【FP監修】平均貯金額を年代別・世帯別に解説|貯金を増やす方法も紹介

将来・老後への備え2022.12.20 公開 | 2022/12/20 更新

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この記事では平均貯金額について、専門家が年代別・世帯別にわかりやすく解説していきます。
「同年代の人がどのくらい貯金をしているか知りたい」
「目安の貯金額を知りたい」
「貯金がなかなか増えない」
のように、貯金や資産形成についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

平均貯金額は593万円

2021年に金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、全世帯の平均貯金額は593万円です。

この結果を聞いて、中には

「平均にしては少なすぎる!」

と思う方もいると思います。

しかし、あくまでも平均値のため、たくさん貯金をしている一部の世帯によって平均値が底上げされているという点に注意しましょう。

実際に同調査によると、25.8%の世帯は「金融資産を保有していない」、つまり貯金が全く無いと回答しています。

このことからも、貯金をしている家庭とそうでない家庭で、経済的余裕に大きな差があることが分かります。

次に、年代別と世帯別の平均貯金額を見ていきましょう。

参考:金融広報中央委員会|家計の金融行動に関する世論調査 

年代別では60代が917万円でトップ

年代別の平均貯金額を以下の表にまとめました。

年代 平均貯金額
20代 89万円
30代 387万円
40代 379万円
50代 554万円
60代 917万円
70歳以上 865万円

年代別では、60代が平均貯金額が、917万円で最も高くなっています。

理由としては、子育てが一段落して経済的に余裕ができたり、定年を迎えて退職金が入ったりすることが挙げられます。

また、40代が20代の次に平均貯金額が低いことも特徴的です。

40代の多くは子育て世代であり、住宅費や教育費などの負担が非常に大きいため

「収入はアップしてるのに貯金が増えない…」

という方が多いです。

参考:金融広報中央委員会|家計の金融行動に関する世論調査 

世帯別では夫婦のみが821万円でトップ

世帯別の平均貯金額を以下の表にまとめました。

世帯 平均貯金額
一人暮らし 442万円
夫婦のみ 821万円
夫婦+子ども 533万円
夫婦+夫婦の親 766万円
その他 618万円

世帯別では、夫婦のみ世帯の平均貯金額が、821万円で最も高いです。

理由としては、子どもの教育費が必要ないことや、子育てが不要のため共働きで稼げることが挙げられます。

一方で、夫婦+子供世帯の平均貯金額は533万円と、一人暮らし世帯の次に少ないことからも、教育費は家計にとって非常に大きな支出であることが分かります。

参考:金融広報中央委員会|家計の金融行動に関する世論調査 

貯金額の目安はどれくらい?わかりやすく解説!

貯金額の目安は以下の通りです。

  • 老後資金は最低2,000万円が必要
  • 教育資金は最低800万円が必要
  • 住宅資金は購入価格の10〜30%が必要

それぞれ解説します。

老後資金は最低2,000万円が必要

老後資金としては最低でも2,000万円が必要で、もし3,000万円あるとゆとりを持った生活ができるでしょう。

総務省統計局の2021年「家計調査年報」によると、世帯主が65歳以上の夫婦世帯における毎月の支出は、以下の通りです。

  • 消費支出(食費や住居費など):228,305円
  • 非消費支出(税金や社会保険料など):31,789円
  • 合計支出: 260,094円

一方で、同世帯の毎月の収入は以下の通りです。

  • 社会保障給付(公的年金など):214,530円
  • その他の収入:23,458円
  • 合計収入:237,988円

このように、65歳以上の夫婦世帯では毎月約3万円の赤字になっており、ここ数年間は赤字額が3〜6万円で推移しています。

仮に毎月の赤字額を5万円、老後生活を30年間とすれば、必要最小限の老後資金として計1,800万円を貯金等で補う必要があります。

家庭によっては介護費や医療費などによっては老後資金がさらに必要になる場合もあるため、3,000万円を用意できると余裕を持った老後生活が送れるでしょう。

もし貯金額が少ないと、子どもや孫に欲しいものを買ってあげられなかったり、旅行やレジャーにお金を回せなかったりします。

「老後は楽しく過ごしたい!」という方は、なるべく早く貯金や資産運用を始めましょう。

参考:総務省統計局|「家計調査年報(家計収支編)」 

教育資金は最低800万円が必要

教育資金としては、子供1人が幼稚園からすべて国公立校に通った場合は約800万円、すべて私立校に通った場合は約2,400万円必要です。

内訳は以下の通りです。

幼稚園 小学校 中学校 高校 4年制大学 合計
国公立 70万円 190万円 145万円 135万円 250万円 790万円
私立 160万円 960万円 420万円 290万円 520万円 2350万円

