【FP監修】終身保険とは?掛け捨て型と貯蓄型の違いも合わせて徹底解説!
終身保険とよく比べられるのが掛け捨て保険。
掛け捨て保険はもったいないから終身保険がおすすめとの声もあります。
しかし、これは本当に正しいのでしょうか?
そのため、本記事では終身保険と掛け捨て保険の違いを交えつつ、向いている人・向いていない人も合わせて徹底解説いたします。
記事監修者
WEBEAT
片山勇大
「終身保険の特徴、メリット・デメリット、掛け捨て型保険との違いを知りたい・・・」
「掛け捨て型保険と貯蓄型保険の違いを知りたい・・・」
「貯蓄型保険の一種である終身保険に向いている人・向いていない人も合わせて知りたい」
本記事では、上記のお悩みを解決いたします。
本記事を読むことで、以下のメリットがあります。
- 終身保険の特徴がわかる
- 終身保険と掛け捨て型保険との違いがわかる
- 掛け捨て型保険と終身保険(貯蓄型保険)の違いを知りたい
- 終身保険に向いている人と向いていない人
それでは解説していきます。
終身保険とは
貯蓄型保険の代表的な保険商品が、「終身保険」です。
終身保険でざっくり覚えてほしい特徴は3つあります。
保障は一生涯続く | 被保険者が生存しており、かつ解約しない限り保険は一生涯続きます。 |
払込期間を選べる | 払込期間は以下の2種類から選べます。
一生涯払い込む 終身払込タイプ 〇〇歳まで・契約後〇〇年まで払い込む短期払込タイプ |
解約返戻金がもらえる | 保障が不要・現金が必要なときに解約すると解約返戻金が戻ります。
ただし、契約時期・内容によって解約返戻金が変動する点に注意しましょう。 |
終身保険の大まかな内容をご紹介しました。
「掛け捨て保険」と代表的な保険商品として終身保険が挙げられる「貯蓄型保険」の違いを解説することで、ここから終身保険の理解をより深めていきましょう。
※一般的な終身保険の説明であり、特定の保険商品を推奨・勧誘するものではありません。
掛け捨て保険と貯蓄型保険の違い
掛け捨て保険(定期保険など)とは、支払った保険料が返ってこない保険のことです。
保険期間が満了すると保障がなくなり、保険料は戻りません。
貯蓄型保険で代表的な保険商品は終身保険です。
ここからは、貯蓄型保険と掛け捨て保険の違いを解説することで、貯蓄型保険の一種である終身保険の理解を深められるよう解説していきます。
下記で終身保険の位置付け、掛け捨て保険・貯蓄型保険の違いを理解しておきましょう。
掛け捨て保険 | 一定期間の保障。定期保険・収入保障保険・医療保険・がん保険などに多くみられる |
貯蓄型保険 | 保険期間は一生涯であり、終身保険・学資保険・個人年金保険・養老保険などが該当する |
終身保険(貯蓄型保険)のメリット・デメリット
終身保険のメリット・デメリットを解説します。
終身保険(貯蓄型保険)のメリット
終身保険のメリットは、以下の2つです。
保障が一生涯続く
加入後に保険料が変わることは基本的になく、若いときから加入しておけば安い保険料で加入できるため、お得です。
そのため保険料を予測しやすく、家計管理を行いやすいメリットもありますね。
契約者貸付制度を利用できる
終身保険のような貯蓄型保険は契約者貸付制度を利用できます。
契約者貸付制度では、前述した解約返戻金の約7〜9割程度を保険会社から借りられる仕組みです。
金利はかかるものの、急な出費に対応できる点が便利です。
終身保険(貯蓄型保険)のデメリット
終身保険のデメリットは、以下の2つです。
インフレリスクがある
インフレになると、物やサービスの値段が上がり、お金の価値が下がります。
たとえば、昔のたばこは300円で買えていましたが、現在では500円以上もしますよね。
つまり、たばこの値段が上がったと同時に、300円のお金の価値が下がったことを意味します。
保険商品の場合だと、終身保険での契約当初の保険金や解約返戻金の価値が、インフレ時には下がるリスクがあります。
インフレリスクに対応している代表的な終身保険では「変額終身保険」が存在します。
変額保険についての詳細は以下の記事をご参照ください。
掛け捨て保険より保険料が高額
終身保険は、掛け捨ての定期保険より保険料が高くなるので、負担が大きくなります。
貯蓄型保険や手厚い保障の恩恵を受けられたとしても、「今」の払込が負担であれば、本末転倒です。
保険料が安い終身保険を利用したい方は、低解約返戻金型終身保険を検討しましょう。
低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間は「解約返戻金」が7割程度に抑えられており、途中解約には元本割れのリスクがあります。
しかし、通常の終身保険より安価に加入できるため、早期解約の予定がない方はぜひ低解約返戻金型終身保険を選んでみてください。
掛け捨て保険のメリット・デメリット
掛け捨て保険のメリット・デメリットを解説します。
掛け捨て保険のメリット2つ
掛け捨て保険のメリットは以下の2つです。
メリット①保険料が終身保険より安い上に、保障が充実している
同じ保障内容で比較した場合だと、掛け捨て保険は貯蓄型保険である終身保険より保険料が安くなります。
死亡保障に備えて何千万円も用意したい家庭の場合、貯蓄型保険だと保険料が高くなります。
一方、掛け捨て保険では保険料の負担を抑えつつ、手厚い保障を受けられます。
メリット②保険の保障見直しを考えている人
貯蓄型保険だと、「解約して解約返戻金で損したくない」といった感情が生まれてしまいます。
その反面、掛け捨て保険では支払った保険料は手元に残らないため、最新の掛け捨て保険へ気軽に乗り換えできるメリットがあります。
掛け捨て保険のデメリット2つ
デメリット①解約返戻金がほとんどもらえない
保険料払込期間中に解約をすると、解約返戻金は保険料の払込金額より下回ることがほとんどです。
デメリット②満期があり、支払った保険料はほとんど返ってこない
保険期間が終了すると、保険金・給付金は受け取れません。
掛け捨て保険を再度更新する必要があるものの、健康状態によって更新できない可能性があるため注意しましょう。
満期がない終身保険と比べて、一生涯保障される安心感はあまりありません。
まとめると、貯蓄型の終身保険より、死亡リスクに備えた掛け捨て保険のほうが保険料が割安であり、ほぼ同等の保障が受けられます。
保険は掛け捨てで十分? or もったいない?
