【FP監修】今、外貨建て保険が危険?新型コロナウイルスが与える影響を専門家が徹底解説!!
本記事では、新型コロナウイルスが外貨建て保険契約に対して与える影響を解説します。
既に加入している方はもちろん、これから加入を検討する方へも参考となる記事となっています。
記事監修者
ファイナンシャルプランナー
前田 隆
外貨建て保険とは?
2022年6月現在、金融政策の方向性の違いにより円安が大きく進行しています。
そのような状況下において、既に外貨建て生命保険へご加入されていて不安を抱かれている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、外貨建て保険の仕組みや新型コロナウイルスの及ぼす影響について解説していきます。
また、トラブルや危険性もお伝えしますので、既に外貨建て生命保険へ加入されている人だけでなく、今後加入することを検討している人にとっても参考になる内容となっていますので、是非お役立てください。
外貨建て保険の特徴
外貨建て生命保険は、一言でいうと『外貨で運用している生命保険』です。
日本国内で取り扱われている外貨建て生命保険は、米ドル建てか豪ドル建てが多いです。
保険料の支払いや保険金、年金、解約返戻金の受取りは、外国の通貨(外貨)をもとに行われます。
その為、保険料を支払う際や保険金等を受け取る際にに為替の影響を受けることになります。
外貨建て保険のメリット
まず、外貨建て保険のメリットについてお伝えします。
- 円建ての生命保険と比べると同一保険金額に対する保険料が割安
- 為替差益を得る可能性がある
- 外貨ベースで考えると日本円よりも貯蓄性が高い
- 日本円の価値が低下するリスクに備えられる
このようなメリットがある為、加入された方も多いのではないでしょうか。
外貨建て保険のデメリット
続いて、外貨建て保険のデメリットについてお伝えすると、
- 為替差損が生じることがある
- 支払う保険料が毎月変動する
- 払い込んだ保険料が外貨へ換金される際に手数料がかかる
といった事が挙げられます。
このような点には留意して加入、検討する必要があります。
新型コロナウイルスが与える影響について
現在、日本銀行の金融緩和策であるマイナス金利政策により低金利が続く中、円建て保険と比較して積立利率の良さなどが注目を浴び、外貨建て保険への加入者が増加傾向にありました。
では、今回の新型コロナウイルス感染拡大により、外貨建て保険にはどのような影響があるのでしょうか?
ここではドル建て保険の中でも一番メジャーな米ドル建て保険にスポットを絞って解説していきます。
大きく分けて2つの影響があります。1つ目は為替(ドル-円)相場の変化、2つ目は積立利率です。
①コロナ以前と比較して円高傾向に
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、次のような事が起こっています。
- 国内外(米ドル、豪ドルetc.)の金利差が縮小した
- 先行き不透明感が強いため安全資産との見方から円が購入され、当面の間円高傾向が続く
ここで、例として為替が米ドル建て生命保険にどのような影響を与えるのか考えていきたいと思います。
例えば、保険金額が10万ドルの契約に加入していたとします。
1ドル=110円 | 保険金(10万ドル)=11,000,000 円 |
1ドル=105円 | 保険金(10万ドル)=10,500,000 円 |
つまり日本円ベースでいうと保険金額は50万円目減りしたことを表します。
これは契約者にとってはマイナスの影響を与えることになります。
次に保険料の支払いについて考えます。
例えば、月々の保険料が100ドルの契約に加入していたとします。
1ドル=110円 | 保険料(100ドル)=11,000 円 |
1ドル=105円 | 保険料(100ドル)=10,500 円 |
日本円ベースでいうと保険料負担は月々500円小さくなっています。
これは契約者にとってはプラスの影響を与えることになります。
②積立利率の低下
新型コロナウイルス感染拡大により、アメリカにおいては経済対策として利下げを行い、お金を借りやすい状態にしていました。
詳しい内容としては、米連邦準備制度理事会(FRB)は2020年3月3日、政策金利を0.5%、緊急に利下げしました。
続いて3月15日、緊急の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開いて1.0%の大幅利下げに踏み切りました。
政策金利は0~0.25%となり、2008年の金融危機以来のゼロ金利政策となります。
こういった動きを受け、米長期金利の指標となる10年物米国債の利回りは急落、近年1~2%で推移していましたが、初めて0%台になり、運用先としての魅力が下がっています。
このような運用環境の悪化を受け、保険会社が米ドル建て保険で採用している「最低保証の運用利率」を維持することが難しくなってきています。
その為、今後運用利率が下がっていく可能性があります。
ただし、多くの保険会社で採用されている、運用利率を最低保証(例えば3%等)する商品であればマイナス影響を抑えることができます。
状況は一変して円安傾向に 2022年6月追記
①金融政策の方向性の違いからドル高円安傾向に
新型コロナウイルスの影響も落ち着き始めた2022年6月現在では、米国は段階的な利上げを行っていくことを決定しました。
低金利を維持する日本と相反する金融政策を実行することから、日米金利差は拡大していき、ドル高円安傾向が続いています。
その結果としてドル資産の価値向上が見込まれて、外貨建て保険の問い合わせは増加してきております。
②米ドル建て保険の積立利率はコロナ以前の水準まで回復
米国が段階的な利上げを決定したことから、米国債の利回りはコロナ以前の水準を取り戻し、米ドル建て保険の積立利率も連動して上昇しています。
パンデミックにより一時期は積立利率の低下を招きましたが、結果としては一時的な利率低下にとどまりました。
まとめ
ここまで、新型コロナウイルス感染拡大による外貨建て生命保険への影響について解説しましたが、
- 外国債の金利低下による予定利率、積立利率低下
- 円高の進行による資産価値の低下
- 円高の進行による保険料負担の減少
こういった影響が出てきています。
しかし、既に外貨建て生命保険(主に米ドル建て生命保険)を契約されている方においては、基本的には短期の動きに一喜一憂することなく、長期の視点で継続されるのが良いでしょう。
これからご契約を検討する場合には、最新の商品情報をみて保険会社を比較すること、無理のない範囲の保険料にするなど、慎重な検討をする為に、プロの金融アドバイザーに相談をするのがより重要となってくるでしょう。
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