【FP監修】子どもに医療保険は必要なのか?加入するメリット・デメリットを解説!

医療保険2023.02.22 公開 | 2023/02/21 更新

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「子どもにも医療保険は必要なの?」
「子どもが医療保険に入るメリットって何?」
こんな不安や悩みをお持ちの方へ、この記事では、子どもに医療保険が必要な理由とメリットを解説します。
これから子どもが産まれる予定の方や、産まれたばかりの子どもがいる方に読んでもらいたい内容になっています。

子どもに医療保険が不要だと言われる2つの理由

筆者は「子どもにも医療保険が必要である」と考えていますが、ネット上では「子どもに医療保険は不要」だと考える意見も多くあります。

不要だと考える理由は以下の2つです。

  • 医療費助成があるので少ない医療費で済む
  • 子どもが入院する回数は少ない

このあと具体例として東京都の保健所や厚生労働省のデータを用いながら解説していきます。

子どもに医療保険が不要な理由を知って納得するかもしれませんが、医療保険が必要な理由も合わせて読んだ上で不要なのかを判断してもらいたいと思います。

1.医療費助成があるので少ない医療費で済む

子どもは各自治体で定められている医療費助成が受けられるので、医療費に高額な費用はかかりません。

今回は一例として東京都を解説します。

都内の各市町村に住んでいる0歳〜高校生(18歳の3月31日までの子)に対し、通院は200円、入院費用は食事代のみです。

医療費助成を受けるには、

  • 乳幼児医療(マル乳)
  • 義務教育就学児医療(マル子)
  • 高校生等医療費(マル青)

