【FP監修】持ち家のメリット・デメリットとは?賃貸とどちらがお得かをプロが解説!
この記事では持ち家のメリット・デメリットについて、賃貸と比較しながらプロがわかりやすく解説していきます。
「そろそろマイホームが欲しいかも…」
「自分は持ち家に本当に向いてるのかな…」
のように、今後の住居ついてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
記事監修者
ファイナンシャルプランナー
綾目脩志
持ち家のメリットは3つ
持ち家のメリットは、以下の3つです。
- 自分の資産になる
- 改築やリフォームが自由にできる
- 住宅ローン完済後は支出が減る
それぞれ解説します。
①自分の資産になる
持ち家の最大のメリットは、自分の資産になることです。
例えば、将来的にお金が必要になったときに売却したり、融資を受ける際の担保にしたり、子供に家を残したりすることができます。
さらに、住宅ローンが残っている状態でも、住宅ローン残債より上回る金額で売れたり、賃貸として貸し出すことで収益源になったりすることもあります。
賃貸の場合はいくら家賃を支払っても、自分の資産には全くならないため、持ち家ならではの魅力です。
しかし、持ち家を売却する際には、必ずしも購入価格より高い価格で売却できるわけではありません。
特に新築の物件に関しては、一度住んだ時点で中古物件になり、価値は下がっていくことが多いため、持ち家に興味がある方は注意してください。
②改築やリフォームが自由にできる
持ち家は改築やリフォームが自由にできるため、より住みやすい空間に仕上げられるのは大きなメリットでしょう。
なぜなら、購入後にライフスタイルや家庭状況が変化しても、場所を変えることなく、理想に近い家に住めるからです。
例えば、「今は子供が小さいけど、大きくなったら1人部屋を与えたい」という場合は、1部屋を2つに区切れる間取りに設計するなど、家庭状況に合った家にすることができます。
さらに、購入後に「コンクリートむき出しの天井に変えたい」など、デザインを変更することも可能です。
このように、賃貸と比べて自由度が圧倒的に高く、カスタマイズして自分好みの家にできる点は、持ち家ならではのメリットと言えるでしょう。
③住宅ローン完済後は支出が減る
持ち家の場合、住宅ローンを完済してしまえば、その後の住居費の負担をかなり減らすことができます。
なぜなら、毎月の住宅ローンの支払いがなくなり、固定資産税や火災保険料、修繕費の支払いだけで家に住めるからです。
例えば、30歳で35年ローンを組んで持ち家を購入した場合、65歳には住宅ローンの返済が完了するため、定年後の住居費の負担を大幅に抑えることができます。
このように、定年退職して収入が減る時期に、住宅ローンの完済時期を合わせると、資産を取り崩さなくて済むでしょう。
ちなみに、住宅ローンを組む際には「団体信用生命保険(団信)」に加入できます。
団体信用生命保険は、住宅ローンの契約者が死亡したり万が一のことが起きたりした場合、住宅ローンを返済する必要がなくなる仕組みのことです。
そのため、団体信用生命保険に加入していれば、契約者にもしものことがあっても家族は家に住み続けられるため、住宅ローンは安心して組みましょう。
持ち家のデメリット3つ
持ち家のデメリットは以下の3つです。
- 気軽に他の土地に移動できない
- 固定資産税や火災保険料が発生する
- 修繕費が発生する
それぞれ解説します。
①気軽に他の土地に移動できない
持ち家の最大のデメリットは、気軽に他の土地に移動できないことでしょう。
なぜなら、転勤の際や土地に不満ができた場合でも、気軽に引っ越しができないからです。
例えば、転職で勤務地が別の地方になったり、お隣に変な人が引っ越してきたり、日当たりが魅力だったのに近くにビルが建ったりしても気軽に引っ越しはできません。
もちろん自宅を売却することはできます。
しかし、売却する手続きに時間がかかったり、希望する売却価格に届かなかったりすることが多く、賃貸と比べると引っ越しのハードルはかなり高いと言えるでしょう。
②固定資産税や火災保険料が発生する
持ち家を維持するためには、以下の税金や保険料を支払い続ける必要があります。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 火災保険
- 地震保険
固定資産税は、不動産を所有している人に市区町村が課税する税金で、年に8〜15万円ほど納める必要があります。住宅ローンの完済後も毎年納める必要があるため注意しましょう。
そして都市計画税は、都市計画法で定められた地域内にある不動産を所有している人に市区町村が課税する税金で、年に3〜5万円ほど納める必要があります。
また火災保険と地震保険はセットで加入する人がほとんどで、年に1〜2万円ほど支払います。
ただし、自然災害の増加に伴って火災保険は値上げが続いており、今後さらに負担が増える可能性もあるでしょう。
このように、持ち家を維持していくためには、税金や保険料を支払い続けなければなりません。
収入が安定していない人にとっては、大きなデメリットです。
③修繕費が発生する
持ち家に一定期間住み続けると、設備のメンテナンスが必要になるため、修繕費が発生します。
