【FP監修】外貨建て保険とは?特徴からメリット・デメリット、代表的な商品までわかりやすく解説!

外貨建て保険とは、その高い利回りを活用して、ご自身の資産形成や万が一の保障に備えられる保険です。
本記事では、外貨建て保険とは何か?をテーマに、外貨建て保険の特徴やメリット・デメリット、代表的な外貨建て保険を紹介します。
また、外貨建て保険が必要な理由や、外貨建て保険を使うときの注意点についても解説します。

外貨建て保険ってそもそもなに?

外貨建て保険とは、払い込んだ保険料が米国ドルを始めとする外貨で運用される保険です。

日本国内の金利低下が続く中、外貨建てならではの高い利回りを期待することが可能であり、昨今注目を集めています。

外貨建て、と言いますが、米国ドルを始めとする外貨を保有していなければ加入できないということはありません。

実際は日常で使用している銀行口座やクレジットカードから、自動で外貨へ振り替えてもらえるため、日本円のみ保有している方でも加入することが可能です。

昨今では生命保険各社から、外貨建て保険が販売されていますが、中には払い込んだ保険料が2倍以上に増えて貯まっていき、ご自身の資産形成に役立てていくことが可能な商品もあります。(年齢や期間など、各種条件によります。)

そのような背景から、大きな注目を集めている外貨建て保険について、わかりやすく解説していきます。

 

特徴①外貨で保険料の支払いと受け取りを行う

外貨建て保険の保険料は、外貨建てで支払います。

事前に自分自身で円から外貨へ両替し、外貨で支払う場合と、保険会社が提示する円建ての金額で支払う場合があります。

そして、支払った保険料は、外貨建てで、通貨国の債券で運用されます。

また、解約返戻金や死亡保険金を受取る際の通貨も外貨です。

保険会社の為替レートで円換算し、円で受け取ることができる場合もありますが、外貨のまま受け取るには、受け皿として、銀行の外貨預金口座を保有している必要があります。

外貨建て保険は、為替レートによって金額の増減があり、また円換算する時の為替レートはどのタイミングで円に換えるかによって、適用されるレートが異なる点に注意しましょう。

 

特徴②円建てとの違い

円建ての保険も外貨建ての保険も、基本的な仕組みは変わりません。

しかし、外貨建ての場合、支払いも受け取りも外貨であるため、為替による損益が発生する点が一番の違いと言えます。

そのため、為替リスクや利回りについて、しっかり理解した上で契約する必要があります。

 

外貨建て保険の払込方法

外貨建て保険の払込方法は、2つあります。

それぞれを解説します。

 

払込方法①一時払い

一時払いとは、保険期間全ての保険料を一括で支払う方法です。

円換算するレートは、支払いをする際の為替レートによって計算されます。

例えば、銀行のように受付窓口で外貨の取り扱いがある場合、保険料の支払いの手続きと同時に、円から外貨へ両替をします。

その場合の為替レートは、手続きをする銀行のレートでの両替となり、外貨建てで保険会社に保険料を送金します。

 

払込方法②平準払い

平準払いとは、保険料の払い込み期間中、一定の金額の保険料を支払う方法です。

支払いの頻度や支払い方法は、各商品や契約時の選択内容によって変わります。

また、払い込む保険料が

  1. 外貨建てで固定
  2. 円建てで固定

の2種類があります。

つまり、為替レートの変動の影響を受けるため、外貨建てで固定の金額の場合、支払う保険料は、都度為替レートによって変動します。

また、円建てで固定の金額の場合、円で支払った時の外貨額が変動します。

 

外貨建て保険の主な通貨

外貨建て保険で取り扱われる主な通貨は、以下の4つです。

  • アメリカドル
  • オーストラリアドル
  • ニュージーランドドル
  • ユーロ

テレビでよく耳にするドルは、一般的にアメリカドルが多いため、アメリカドル相場をご存じの方も多くいらっしゃると思います。

また、オーストラリアドルやニュージーランドドルは馴染みが無い方もいらっしゃるかもしれませんが、金利が高かったことから、2009年~2015年頃まで、非常に多く販売されました。

しかし、現在はアメリカドルの金利の方が高いため、この2つの人気は落ちてきています。

 

外貨建て保険の代表的な種類3つ

外貨建て保険の種類は大きく分けて3つあります。

それぞれの違いをしっかり把握しましょう。

 

