【FP監修】20代に保険は必要ない?プロがパターン別に考え方を解説!
社会人になって生命保険について考え始めた方も多いと思います。
また、親から生命保険を譲り受けたり、会社で加入案内があったりする方も「そもそも20代から保険が必要なのか?」と一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか?
今回は20代にフォーカスし、どういうものが、どれくらい必要なのか、についてFPが解説していきます。
20代の方は、生命保険加入の参考にしてみてください!
記事監修者
マネーペディア株式会社
嶋 時生
20代の生命保険加入率は?
まずは、20代のどれくらいの人が生命保険に加入しているのかみていきましょう。
それでは早速、生命保険の加入率について見ていきたいと思います。
生命保険文化センターの令和3年度「生命保険に関する全国実態調査」によると
- 男性(全世代):81.1%
- 女性(全世代):82.9%
となっています。
一方で20代にフォーカスしてみると
- 男性(20代):58.5%
- 女性(20代):59.9%
という全世代と比較して低い水準となりました。
20代では4割以上の人が生命保険は未加入ということになります。
加入している理由
20代で生命保険に加入している人の理由としては、「社会人になったから、結婚したから」というものや「親から勧められた、引き継いだ」という意見が多いです。
結果からわかる通り、社会人になったり、結婚や出産などライフイベントに変化があったりして、徐々に生命保険について考える機会が増えているという事でしょう。
加入していない理由
加入していない人の理由としては
収入が少なくキャッシュフローが安定しない
万が一のイメージが湧かない
結婚したり子どもができたりしてからで良い
などがあります。
20代で独身の方の場合は、まだ生命保険の必要性や緊急性を感じづらいのかもしれません。
また
種類が多くて選び方がわからない
きっかけがない
といった意見もあり、生命保険は商品の数が多く、選択の難しさもあるのでしょう。
押さえておきたいポイント
20代が生命保険に加入する目的
20代が生命保険に加入する目的は主に以下の4つです。
- 貯蓄で賄えないケガや病気の医療費に備えるため
- 就業不能状態による収入減少へ備えるため
- 万が一が起こった場合の葬儀費用に備えるため
- 将来必要な資金への準備のため
貯蓄で賄えないケガや病気の医療費に備えるため
20代では、就職したばかりで収入や貯蓄に不安がある人も多いと思います。
そんな中、万が一のケガや病気に備えて「健康保険」や「国民健康保険」に加入しています。
ただ、こうした公的保険に加入していても高額な医療費が発生したり、少額でも継続した治療が必要になり医療費がかさんでしまったりすると、経済的に大きな負担になるでしょう。
就業不能状態による収入減少へ備えるため
ケガや病気など、イメージしやすいリスクに関しては、貯蓄で賄える人もいるかもしれません。
しかし、日本人の死因で多い、「ガン」「心筋梗塞」「脳卒中」といった重度の生活習慣病や、事故などによる障害状態になった場合には長期にわたる治療やリハビリが必要になることもあります。
これにより仕事に支障が出て収入が大きく減ってしまった場合、これまで通りの生活を続けていくことは非常に大変です。
万が一が起こった場合の葬儀費用に備えるため
鎌倉新書の2020年「第4回お葬式に関する全国調査」によると、万が一の時の葬儀費用は平均で総額184.3万円となっています。
これくらいの金額なら貯蓄で賄えるという人もいるかもしれません。
特に親の視点からは、独身のうちは保険は必要ないという意見も多いでしょう。
ただ、ご両親の老後資金を切り崩してしまうことになったり、資金使途の決まっていたお金を切り崩すことになってしまったりする可能性もあります。
将来必要な資金への準備のため
20代は、これから結婚や出産、自宅の購入、子どもの教育などライフイベントの変化に合わせて大きな資金が必要になっていきます。
それぞれのステージにおいて資金の準備ができていないと、選択肢が減ってしまったり生活を切り詰めなければならなかったりいずれにしても大変な思いをすることになるでしょう。
そうならないためにも貯蓄や運用など方法は色々ありますが、早いうちから資産形成をしていく事をお勧めします。
病気やけがの時に必要な費用
生命保険文化センターの調査によると、一日あたりの医療費の自己負担額は平均で23,300円となっています。
また、15~34歳の平均在院日数は11.1日で入院時の自己負担費用の平均は208,000円とかなり高額です。
入院中に十分な休息をとり治療に専念するために個室や小部屋を希望するという方も少なくありません。
ただ部屋代や食事代といった料金は高額療養費制度の対象外となるため、入院日数が長引くとその分自己負担額が増えてしまいます。
将来の為に貯めておきたい金額
20代では、これから子どもの教育費用や老後の生活資金など大きなお金が必要になっていきます。
そこで、将来どういうことに、どれくらいのお金が必要になるのか見ていきましょう。
①教育費
- 幼稚園~大学まで全て公立コースの場合⇒784.5万円