どの保険商品にも、メリット・デメリットが存在するため「万人におすすめできる保険商品」は存在しません。
よって、掛け捨てで十分なのか支払い金額をもったいないとみなすか。
これに関して言えば、貯蓄型保険(終身保険)・掛け捨て保険を「向いている人・向いていない人」でご自身に適しているか確認するのがおススメです。
貯蓄型保険(終身保険)が向いている人の特徴
終身保険は、貯蓄型保険の代表的な保険商品です。
終身保険を考えている方は、「掛け捨て保険でも保障内容をカバーできるか?」といった観点で読み進めれば幸いです。
葬儀代を用意したい人
第5回お葬式に関する全国調査(2022年)によると、葬儀費用の平均費用は110.7万円と過去最安を記録しました。
ただ、依然として高額と感じる方は多いでしょう。
葬儀代を準備するために若年層から終身保険に加入すると、高齢時に加入するよりも保険料が安くなる場合があります。
子どもの教育費を準備したい人
教育資金の積立保険で思い浮かぶのが「学資保険」です。
学資保険との違いは、終身保険だと、契約者の死亡保障により保険金を受け取れる点にあります。
教育資金が必要になる時期までに払込時期を終わらせるよう終身保険に加入する方が多いです。
解約返戻金を教育資金に充当できる上に、一部解約により保障を継続しながら解約返戻金を受け取る設定も可能です。
貯蓄型保険(終身保険)が向いていない人の特徴
保険料を節約したい人
貯蓄型保険は、掛け捨て型保険より保険料が高いことが多いです。
そのため
「子どもが小さいうちには保障を手厚くしたいが、できるだけ保険料を抑えたい」
という方にはあまり向きません。
20代〜30代独身の人
昇進や出世を控えている方も多く、収入もそこまで余裕がない人も多いです。
20〜30代独身の人は、急な出費に備えて保険料が割安な掛け捨て型の保険がおすすめです。
また、精神疾患や労災といった就業不能保険で働けなくなったときのリスクに備えておくこともおすすめです。
しかし貯蓄型の保険は、将来の資産形成に対して非常に効果的な一面もあるため、プロのFPなどと相談をしながら適切なプランでの加入はおすすめです。
掛け捨て保険が向いている人の特徴
出費をできるだけ抑えつつ、保障をしっかり得たい人
前述したように、出費をできるだけ抑えつつ、保障をしっかり得たい人には掛け捨て保険が向いています。
保険料を抑えた分、別の目的で使うお金を持っておきたい人には掛け捨て保険はおすすめです。
ライフイベントに合わせて保険を見直したい人
結婚や出産といったライフイベントに応じて、その都度に保険を見直したい方は貯蓄型保険より掛け捨て保険が向いています。
収入保障保険や定期保険、医療保険といった掛け捨て型保険を選ぶことで、家計を圧迫することなく、手厚い保障を受けられます。
掛け捨て保険が向いていない人の特徴
保障と貯蓄を両立したい人
保障が一定期間で終了するため、一生涯の保険ではありません。
しかし、一部の掛け捨て保険には、終身保障が付帯されている掛け捨て保険も存在します。
解約返戻金を受け取りたい人
掛け捨て保険では、満了時や解約時に解約返戻金を受け取れません。(あってもごく少額な金額です。)
貯蓄型保険では途中で解約すると、解約返戻金を受けられます。
しかし、貯蓄型保険であっても、解約返戻金を受けられないケースとして短期間で解約した場合があるので注意しましょう。
終身保険とは?:まとめ
本記事では、終身保険の特徴について、掛け捨て型と貯蓄型の違いを交えて解説しました。
ただ、違いが分かっていても終身保険を検討している方は以下の悩みを持っているでしょう。
「結局、私にピッタリな保険商品はどこなの?」
「保険商品がたくさんありすぎて、終身保険でも内容や種類が複雑!」
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