應義塾大学と同じ金額で通えます。

このように交換留学制度を利用したり、現地での生活費を節約したりすることで、留学費用を抑えることができます。

留学前にしっかりと計画を立て、必要な費用を事前に把握するようにしましょう。

大学の学費を用意する3つの方法

大学の学費を用意する方法は、以下の3つです。

  1. コツコツと貯蓄する
  2. 奨学金制度を利用する
  3. 大学無償化制度を利用する

それぞれ解説します。

コツコツと貯蓄する

大学の学費を用意するには、子どもが産まれたときからコツコツと貯蓄しておくのがもっとも確実です。

なぜなら、子供が生まれてから大学入学までは18年間あるため、定期的に積み立てれば、学費の負担が大きくなりにくいからです。

例えば、毎月1万円を18年間積み立てた場合、216万円貯蓄できます。

さらにつみたてNISAを活用して利率3%で運用できた場合、約286万円も貯蓄できます。

また、教育資金の準備には学資保険も有効です。

このように計画的に準備すれば、学費の負担が大きくなりにくいためコツコツと貯蓄するようにしましょう。

教育資金の準備方法については下記の記事も参考にしてみてください。

奨学金制度を利用する

奨学金制度とは、大学の学費や生活費を支援するための制度で、国が運営する奨学金や、地方自治体が運営する奨学金があります。

なぜ奨学金制度を利用するべきかというと、奨学金は基本的に卒業後に返済するからです。

多くの場合、返済期間は卒業後6〜20年程度で、学生が返済に負担を感じないように工夫がされています。

実際に日本学生支援機構によると、何らかの奨学金を受給している大学生の割合は約49.6%で、約2人に1人が奨学金を利用しています。

このように奨学金制度を利用することで、大学に進学しやすくなるため、ぜひ活用してください。

参考:日本学生支援機構|令和2年度学生生活調査

大学無償化制度を利用する

大学無償化制度(高等教育の修学支援新制度)とは、経済的な理由で大学進学が難しい家庭を支援する制度です。

対象となる大学に進学する場合、授業料・入学金の免除または減額に加えて、返還不要の給付型奨学金が支給されます。

例えば、私立大学に自宅以外から通う場合、授業料・入学金が年間約96万円支援され、年間約91万円の給付型奨学金が支給されます。

ただし、大学無償化制度を利用するには、所得や資産、学力の基準をクリアする必要があるため、全員が利用できるわけではありません。

自分が対象になるかを知るためには、世帯収入を入力する必要があるため、家族と相談しながら「進学資金シミュレーター」で計算してみましょう。

参考:文部科学省|高等教育の修学支援新制度

在学中に学費を払えなくなった場合はどうする?

準備した教育費では足りなかったり、病気で収入がなくなったりした場合、まずは大学に相談しましょう。

なぜならほとんどの大学では、経済的な理由で通学が難しい学生のために、学費の延納や減額の制度が用意されているからです。

例えば慶應義塾大学では、学費を期日までに納入できない場合、その理由が適当と認められた学生は学費の延納が認められています。

また大学で延納や減額が認められなかった場合でも、日本学生支援機構では在学中に奨学金を申請することも可能です。

このように学費を払えなくても、すぐに退学する必要はないため、まずは大学の支援制度を確認してみることをおすすめします。

まとめ 大学の学費について

国公立大学の学費は4年間で約250万円、私立大学は約400万〜2300万円です。

さらに学費以外にも、大学受験料や生活費、留学費用などがかかります。

そのため、子どもが産まれたときからコツコツ貯蓄したり、奨学金制度や大学無償化制度などを活用したりして、教育資金を用意すると良いでしょう。

しかし、中には在学中に学費を払えなくなる方もいるかもしれません。

その場合は、大学に学費の延納や減額を相談したり、日本学生支援機構では在学中に奨学金を申請したりすれば、退学しなくて済むでしょう。

ただし奨学金の利用は、家族のライフプランに合わせて行うことが大切なため、プロのアドバイザーに相談することをおすすめします。

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