【FP監修】外貨建て保険って必要なの?メリット・デメリットを含めて専門家が解説!

外貨建て保険2022.12.06 公開 | 2024/08/05 更新

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「保険に入るなら円建て保険より外貨建て保険のほうが良い」とことは聞いたことはありませんか?
外貨建て保険は、リスクを理解すれば人生の資産形成にとって大きな武器となります。
しかし、円建て保険にはないデメリットやリスクが存在することも事実です。
本記事では、外貨建保険のメリットとデメリットを中心に、本当に必要かを解説していきます。

外貨建て保険のメリットってなに?

外貨建て保険の必要性を考えるに当たって、メリットとデメリットを把握しておくことが最優先です。

まずはメリットから確認していきましょう。

 

メリット①利回りが高く、運用効率が良い

保険会社は契約者に対し、契約時に約束した保険金などを支払うために、保険料の一部を積み立てて運用しています。

その中でも外貨建て保険は、契約時に指定した通貨(米ドル・豪ドル・ユーロ等)の国の長期国債などで運用されています。

2024年、現在の日本の10年国債の利回り0.2%程に対しアメリカの10年国債の利回りは3%台です。

つまり、高い金利の米国債で運用している外貨建て保険はその分利回りが高い、ということです。

参考:国債金利 Bloomberg

 

メリット②保険料が割安

保険会社はあらかじめ運用による一定の運用収益を見込み、その分の保険料を割り引いて保険料を設定します。(=予定利率と言います)

運用収益が高ければ高い程、予定利率を高くする事ができるので、その分保険料は安くなります。

反対に、運用収益が低い程予定利率は低く、保険料は高くなります。

 

外貨建て保険は、米国債などで運用されますが、日本国債よりも利回り高い為、円建て保険よりも運用収益を見込めます。

また、その分予定利率が高く設定されているので、仮に保険金額が同じであれば、外貨建て保険は円建て保険よりも保険料が安くなります。

つまり、現状アメリカ国債の方が日本国債よりも高金利である為少ない資産の運用で目標とする金額に到達する可能性があります。

 

メリット③資産形成しながら保障をもつことができる

外貨建て保険は貯蓄性のある保険と言えます。

外貨建て保険に似た投資商品としては外貨預金がありますが、外貨預金には保障の機能はありません。

外貨建て保険では、保険期間中に被保険者が亡くなったりした場合には保険金が、解約した場合には解約返戻金を受け取ることが出来ます。

保険として貯蓄や保障を得ながら、資産を外貨に分散し運用している事になります。

外貨建て終身保険は、生命保険料控除が受けられますし、外貨建て個人年金であれば、条件を満たせば個人年金保険料控除が受けられます。

外貨預金と異なり控除を受けながら運用もできる点は非常に魅力的です。

外貨建て保険のデメリット

上記のように多くのメリットがある外貨建て保険ですが、デメリットを理解したうえで加入が必要です。

 

デメリット①為替リスクがある(円高になると受取額が減る)

外貨建て保険に為替リスクはつきものです。

例えば

  • 保険料:1万米ドル
  • 保険料の払込方法:一時払い
  • 加入時の為替レート:1ドル=100円
  • 解約時の為替レート:1ドル=80円

という条件で米ドル建て終身保険に加入し、解約をしたとします。

日本円に換算すると、払い込んだ保険料は100万円で、解約返戻金は80万円です。

このように、米ドルに対する日本円の価値が、保険料の払い込み時点よりも受け取り時点に上がる事を「円高」と言います。

為替レートの変動により、保険料を払い込んだ時点よりも受け取る時点の方が円高になっていると、受取額は払い込んだ保険料を割り込んでしまうのです。

とはいえ、途中で解約したり、保険金などを受け取る時に円高になっていたとしても

  • 外貨のまま受け取って円安になるまで待つ
  • 外貨のまま使ってしまう

などすれば、円高の影響を避ける事ができます。

 

一転してメリットになることも!

先程と同じ商品に

  • 保険料:1万米ドル
  • 保険料の払込方法:一時払い
  • 加入時の為替レート:1ドル=100円
  • 解約時の為替レート:1ドル=120円

という条件で米ドル建て終身保険に加入し、解約をしたとします。

日本円に換算すると、払い込んだ保険料は100万円で、解約返戻金は120万円です。

このように、米ドルに対する日本円の価値が、保険料の払い込み時点よりも受け取り時点に下がる事を「円安」と言います。

為替レートの変動により、保険料を払い込んだ時点よりも受け取る時点の方が円安になっていると、受取額は増加します。

 

デメリット②保険料支払い時や保険金受け取り時に為替手数料が掛かる

保険料を払い込む際や、保険金等を受け取る際には保険会社所定の為替手数料がかかります。

これは円→外貨、外貨→円へと為替交換する必要があるためです。

為替手数料は1銭~50銭まで会社によって異なるので、しっかりと確認することが重要です。

また、外貨をすでに保有している方は外貨のまま払ったり、受け取ることも可能です

この場合は為替手数料を気にする必要はありません。

※提案時に設計書があるのでそちらでご確認ください。

まとめ:外貨建て保険って必要なの?

外貨建て保険が必要か否かを一概に判断することは難しいでしょう。

外貨建て保険は利回りが高く、その他の保険とは違った魅力が多くありますが、リスクがあることも事実です。

自分自身のライフプランを設計していくうえで、外貨建て保険が適切かどうかを判断することは容易ではありません。

 

一方で資産運用において、ご自身の資産をリスクヘッジの為に分散させる事は大切です。

その分散投資の手法の1つとして外貨建て保険を利用する事もできます。

経済のグローバル化、インフレ、増税などが進んだ現在では、「円」という単一の通貨、銀行預金だけで資産を保有している事は、将来的に日本経済がどうなっていくのかがわからない中では「リスク」として考えられるのです。

そういった意味で、円建て資産しか持っていないというリスクを勘案して通貨分散ができる運用先を探している人は、外貨建て保険は一考の価値がある商品かもしれません。

 

外貨建て保険は運用が上手くいけば大きく資産を増やす事ができますが、反対に運用が想定通りにいかずに損失が発生してしまう事もあります。

ただ、年金や退職金がどうなるかわからない中で多少のリスクを取らず資産運用をしない事が一番のリスクです。

特に若い方には時間があるので目の前の事だけにフォーカスせずこの機会に将来の事についても考えてみてはいかがでしょうか?

 

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