【FP監修】資産形成は何から始めたらいいの?資産形成の基本の”き”を専門家が解説!
最近「つみたてNISA」や「iDeCo」などが話題になっており、若者の資産形成に対する興味がかなり高くなっているように感じます。
私自身も「何から始めたらいいのか?」「どれが一番いいのか?」という質問を以前と比較して数多く頂くようになりました。
今回は、まず始めるとしたらどのような考えで商品選定をするべきか、実際にプランニングする時の専門家の頭の中をご紹介します。
是非参考にしてください!
記事監修者
マネーペディア株式会社
菅原 慎
資産形成とは
そもそも資産形成とは何なのでしょうか?
資産形成とは、文字通り「資産」を「形成」することです。
将来の目標ややるべきことを決め、その目的に向けて資産を作っていくことです。
似た言葉で「資産運用」という言葉があります。
これは、資産を働かせて収益を産むこと。つまり、シンプルに「増やす」作業です。
つまり「資産形成」は目的であり「資産運用」は手段といったところでしょうか。
この二つをしっかりと頭の中で分けて置くことが重要です。
目的を決める
まず一番大切なのは、何のために資産を作るのか、という事です。
ご相談いただく方の中には、序盤から「つみたてNISAと保険はどっちがいいですか?」など、商品の良し悪しについてのご質問をいただくことがあります。
ですが、この質問にはお答えできません。
なぜなら、金融商品にとって大事なのは「どれが一番いいか」ではなく「どれが一番合っているか」になるからです。
それぞれの仕組みにはメリットもデメリットも存在しているので、一概に「これが一番です!」とアドバイスすることは出来ないのです。
その方の目的を達成させるのに、どの方法が一番適しているかを見つけるのが私たちの一番の仕事とも言えます。
目的とは、例えば、
- 老後の備え(老後の備えの中にも、「老後の最低限を確保したい。」なのか「老後、こんな贅沢をしたい。」なのかの違いもあります。)
- 教育費(私立高校用なのか、大学費用なのか、、、etc)
- 結婚式費用
などです。
なのでまず何を目的し、何のために資産形成をするのか、しっかり考えましょう!
目的を達成するための条件を整理する
そして、目的がしっかり定まったら、次にその目的を達成するための条件を設定します。
例えば、20代の方が「老後の最低限の備え」を目的にする場合
- 30年以上の期間があるので、長期で運用できる
- でも最低限のお金なので、あまり大きなリスクは取れない
- また、自分や家族にどんな事があっても、確実に用意できる仕組みがいい
- 受け取り方も、一時金というよりは年金で受け取れた方がいい
などでしょうか。
目的が変われば条件も大きく変わって来ますが、目的を達成させることができる条件をリストアップさせましょう。
自分を知る
そして、条件が出そろったところで今度は自分について分析してみましょう。
どんなものを使えて、いくら回せるのか?
また、逆に自分には使えない物はあるのか、どんな性格なのか?
資産形成はあくまでも自分ひとりでやっていくものなので、しっかりと続けていけるよう、自分の特性を整理してみましょう!
自分の持っている武器を整理
まずは何が使えるのか、どんなことができるのかを整理してみましょう。
資金
今動かせる金額がたくさんあるか?ということです。収入は高くなくても、預金などで今動かせる資金がたくさんあれば、十分武器になります。
収入
給与収入や、その他副収入、贈与を受けているなどなど、大きな収入があればその分大きく資産形成に回すことができます。
信用
大企業に勤めていて、信用の枠があるかどうか?ということです。医療従事者や士業、公務員の方や一部上場企業にお勤めの方はかなり有利になってきます。
時間
資産形成で最も確実に味方になってくれるのは「時間」でしょう。目的となる時点まであと何年あるか、時間が長ければ長いほど大幅に有利になってきます。
それそれ自分は何を持っているかを整理し、何が使えるかを分析することで自分に合った資産形成に近づくのではないでしょうか?
弱点も整理
上記について、逆に自分に無いものも整理しましょう。
例えば、
- 資金…最近大きな買い物をしてしまい、預金が無い。
- 信用…個人事業主なので、ローンを借りることができない。
などです。
弱点を補うことも選択をするうえでの大切な要素になってきます。
自分の性格を分析
そして、意外と大切になって来るのが「性格」です。
先ほどもお伝えしましたが、自分ひとりで長い時間をかけて行うのが「資産形成」なので、しっかりと続けていけないと意味がありません。
なので、実際に行う「自分自身の性格」が大切になってきます。
資産形成以外でも、例えばダイエットや筋トレなどで「頭では分かってるけど、、、」と、くじけた経験がある方は少なくないと思います。
資産形成も同じで、途中で辞めてしまっては意味が無いのです。
なので、しっかり続けているかどうか、自分自身を見つめてみましょう。
- コツコツ続けることが得意
- 気が変わりやすい
- 面倒くさがり屋
- 自分で管理しておかないと気が済まない
など、それぞれの性格に合ったプランニングを心がけましょう!
以上を踏まえプランニング
上記3つが揃ったところで、プランニングを開始しましょう!
まず条件を満たす金融商品を探す
先ほど、目的から逆算した、その目的を達成するための条件を満たす金融商品を探しましょう。
様々な金融商品にはメリット、デメリットが存在するのでそれらを比較してみると良いかもしれませんね!
自分の長所を使えているかを確認する
選択肢の中で、先ほど整理した自分の長所が活かせる選択をしていきましょう。
例えば、今動かせるキャッシュがある人は、一時払い型の金融商品を選択したり、信用を使える方は、信用力を使った不動産投資を選択肢に入れてみたり、といった感じです。
自分に何ができるのかをしっかりと見極め、活用していけるとより有利に資産形成を始められるのではないでしょうか?
短所を補う仕組みを考える
そして大まかに決まった段階から、今後続けていくうえで障壁になりそうなところを解決できる方法を考えます。
例えば
「面倒くさがり屋で細かく手続きや確認ができない」
という方の場合は、決まった日に決まった金額が勝手に引き落とされる仕組みにしておいたり、短期的に組み換えをする必要の無い投資先に投資をしたりすることで、そこをカバーできるでしょう。
また
「持っているお金はすぐに使ってしまう。」
なんて方は、仕組み上、短期では引き出せないものに入れて自分の管理下の外に出してしまう、とういう選択肢を取ると、長期でしっかりと資産形成をすることができるのではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「何をやればいいの?」という問いに対して、「これ!」というものは存在しません。
一番大切なことは「何が自分に一番合っているか」です。
そのために、以下の順序で考えていきましょう。
まずは目的を明確にする。
↓
目的を達成するための条件を整理する。
↓
自分の武器や弱点を整理する。
↓
以上を加味して最適なプランを作る。
ぜひ将来なりたい自分から逆算して、計画的に資産形成を始めていきましょう!
もし、「そうは言っても、そもそも何を目的にすればいいか分からない」、「条件は分かったけど、それに合った金融商品って実際何があるの?」と思われるかもしれません。
その時は是非専門家に相談してみてください。