【FP監修】サラリーマンにおすすめの節税方法6選|副業や不動産投資も解説

将来・老後への備え2023.01.19 公開 | 2023/01/19 更新

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日々多額の税金を納めているサラリーマンの中には、節税に興味がある方も多いでしょう。そこで今回は、おすすめの節税方法を、プロがわかりやすく解説します。
「どの節税方法が簡単なのかな」
「少しでも節税できたら嬉しい」
という方にとって、検討の一助となるでしょう。

サラリーマンは税金をいくら払っているの?

日本の平均的なサラリーマンは、年間50〜100万円の税金を払っています。

その中でも、サラリーマンが支払う税金の大部分を占めているのが、所得税と住民税で、年収別の金額は以下の通りです。

年収 所得税 住民税
500万円 14万円 24万円
1000万円 82万円 64万円
1500万円 212万円 111万円
2000万円 374万円 160万円

このように日本では、年収が増えるほど税金の額も増えるため

「少しでも節税できたら嬉しい」

と思っている方が多いでしょう。

そのため、ここからはサラリーマンの方におすすめの節税方法を6つ紹介します。

全サラリーマンにおすすめの節税方法4選

全てのサラリーマンにおすすめの節税方法は、以下の4つです。

  • 確定拠出年金
  • NISA
  • 生命保険料控除
  • ふるさと納税

それぞれ解説します。

確定拠出年金(DC・iDeCo)

確定拠出年金とは、公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に、自分で老後資産を作るための私的年金制度です。

また確定拠出年金の中でも

  • 企業型:企業型DC
  • 個人型:iDeCo(イデコ)

と呼びます。

そして確定拠出年金のメリットは、以下の2つです。

  1. 売却益等が非課税
  2. 所得税と住民税が軽減される

通常は金融商品を運用すると、運用益に20.315%が課税されます。

しかし確定拠出年金の場合、運用益は完全非課税のため、効率的に資産形成ができます。

さらに確定拠出年金で支払う毎月の掛金は、全額所得控除されるため、当年分の所得税と翌年分の住民税が軽減されます。

実際にどれくらいの節税効果があるのか、以下の条件で試算してみましょう。

職業:会社員

年収:500万円

企業型DCの掛金:毎月55,000円

 

企業型DCなし 企業型DCあり 節税額
所得税額 125,400円 91,600円 33,800円
住民税額 222,800円 182,100円 40,700円
合計 348,200円 273,700円 74,500円

上記の結果から分かるように、確定拠出年金によって数万円の節税効果が見込めます。

節税を考えている方は、まずは確定拠出年金を始めましょう。

参考:企業年金連合会|確定拠出年金のしくみ 

NISA

NISA(ニーサ)とは、資産形成をしたい投資初心者をサポートするための、投資非課税制度です。

そしてNISAのメリットは、以下の2つです。

  1. 商品が厳選されている
  2. 運用益等が非課税

NISAの中でもつみたてNISAで投資できる商品は、日本で販売されている約6000本の投資信託のうち、金融庁が認めた217本(3.6%)のみで、投資初心者の方でも運用できる優良銘柄のみが選定されています。

また通常は金融商品を運用すると、運用益等に20.315%が課税されますが、NISAの場合は完全非課税です。

実際にどれくらいの節税効果があるのか、以下の条件で試算してみましょう。

NISAの掛金:毎月30,000円(年間360,000円)

運用利率:3%

運用期間:20年

NISAなし NISAあり
運用益 2,649,060円 2,649,060円
課税額 538,157円 0円
手取額 2,110,903円 2,649,060円

生命保険料控除を受ける

生命保険料控除とは、支払った生命保険料に応じて、その年の所得税と住民税が軽減される制度です。

みなさんも年末調整などで、生命保険に加入しているかどうかを聞かれたことがあるのではないでしょうか。

また生命保険料控除には、2012年以降が契約始期の「新制度」と、2011年以前が契約始期の「旧制度」があり、「新制度」は以下の3つに分けられます。

  1. 一般生命保険料控除
  2. 介護医療保険料控除
  3. 個人年金保険料控除

そして3種類の生命保険料控除は、それぞれ次のように計算されます。

所得税 住民税
年間の支払い保険料 控除額 年間の支払い保険料 控除額
〜20000円 支払い保険料の全額 〜12000円 支払い保険料の全額
20001円〜40000円 (支払い保険料×0.5 +10,000) 円 12001円〜32000円 (支払い保険料×0.5 +6,000) 円
40001円〜80000円 (支払い保険料×0.25+20,000) 円 32001円〜56000円 (支払い保険料×0.25+14,000) 円
80001円〜 一律40,000円 56001円〜 一律28,000円

実際にどれくらいの節税効果があるか、以下の条件で試算してみましょう。

職業:会社員

年収:500万円

年間保険料:一般生命保険料10万円、介護医療保険料4万円

上記の場合、所得税は7,000円、住民税は5,200円、合計1万2,200円の節税になります。

さらに年間保険料が14万円で、3%の運用が出来た場合、節税額も加味すると約12%相当に値する運用となるため、NISAなどと比較しても優れた資産形成と言えます。

生命保険に加入されている方は、ぜひ有効活用してください。

参考:生命保険文化センター|生命保険料控除制度とは? 