種類①外貨建て終身保険

外貨建て終身保険とは、契約者からの円建て、外貨建ての保険料を外貨で運用します。

万が一の時は、死亡保険金を受取人が受け取ることができ、保障期間が終身で続きます。

また、死亡保険金、満期金等は、受け取る際の為替レートによって受け取り金額が変動します。

 

種類②外貨建て個人年金保険

外貨建て個人年金保険とは、積立を外貨で行う個人年金保険です。

原則、保険料の支払いや年金の受け取りを外貨で行う点が特徴です。

通貨は、一般的に、アメリカドル、ユーロ、オーストラリアドルなどです。

また、基本的に60歳以降から年金を受け取ることができ、受け取る際の年金額は、受け取るタイミングの為替レートによって変動します。

 

種類③外貨建て養老保険

養老保険とは、万が一のときに支払われる死亡保険金と、満期保険金が同じ金額の保険です。

つまり、一定期間、万が一に備えつつ、将来のための積立も同時にできる保険と言えます。

また、外貨建て養老保険の場合、外貨で運用するため、受け取る保険金の金額は受け取るタイミングの為替レートの変動の影響を受けます。

外貨建て保険のメリット

メリット①高い利回り

外貨建て保険の大きなメリットの一つとして、日本円建ての保険と比較して高い利回りが挙げられます。

現在の日本はマイナス金利政策の影響を受けて、歴史上で最も低い水準で金利が推移しています。

例えばメガバンクの普通預金口座の金利は0.001%となっておりますが、100万円を預けて200万円になるまでにはどのくらいの年数がかかるでしょうか?

正解は7万2000年です。

その一方で、外貨建て保険の予定利率は、代表的な米ドル建ての終身保険を例に挙げると2.5%というものもあり、その高い金利の恩恵を受けながら皆さんの資産形成に役立てていくことが可能となります。

 

 

メリット②資産形成の第一歩に適している

皆さんは「将来のお金の準備」をしっかりと始められていますか?

現在の日本において「資産形成」の必要性は年々高まっています。

2019年には「老後2000万円問題」に代表されるように、少子高齢化による将来の年金に対する不安などから、国民ひとりひとりがしっかりと将来に向けた「お金の準備」をしていく必要が認知されてきました。

 

その一方で、欧米各国とは異なり、日本においては家庭や学校でお金について学ぶ機会が存在してこなかったこともあり

「何から始めればいいのかわからない!」

といった声があふれています。

このような状況の中で、外貨建て保険はその高い利回りと、一般的な株や投資信託とは異なって安定したリターンが期待出来ることから「資産形成の第一歩」として人気となり、日本国内において年々加入者が増えています。

 

メリット③割安な保険料

円建て保険と比較して高い金利の恩恵を受けることが出来るため、同じ保険金額で設計した場合、割安な保険料で加入することが可能です。

  • 例)
  • 被保険者:30歳男性
  • 払込期間:60歳まで30年間
  • 保険金額:5万米ドル(500万円)

 

という条件でシミュレーションをすると

月々の保険料は

  • 円建て:10,870円
  • 米ドル建て:58.75ドル(1ドル100円換算で5,875円)

というように、大幅に割安な保険料に抑えることが可能となります。

このように、外貨建て保険は高い利回りを活かして、ご自身の資産形成と万が一の保障に役立てていくことが可能となります。

 

メリット④相場次第で利益が増える

外貨建て保険は、為替レートによって、円換算時の受け取り金額が変動します。

保険料を支払った時よりも、受け取る時の方が円安だと、受け取り金額が大きくなる点は、メリットの一つです。

 

 

メリット⑤分散投資が出来る

外貨建て保険に加入することは、外貨を保有することで、分散投資へも繋がります。

例えば、天災など日本経済が大きく傾いた時、円の価値が下がります。

その時、資産を全て円で保有していると、資産全体の価値が下がると言えます。

しかし、外貨建て保険で資産を外貨へ分散すると、資産全体の価値を守ることへも繋がります。

分散投資は、安定的に利益を得られる可能性を高めます。

 

外貨建て保険のデメリット

デメリット①為替リスク

外貨建て保険のデメリットの一つに、為替リスクが挙げられます。

為替リスクとは、為替相場の変動により、月々の保険料や万が一の際に受け取る保険金、解約時に受け取れる解約返戻金などが、増減する可能性があるということです。

 