の交付を受けていないと適用されないので注意が必要です。

あくまで東京都の場合の例なので、各自治体で対応している医療費助成の内容を確認しましょう。

しかしどの自治体でも子どもにかかる医療費は高額にはならないと考えられます。

つまり万が一の入院や長期的な通院にも貯蓄があれば対応できるので、医療保険が不要と考えられるのです。

2.子どもが入院する回数は少ない

厚生労働省のデータからも子どもが入院する可能性は低いことがわかります。

年齢別にみた医療施設の推計患者数を確認したところ、0〜18歳までの患者数は決して多くない人数の比率だと確認できました。

合計人数 平均入院日数
全年齢 1 211.3千人 約16日間
0〜18歳 29.9千人 約10日間

仮に入院したとしても、0〜18歳の平均入院日数は約10日間で、入院日数が一番長いのは15歳〜19歳の14日間です。

結論入院する回数は少ないことと、もしも入院することになっても長期で入院する可能性は低いことがデータからもわかります。

よって「子どもの医療保険は不要である」と考えられるポイントの1つになるでしょう。

参照:令和2年(2020)患者調査の概況|厚生労働省 

子どもに医療保険が必要な2つの理由

医療保険が不要な理由に納得して、「子どもに医療保険は不要」と考えた人もいるかもしれません。

しかし筆者が「子どもに医療保険が必要」と感じる理由は以下のとおりです。

  • 治療費以外の支出が大きい
  • 親の収入減につながる

どういうことかあまりイメージが湧かないと思うので、例を交えながら具体的に解説していきます。

1.治療費以外の支出が大きい

子どもが入院したときに公的医療保険や医療費助成でまかなえない部分は、

  • 差額ベッド代(個室代)
  • 食事代

があげられます。中でも大きな負担になるのは差額ベッド代です。

病院や地域によって差がありますが、平均の差額ベッド代は1日当たり6,354円です。

参照:主な選定療養に係る報告状況|厚生労働省 

基本的に大部屋であれば差額ベッド代はかからないので、ほとんどの人は大部屋に入ろうと考えるでしょう。

しかし子どもがまだ夜泣きをする年齢だったり、イヤイヤ期だったりしたときをイメージしてみてください。

カーテン1枚を挟んだだけの病室で、夜中に子どもが泣いたり大きな声を上げたりしてしまったとしたらどうでしょうか。

大部屋でも大丈夫と思っていても、まわりの患者さんにかなり気を遣う必要があり看病している親に大きなストレスとなってしまいます。

よって個室を選ぶ人も多く、個室代=差額ベッド代が上乗せされてしまうため治療費以外にかかる負担が増えるのです。

また食事代も以下の理由から負担増が見込まれます。

  • 子どもから目が離せないので、手軽に済ませられるものを買って食べる
  • 家族の分の食事が作れないので、外食が増えたり惣菜やお弁当を買って食べたりする

単純に入院している子どもだけでなく、家族全体の動きを見て費用がかからないか考えることが大事です。

一時的でも支出がアップすることや、お金のことに不安になって子どもの治療に専念できないのは避けたいですよね。

そこで医療保険があれば、お金の面の不安を解消できます。

2.親の収入減につながる

特に子どもが小さいときの入院は、つきっきりで看病する必要があるので仕事をしている場合は休暇を取らなければならないでしょう。

また入院している子どもに兄弟姉妹がいれば、誰が家事育児をすることになるでしょうか。

子どもが入院することで親の仕事が通常と同じようにできるのかをイメージしてみましょう。

  • 仕事を休まなければならないので給与が減る
  • 早退や遅刻、残業なしの環境にしなければならず給与が減る

このように「収入減に繋がる可能性がある」とわかります。

普段得られているお金が減る可能性があることも視野に入れておくと、事前に備えられるのでいざというときに安心です。

子どもの医療保険に加入するメリット3選

子どもの医療保険が必要な理由を解説しましたが、加入したらどんな恩恵が受けられるかもう少し深掘ります。

  • 終身医療保険なら一生涯の保障を安く持てる
  • 健康なうちに入れる
  • 生命保険料控除が使える

専門的な分野もあるので、初心者でもわかりやすく解説します。

1.終身医療保険なら一生涯の保障を持てる

医療保険には定期型と終身型があり、終身型を選ぶと一生涯の保障を得られるメリットがあります。

保障期間 特徴
定期型 ・決められた期間内のみ保障

・期間が来たら保険はなくなる

終身型 ・一生涯の保障

・解約しない限り亡くなるまで保障が続く

【契約者側のメリット】

子どもが大人になっても使える保険をプレゼントできる

将来的には子どもに保険料の支払いを移すことで保険料の負担減

【子ども側のメリット】

契約者から引き継ぎし医療保険を持てる

安い保険料のまま医療保険が引き継げる

子どものときに終身の医療保険に加入すると、子どものときでも大人になってからでも使える保険を持てます。

保険料も子どものときの金額なので、ずっと安い保険料で継続が可能です。

2.健康なうちに加入できる

医療保険は加入するときに原則健康状態の申告をしなければなりません。

保険会社は独自の審査基準を設けており審査に通らないと加入ができないので、子どもが健康なうちに加入することをおすすめします。

罹患した病気や健康状態によってはしばらく加入ができないことがあり、加入したくても加入できない状況になります。

健康なうちに加入しておくと、病気に罹患して加入できないというリスクを減らせます。

3.生命保険料控除が使える

医療保険は「介護医療保険料控除」で、所得税最大4万円住民税最大2.8万円の控除を受けられるので、保障を受けながら税負担を軽くできます。

所得税 住民税
介護医療保険料控除 年間払込保険料 控除される金額 年間払込保険料 控除される金額
20,000円以下 払込保険料全額 12,000円以下 払込保険料全額
20,000円超

40,000円以下

払込保険料×1/2)

+10,000円

12,000円超

32,000円以下

(払込保険料×1/2)

+6,000円

40,000円超

80,000円以下

(払込保険料×1/4)

+20,000円

32,000円超

56,000円以下

払込保険料×1/4)

+14,000円

80,000円超 一律40,000円 56,000円超 一律28,000円

引用元:公益財団法人生命保険文化センター税金の負担が軽くなる「生命保険料控除」

注意点は、保険料を負担している者が控除の対象となるということです。

控除を受けるためには、保険会社から届く保険料控除のハガキもしくは書面を使って年末調整や確定申告で申請が必要なので、忘れずに手続きをしましょう。

保険に加入するときの3つのポイント

いざ子どもの医療保険に加入しようとしたとき、注意すべきポイントが3つあります。

  • 自治体の制度
  • 保険の内容(保障内容・保険期間・保険料)
  • 共済と保険会社

子どもと両親にぴったりな選択ができるように各ポイントを確認しましょう。

1.自治体の制度

医療費助成があるので、子どもの医療費はかからないと説明しました。

しかし地域ごとに医療費助成の内容は違うため、まずはお住まい市区町村ホームページから医療費助成の内容を把握しましょう。

確認するポイントは以下の3つです。

  • 入院・通院で自己負担があるか
  • 現物給付か償還払いか※
  • 何歳まで医療費助成が受けられるのか

※現物給付:自治体が医療機関に医療費を支払う方法

償還払い:医療費を立て替えて、自治体に請求する方法

具体的に入院したらいくら費用がかかるのかをイメージし、現物給付か償還払いかによって立て替える費用が十分にあるかを考えます。

医療費助成が受けられる年齢が地域ごとで変わるので、何歳までは費用がかからないのか、何歳になったら医療費がかかるのかを知っておくことが重要です。

入院時の費用に対して貯蓄等に不安があるときは、医療保険の内容を充実すべきでしょう。

医療費助成が受けられない年齢以降の入院などには、その年齢にあわせたタイミングで医療保険を検討します。

2.保険の内容

医療費助成を知ることに連動して、保険の内容も適切な内容にするべきです。

保障内容 【過度な保障は不要で日額5,000円~6,000円でよい】

・医療費ではなく差額ベッド代に備えるため

・差額ベッド代は平均6,000円程度

保険期間 【いつまで保障される保険にするか】

・おすすめは終身

・子どもの独立や高校卒業などのタイミングにあわせて、期間を決めて加入もできる

保険料 【できるだけ抑えて加入できるとよい】

・長期的な支払いになるので負担のない金額で検討する

保険は加入することが目的ではなく、いざというときに使えることが大切です。

検討するときは、どんな保険の内容にするのが適切かしっかりと検討しましょう。

3.共済と保険会社

子どもの保険を調べていると、共済と保険会社どちらがいいのだろうと悩むかもしれません。

共済の代表的なものは、「都道府県民共済」や「コープ共済」などです。

共済 保険会社
メリット ・契約できる年齢の範囲内なら何歳でも保険料は一緒

・プラン内容がシンプル

・交通事故のときは上乗せあり

・割戻金がある

・終身保障にできる

・先進医療特約をつけることで高額な先進医療もカバー

・終身保障は保険料が変わらない

・保障内容を自分で決められる

デメリット ・保障が途中で終わる

・先進医療の保障が手薄で保障額が不足する可能性がある

・加入するための条件あり

・自由に保障をカスタムできない

・年齢や性別によって保険料が変わる

・世の中の医療事情が変わったときに見直しが必要

考えにあったほうを選択できるように、どちらも保障内容や保険料など比較して検討しましょう。

まとめ:適切な選択ができるように比較検討しよう

子どもの医療保険が必要な理由は2つありました

  • 治療費以外の支出が大きい
  • 親の収入減につながる

実際に保険が必要だと思ったときは以下のポイントを確認します。

  • 自治体の医療費助成を確認したか
  • 必要な場合は保険の内容はどうするのか
  • 共済・保険会社のどちらを選ぶのか

各方面からイメージして、最適な選択ができるようしっかりと比較しながら検討しましょう。

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