【FP監修】リタイアメントインカムって払済にしても大丈夫?10年払済の注意点や解約との違いをわかりやすく解説!
プルデンシャル生命の主力商品として名高い「米国ドル建てリタイアメントインカム」。
ドルRIという名称で親しまれるこの商品の「解約」や「払済」について専門家が徹底解説します。
是非、ライフスタイルの変化等により保険の見直しを考えている方は参考にしてみてください。
記事監修者
ファイナンシャルプランナー
五十嵐 真一
ドルRIを払済に変更してもいいの?
この記事をご覧になっている方は、
生活環境が変化して当初の保険料で継続することが難しくなってしまった。
解約を検討していたが払い済みのほうが良いと言われた。
といった悩みをお持ちかもしれません。
結論で申し上げると
払済保険に変更して良いか悪いかは契約内容によって全く異なります。
一度変更をしてしまうと、元に戻すことも可能ではありますが難しくなるため、慎重に判断して頂くことを勧めます。
具体的に見ていきましょう!
ドルRIを払済保険に変更すると契約はどうなる?
①それ以降の保険料の支払はストップされる
払済保険とは、契約を継続させたまま、保険料の支払いを中止して保障額の小さい保険へ切り替えることを言います。
この方法を活用することによって、保険料の支払いが困難になった場合にでも、保障は一部継続され、将来時点は満期保険金や解約返戻金を受け取ることも可能になります。
解約を選択してしまうと、解約返戻金が受け取れる一方で、それ以降の保険契約は一切消滅してしまいます。
②解約と払済の違いはなに?
リタイアメントインカムは、将来の年金の支払いという重要な出口があります。
中長期で継続をすることによってこの効果を受けることができますが、中途解約をすることによって、元本割れのリスクが高くなってしまいます。
解約では保険契約を一切無くして解約返戻金を一括で受け取る為、将来の年金や今後の保障は消滅します。
一方で払済保険に変更することによって、一部保障を継続できることや、元本割れのリスクを無くして将来の資金準備も可能となります。
契約から数年しか経過していない方:払い済みに変更しても元本割れを起こしてしまう可能性があります。
契約から10年以上経過している方:払い済みは可能ですが、保険の切り替えをすると加入時の好条件を失うかもしれません。
このように、具体的に個別の契約状況を分析してみないと、一概に払済保険への変更が適切とは限らない為、まず一度担当者や専門家へご相談することをお勧めします。
③将来受け取る金額や保険金額は減少する
払済保険への変更をすることによって、保険料の負担を無くし、保障を継続できるというメリットがあるものの、契約時に定めた保険金額より低減することが多いでしょう。
解約返戻金や年金の支払いに関しては、払済保険に変更後も同じように運用をされる為、増加していきます。
しかし、払済保険に変更後は保険料の支払いをしていないことから、元本が増えていかない為、受け取れる年金額は当初予定をしていた金額に比べると減ってしまいます。
④10年で止めてよい?返戻率が高く見えるトリックに注意!
例えばリタイアメントインカムを、加入から10年後に払済保険に変更した場合、65歳時点での返戻率は180%などの高い数字となることが多いです。
しかし、この数値には注意が必要です。
例えば
- 30歳で月払保険料200ドルのリタイアメントインカムに加入
- 10年経過時の40歳で払済保険に変更
このようにした場合、払い込んだ保険料の原資を長く運用出来るため、65歳時点での返戻率は高くなるでしょう。
しかし、10年間で払い込んだ保険料の累計は200ドル×12か月×10年=24,000ドルです。
本来であれば、65歳まで200ドル×12か月×35年=84,000ドルを払い込むことが出来たため、高い返戻率に惑わされて、保険料の払い込みを継続できるのに払済へ変更してしまうことは機会損失に繋がります。
また、
10年経過したら払込を停止してよい
というように払済保険に変更することを前提にプランナーが保険提案を行うと、保険業法に抵触する恐れもありますので、疑問に思ったら専門家等に相談することをお勧めいたします。
⑤生命保険料控除が使えなくなる
生命保険料控除は、1年間に支払った保険料に応じて、税金が軽減される制度です。
支払った保険料の一定額が契約者の所得から差し引かれる仕組みになります。
控除額の上限は決められているものの、生命保険料控除を利用した場合と利用しない場合だと、課税対象に違いが出てきます。
しかし、前述したように1年間に支払った保険料に対して、所得から差し引かれる仕組みになる為、払済保険に変更をした場合には、変更後、生命保険料控除は使えなくなります。
払済や解約をする前に知っておきたい注意点
将来貯まる金額が確定していることは重要
多くの外貨建て商品は、契約期間中に利率が上がったり下がったりする中で、リタイアメントインカムは契約時の積立利率が保険期間を通じて一定です。
加入をする際に将来の積立額がわかる為、安心して将来の資金計画をすることができます。
また、老後にあといくら必要なのか、具体的な対策を実行しやすくなるといえます。
払済保険や解約をすることによって、契約時に予定していた金額より少ない返戻金になる可能性が高くなる為、ご自身で判断をするのではなく担当者や専門家などに相談をすると良いでしょう。
つみたてNISAやiDeCoとは分けて考えるべき
つみたてNISAやiDeCoなどの証券積立と、米ドル建てのリタイアメントインカムは別物ですが、将来の資金準備として活用できる点は同じです。
それぞれにメリット・デメリットがあり、人によってとらえ方は異なるでしょう。
まずは、目的がどこにあるのかを明確にすることが大切になります。
運用のみを目的とする場合は、つみたてNISAやiDeCoに軍配が上がるような形になります。
これはリタイアメントインカムは保険商品の特性上、保障コストが一定割合差し引かれてしまうためです。
一方で、リタイアメントインカムのように一定の利率で運用を行う保険商品は、契約時に将来受け取れる年金を把握できる為、安心して将来のお金を準備することができます。
将来円ではなくドルでも受け取れることから「通貨分散」としての機能も果たします。
一部の資産が違う通貨、そして世界の基軸通貨である米ドルで貯めていくことによって、将来的に選択肢が広がります。
また、生命保険であることから、死亡保障が必要かどうかという点にも目を向ける必要があります。
死亡時の保障を確保しながら、効率的に老後資金を準備することができます。
一概にどちらが良い悪いという判断は、難しいというのが正直な意見でありますがご家族状況やライフプランによって異なるため、一度考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、リタイアメントインカムの活用方法である解約や払済についてお伝えしましたが、リタイアメントインカムだけに限らず生命保険の仕組み、使い方を理解することが上手く生命保険を活用する一番の近道となります。
使い方ひとつで損をしてしまったり、最悪のケースでは残されたご家族に苦労を掛けてしまうこともあるでしょう。
年齢や職業、ご家族構成によって使い方も異なる為、まずは保険のプロであるファインシャルプランナーに相談をしてみてはいかがでしょうか。
「まずは気軽にお金のことを相談してみたい!」という方にお勧めなのが、MoneypediaのオンラインFP相談サービスです。
保険やライフプランをはじめとするお金のことをいつでも・どこでも・気軽に・何度でも専門家に相談することが出来ます。
まずは一度、ご相談されてみてはいかがでしょうか。