例えば、キッチンは20年ほどでリフォームが必要になったり、お湯を沸かす給湯器は10年ほどで寿命が来たりします。
また、修繕費のおおよその相場を以下の表にまとめたので、参考にしてください。
水回り設備 | 100~200万円 |
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外壁修理・塗装 | 50~300万円 |
屋根修理・塗装 | 50~200万円 |
シロアリ駆除 | 10~20万円 |
フローリング・畳張替え(1畳あたり) | 1~5万円 |
上記の修繕に備えて、マンションでは修繕積立金を毎月支払います。一戸建ての場合は、自身で計画的に貯金をしておく必要があります。
このように、修繕費は決して安いとは言えないため、持ち家ならではのデメリットと言えるでしょう。
持ち家は賃貸よりも安い?シミュレーションを交えて解説
持ち家と賃貸を比べると、持ち家の方が生涯コストを抑えられる傾向があります。
実際にどれくらい費用が異なるのか、以下の条件で試算してみましょう。
- 職業:会社員
- 家族構成:30歳男性、妻、子ども1人
- 世帯年収:800万円
・月15万円の賃貸マンションに50年住む場合
初期費用(賃料3ヵ月分) | 45万円 |
---|---|
賃料(50年分) | 9,000万円 |
契約更新料(2年ごとに1ヵ月分の賃料を払う) | 360万円 |
合計 | 9,405万円 |
・4,000万円の戸建て住宅を購入する場合
初期費用(頭金+諸費用) | 680万円 |
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住宅ローン支払い(金利1.4%、支払期間35年) | 4,555万円 |
修繕費 | 750万円 |
税金(固定資産税+都市計画税) | 560万円 |
合計 | 6,545万円 |
このように、シミュレーションでは持ち家の方が賃貸よりも生涯コストが低いという結果になりました。
しかし、持ち家にはメリット・デメリットがあるため、全ての人が持ち家に向いているという訳ではありません。
そこで、ここからは持ち家に向いている人の特徴と、賃貸に向いている人の特徴をそれぞれ紹介します。
持ち家に向いている人の特徴を3つ紹介
持ち家に向いている人の特徴は、以下の3つです。
- 自分好みの家を作りたい
- 収入が安定している
- 転勤や引っ越しの可能性が低い
まず、持ち家には改築やリフォームが自由にできるというメリットがあるため
「自分好みのマイホームを作りたい!」
という方には持ち家が向いているでしょう。
また、持ち家を購入すると住宅ローンだけでなく、固定資産税や火災保険料、修繕費などの費用が定期的に発生します。
そのため、収入が安定していないと、持ち家を購入するのは厳しいです。
さらに、持ち家では気軽に引っ越しできないため、転勤や引っ越しの可能性が低い方も持ち家に向いています。
持ち家に興味がある方で、上記の特徴に当てはまっている場合は、ぜひ持ち家を検討してみましょう。
賃貸に向いている人の特徴を3つ紹介
賃貸に向いている人の特徴は、以下の3つです。
- いろいろな場所に住みたい
- ローンを抱えることが不安
- ライフプランが定まっていない
賃貸の最大の魅力は、簡単に引っ越しができる点です。
持ち家はお隣に変な人が引っ越してきたり、日当たりが魅力だったのに近くにビルが建ったりしても、気軽に引っ越しできません。
いろいろな場所に住みたい方は賃貸の方が向いているでしょう。
また、持ち家は基本的に住宅ローンを組んで購入するため、収入が不安定な方やできるだけ借金をしたくない方は賃貸の方が向いています。
さらに、ライフプランが定まっていない方も賃貸の方が向いているでしょう。
なぜなら、持ち家の場合は転勤や転職で勤務地が別の地方になっても、簡単に移動ができないからです。
そのため、ライフプランが定まるまでは賃貸に住み、定まってから持ち家を検討することをおすすめします。
まとめ
持ち家には、将来的に自分の資産になったり、改築やリフォームが自由にできたりするメリットがあります。
さらに、住宅ローン完済後は支出が減る点も魅力的です。
そのため、自分好みの家を作りたい方や安定収入がある方、転勤や引っ越しの可能性が低い方に、持ち家は向いているでしょう。
しかし同時に、固定資産税や火災保険料、修繕費が発生したり、気軽に引っ越しができなかったりするデメリットも存在します。
したがって、ライフプランが明確に定まっていなかったり、ローンを抱えることが不安だったりする方は、賃貸を検討しましょう。
また、いろいろな場所に住みたいという価値観の方も、簡単に引っ越しができる賃貸がおすすめです。
このように、持ち家にはメリットもデメリットも存在します。
あなたのライフプランや価値観によって、持ち家に住むべきかどうかは異なるため、後悔しないように比較検討しましょう。
ただし、自分だけで住居について全て考えるのは、不安な方が多いと思います。
そのような際には、一度専門家と面談して、相談してみてはいかがでしょうか。
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まずは一度、ご相談されてみてはいかがでしょうか。