中には「高校までは国公立で、大学は私立に行かせてあげたい」のように、国公立と私立が混在するケースも多く、実際は800万円よりも高額になることも多いです。

さらに、子供が留学したり6年制の医学部に行ったりして、学費が高くなることもあります。

もちろん「子供が望む進路はできるだけかなえてあげたい!」という方が多いと思うため、金銭面でサポートできるように余裕をもって教育資金を貯めておきましょう。

参考:日本学生支援機構|学生生活調査結果 

参考:文部科学省|子供の学習費調査の結果について 

住宅資金は購入価格の10〜30%が必要

住宅資金は大きく以下の2つに大別されます。

  1. 頭金
  2. 諸費用

まず頭金は、購入価格から住宅ローンの借入額を除いた金額で、購入価格の10〜20%程度を用意します。

次に諸費用は、印紙税や火災保険料などの金額で、新築マンションの場合は購入価格の3〜5%、一戸建ての場合は6〜10%を用意します。

例えば、4000万円の新築マンションを購入する場合は、頭金の400万〜800万円と諸費用の120万〜200万円で、合計520万〜1,000万円が必要になります。

しかし、住宅の購入で貯金を使い果たしてしまっては、その後の生活が安定しないため、余裕を持って住宅資金を貯めておきましょう。

金融資産を増やす方法を3つ紹介

先述した通り全世帯の平均貯金額は593万円ですが、株式や投資信託、保険などの金融資産も合わせた金額で見ると、平均値はかなり上がります。

年代別の平均金融資産保有高は以下の通りです。

年代 平均金融資産保有高
20代 187万円
30代 702万円
40代 891万円
50代 1,305万円
60代 2,265万円
70歳以上 2,069万円

どの年代でも平均貯金額と比べると2倍以上になるため、株式や投資信託、保険などの金融資産が資産形成に有効なことがわかります。

そこで、次におすすめの金融資産を増やす方法を3つ紹介します。

参考:金融広報中央委員会|家計の金融行動に関する世論調査 

つみたてNISA(ニーサ)

つみたてNISAとは、長期的な資産形成を行いたい投資初心者をサポートするための、投資非課税制度です。

具体的なメリットは以下の3つです。

  1. 20年間は運用益・分配金が非課税
  2. 少額から始められる
  3. ドル・コスト平均法で平均買付単価を抑えられる

少額からの長期・積立・分散投資のサポートを受けることができるため、投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって魅力的な制度です。

年間40万円という投資額の上限があるものの、毎月コツコツと資産形成を目指す方にとっては問題ありません。

「資産形成を行いたいがまとまった資金がない…」

という方は、ぜひ始めてみましょう。

また、税制改正により、2024年からは投資額の上限が大幅に引き上げられることが想定されています。

参考:金融庁|つみたてNISA 

iDeCo(イデコ)

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に、自分で老後の資産を作るための私的年金制度です。

原則として20〜64歳の人は誰でも月々5000円から始められる制度のため、無理のない範囲で老後の資産形成を始められます。

具体的なメリットは以下の3つです。

  1. 所得税と住民税が軽減される
  2. 運用益が非課税
  3. 受取時も税制優遇を受けられる

原則60歳まで掛金の引出しができないというデメリットはあるものの、老後資産の形成をしながら、同時に節税もできるのは大きなメリットと言えます。

iDeCoへの加入は任意ですが、公的年金と組み合わせれば、老後をより豊かに過ごすことができるため、興味がある方はぜひ始めてみましょう。

参考:iDeCo公式サイト|iDeCo(イデコ)のイイコト 

保険の見直し

資産運用を始めるだけでなく、すでに契約している保険を見直すことも、資産形成に有効です。

中には

「保険を変更したら損した気がする…」

「メリットがわからない…」

と思われる方もいるでしょう。

しかし、ライフステージによって必要な保険は大きく変わるため、定期的に見直すことで支払う保険料の無駄をなくすことができます。

例えば、妊娠・出産のタイミングで加入した保険を何十年も持っている方は、無駄な保険料を払ってしまっています。

不必要な保険を解約したり、余分な保険料を減額したりすることで、本当に必要な保険に絞って、余ったお金を老後資金や教育資金に回すことができるでしょう。

また、貯蓄性の保険をうまく活用することにより、つみたてNISAやiDeCoにはないメリットを使いながら将来の資産形成に役立てることもできます。

もし自分で保険の見直しをするのが面倒な方は、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談することがおすすめです。

保険を含めた家計全般のアドバイスを受けられるため、ぜひ活用してみましょう。

まとめ ほとんどの家庭で貯蓄額が不足?

ここまでの内容をまとめると、全世帯の平均貯金額は593万円ですが、ほとんどの家庭では貯金額が不足していると言えます。

なぜなら、老後資金では最低2,000万円、教育資金では最低800万円、住宅資金は購入価格の10〜30%が必要になるからです。

そのため、つみたてNISAやiDeCoなどの制度を活用したり、保険を見直したりして、貯金額を増やしていく必要があるでしょう。

ただし、あなた自身の年収や家族構成によって「どれがいいのか?」という選択は全く異なります。自身のライフプランに合わせて、適切な選択肢を取っていきましょう。

しかし、投資非課税制度や保険の見直しなどは、複雑で分かりづらい部分があったり、手続きが面倒な部分があったりすると思います。

そのような際には、一度専門家と面談してまずは現在の状況を整理してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

「まずは気軽にお金のことを相談してみたい!」という方にお勧めなのが、MoneypediaのオンラインFP相談サービスです。

保険やライフプランをはじめとするお金のことをいつでも・どこでも・気軽に・何度でも専門家に相談することが出来ます。

まずは一度、ご相談されてみてはいかがでしょうか。

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