例えば、月額保険料が100米ドルの外貨建て保険に加入した場合、

  • 1ドル=90円のとき:毎月の保険料は9,000円
  • 1ドル=100円のとき:毎月の保険料は10,000円
  • 1ドル=110円のとき:毎月の保険料は11,000円

というように、為替相場の影響を受けて増減する可能性があります。

一方で、解約返戻金や死亡保険金の受取時にも為替相場の影響を受けて増減する可能性がありますが、この為替リスクを最小限に抑えるために年金受取などを活用する方法もあります。

リスクを最小限にして外貨建て保険を活用するためにも、外貨建て保険を検討される際にはプロのアドバイザーへ相談しながらプランニングしていくことが大事でしょう。

デメリット②流動性が低い

もう一つのデメリットとして、支払った保険料を自由に使うことが難しい、ということが挙げられます。

外貨建て保険に支払った保険料は、解約返戻金として高い利回りで積み立てられていきますが、銀行預金のように普段使うお金として自由に使うことは難しいです。

そのような場合には、契約者貸付という機能を活かし、解約返戻金の中から一定割合を借り入れて使うことも可能ではありますが、手続きの際には所定日数や利息がかかりますので、しっかりとプロと相談しながら活用していくことが重要となります。

 

デメリット③元本毀損リスク

最後のデメリットとして、契約後の一定期間は解約返戻金が支払った保険料より少なくなっている時期が続きます。

そのため、契約後にすぐ解約をしても、支払った保険料より少ない金額しか受け取れないことが大半です。

一方で、外貨建て保険は主に中長期の資産形成を目的とした商品なので、普段使う銀行預金とバランスを取りながら、月々の保険料を決めることが欠かせないでしょう。

お客様自身に最適な保険料を把握するためにも、契約時にはプロのアドバイザーへ相談することが重要となります。

 

外貨建て保険がおすすめな人

では、外貨建て保険が向いている人とはどんな人でしょうか?

一つずつ特徴を見ていきます。

 

投資目的の保険商品を契約したい人

外貨建て保険の大きな特徴の一つが、円に比べて金利水準が高い国の通貨建てで運用できる点です。

つまり、万が一の備えだけでなく、為替リスク等を理解した上で、将来、受け取り金額がより大きくなる可能性がある外貨を投資目的で保有したい方に向いていると言えるでしょう。

 

資産を円以外の通貨に分散したい人

上述しているように、将来のインフレリスクに備えて、資産を円だけでなく、外貨に分散することで、資産全体の価値を守りたい方に向いています。

資産を分配し、また万が一に備えつつ、投資目的の方に適しているでしょう。

 

外貨建て保険をおすすめできない人

一方で、外貨建て保険が向いていない人はどんな人か見ていきましょう。

 

元本割れリスクを避けたい人

外貨建て保険は、上述したように為替変動リスクが伴います。

そのため、受け取り時、支払った時よりも為替が円高だった場合、受け取る金額が支払った金額を下回る可能性もあります。

為替によって円換算した受け取り金額が増減するため、元本保証を希望される方は、外貨建て商品はおすすめできないでしょう。

 

保険料払込み期間途中で、解約をする可能性がある人

保険料の払込み期間は、商品の契約時に自分自身で選択します。

選択した払込み期間が終了する前に解約をすると、外貨額で見た時に、支払った外貨額よりも解約返戻金の外貨額が下回る可能性が高いです。

さらに、円転する場合は、そこから為替手数料がかかり、為替レート次第では、さらに円価が小さくなる可能性があります。

そのため、契約する際は、払込み期間と保険料を考慮して、続けていけるかをしっかり判断した上で、加入することが必要です。

 

まとめ

 

外貨建て保険についてもっと詳しく知りたい!と感じて頂けたら、まずは専門家に相談してみることがおすすめです。

ひとりひとりに最適な商品、設計を一緒に比較検討してもらえるでしょう。

以下で本記事の概要をまとめてあります。

スムーズな理解にお役立てください。

  • 外貨建て保険とは、円建てとは異なり、高い利回りが魅力的な保険
  • 割安な保険料が特徴
  • 支払った金額に対して150%以上に増えて返ってくることもあり、資産形成に有効な手段
  • 為替リスク・流動性リスク・元本毀損リスクがあるため、プロに相談することが重要
  • 代表的な商品はメットライフ生命「ドルスマートS」

 

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