- 小学校から私立~私立大学理系コースの場合⇒2279.4万円
- 中学校から私立~私立大学理系コースの場合⇒1513.9万円
- 高校から私立~私立大学文系コースの場合⇒1095.7万円
幼稚園から大学まで、全て公立に通ったとしても約800万円、高校から私立の場合だと1,000万円以上ものお金がかかってきます。
さらに子どもが増えれば増えるほど必要になるお金も増えるため、計画的な準備をしていかなければなりません。
また、最近では以前よりも多様な進路があり、留学などに行く人も増えてきています。
計画に合った有効な手段を使い、資産形成していくのが良いでしょう。
②老後資金
さて、老後についてもみていきましょう。
老後の最低日常生活費は月平均で22.1万円となっています。
ゆとりある老後生活を送るための生活費は平均で36.1万円と年々増加傾向にあります。
また、イギリスのリンダ・グラットン教授によれば、2007年に日本で生まれた子どもについては、107歳まで生きる確率が50%もあるといいます。
日本では今後も長寿化が進んでいくことが予想され、老後生活がより長くなっていくでしょう。
つまりセカンドライフで必要になる金額もこれまで以上にもっともっと増えていくということです。
老後への備えをシミュレーション
では、次に、老後の備えとしていくらくらい必要になるのかシミュレーションしてみましょう。
夫が65歳以上で、妻が60歳以上の無職世帯(夫婦のみの世帯)の家計をみると、実収入(公的年金など)から非消費支出(税・社会保険料等)を差し引いた可処分所得約20.7万円に対して、消費支出は約24.0万円で、1ヵ月間に約3.3万円が不足しています。
⇒3.3万円×12ヶ月×35年(~100歳まで)=1386万円
最低でも1,386万円は老後の生活費として資産形成していく必要があるでしょう。さらにゆとりある老後生活を送ると考えると、
⇒(36.1万円-20.7万円)×12ヶ月×35年=6468万円
と、4倍以上もの資金が必要になります。
ただ、20代の人は老後を迎えるまでに少なくとも30年以上はあるため、時間を活かしたiDeCoやNISA、保険などを用いて効率良く資産形成していくことをお勧めします。
20代のパターン別にみた生命保険の選び方
独身のケース
独身の人の場合、「病気やケガで入院や手術をした場合の治療費」と「病気やケガで働けなくなってしまった場合のリスク」への備えをしっかり考えておきましょう。
公的医療保険や高額療養費制度、傷病手当金などの社会保障を踏まえ、どれくらいのお金が必要になるのかを考えることが重要です。
病気やケガの際には、「出費」と「収入の減少」という2つのリスクがあります。
医療費で家計を圧迫してしまったり療養による労働制限から収入が減ってしまったりして、経済的に困難な状態に陥ることが無いよう事前に備えておきましょう。
既婚のケース
既婚の人の場合ですが、医療保険に加入していない人は、この段階で加入を検討してみましょう。
特に女性は、妊娠すると妊娠時特有の入院リスクが高まりますし、出産においても帝王切開等で手術を受ける可能性があります。
女性の方は妊娠する前からこのようなリスクに備えておくことがとても重要です。
医療保険の他に結婚を機に考える保険としては、死亡保険があります。
共働きで子どものいない夫婦の場合、それほど大きな死亡保障は必要ありませんが、お互いへの思いやりとして葬儀費用など、家計の負担にならない程度の金額は、少なくとも備えておくと良いでしょう。
子供が産まれたケース
子どもがいる家族は、死後整理資金や遺族の生活保障を目的とする生命保険にも加入しておく必要があるでしょう。
子どもが自立するまでの教育費や家族の生活費への備えには、毎月しっかりと受け取る事が可能な収入保障保険が向いています。
また、ケガや病気で長期間にわたる治療が必要になり収入が減少した時の為に、最近では就業不能保険も注目されています。
病気やケガの治療等で、長期にわたって働けなくなることがありますが、その期間の収入減少に備える保険です。
医療費は医療保険で備え、収入減少に対しては就業不能保険で備えたり、葬儀費用については定期保険や終身保険で備えたり目的別に組合せて利用する人が増えています。
これまで子どもの教育資金については学資保険で備えることが主流でしたが、最近では低金利の影響もあり元本割れしてしまうことがあるため注意が必要です。
まとめ
これまで20代から生命保険が必要なのかについてお話してきました。
20代では、健康に自信があり、生命保険については後回しにしてしまいがちです。
ただ、若いうちから生命保険に加入していると、トータルで支払う掛金を安く抑えることができます。
また、過去の傷病歴や持病、現在の健康状態によっては、保険料が上がったり支払い要件が厳しくなったりする場合もあります。
個人の収入や生活環境によって様々ですが、将来のことを考え早いうちから検討しておくことをお勧めします。
生命保険について詳しく知りたいという方や金融知識に自信が無くライフプランを一緒に考えてほしいという方はお金のプロフェッショナルである「ファイナンシャルプランナー」に相談すると良いでしょう。
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