ふるさと納税

ふるさと納税とは、自分の住んでいる地域ではなく、応援したい地方自治体に納税ができる制度です。

ふるさと納税は、正確に言うと節税効果はありません。

しかし、以下の2つのメリットがあります。

  1. 日本各地の名産品を楽しめる
  2. 所得税と住民税が減額される

まずふるさと納税をすると、納税額の30%相当のお米やお肉、フルーツなど、その地域の名産品を返礼品として受け取れます。

また、納税額のうち2,000円を超える金額は、翌年の所得税と住民税から減額されます。

例えばですが、

  • ふるさと納税額:年間50,000円
  • 翌年の所得税と住民税の控除額:48,000円
  • 返礼品相当額:15,000円相当

というようなイメージです。

このようにふるさと納税は、実質自己負担額2,000円のみで、地域の名産品がもらえる、非常にお得な制度です。

ただしふるさと納税の上限額は、収入や世帯構成によって異なるため、ご注意ください。

節税を考えているサラリーマンの方は、確定拠出年金の次に、ふるさと納税を始めてみましょう。

参考:総務省|よくわかる!ふるさと納税 

特定のサラリーマンである場合にできる節税方法

サラリーマンの方が特定の場合にできる節税方法は、以下の3つです。

  1. 副業のために法人を設立する
  2. 副業のために個人事業主を開業する
  3. 不動産投資をする

それぞれ解説します。

副業のための法人を設立する

副業をしているサラリーマンの方は、会社に勤めながら法人を設立することで、節税できる場合があります。

副業のための法人を設立するメリットは、以下の2つです。

  • 経費として計上できる
  • 法人税を適用して、納税額を少なくできる

まず法人を設立することで、ジム代などの福利厚生費や家賃、保険料を経費として計上できる場合があります。

さらに副業の収入に、所得税ではなく法人税を適用することで、納税額を少なくできます。

なぜなら、副業の収入額によっては、所得税率が法人税率を上回るからです。

収入別の所得税率と法人税率は、以下の通りです。

収入 所得税率 法人税率
1,000円以上、195万円未満 5% 15%
195万円以上、330万円未満 10% 15%
330万円以上、695万円未満 20% 15%

表から分かるように、副業収入が330万円以上のサラリーマンの方は、法人を設立することで節税になるケースが多いです。

もちろん法人設立の際に、複雑な手続きが発生したり、資本金がかかったりするため、面倒に感じる方は多いでしょう。

しかし、節税効果は大きいため、副業収入が330万円以上のサラリーマンの方は、法人設立を検討してみてください。

※個別税務等につきましては、所轄の税務署や税理士にご確認をお願いいたします。

参考:国税庁|所得税の税率 

参考:国税庁|法人税の税率 

副業のために個人事業主として開業する

副業をしているサラリーマンの方は、会社に勤めながら個人事業主として開業することで、節税できる場合があります。

個人事業主になるメリットは、以下の2つです。

  1. 経費として計上できる
  2. 青色申告ができる

まず副業のために個人事業主として開業することで、消耗品費や旅費交通費、水道光熱費などを経費として計上できます。

さらに個人事業主は、節税につながる「青色申告」ができます。

青色申告とは確定申告の1つで、複式簿記という記帳方法で帳簿を作成することで、最大65万円の所得控除を受けられます。

ただし副業収入が330万円以上の方は、個人事業主として開業するのではなく、法人を設立する方が節税できる場合が多いです。

なぜなら個人事業主が収める税金は「所得税」ですが、副業収入が330万円以上の場合は「法人税」率の方が低くなるからです。

そのためサラリーマンの方の中で、副業収入が330万円未満の方は、個人事業主として開業することを検討してみてはいかがでしょうか。

不動産投資をする

不動産投資では「減価償却」や経費計上で赤字を作り、「損益通算」をすることで、所得税を軽減できる場合があります。

まず減価償却とは、固定資産を購入する際に、費用を一括で計上するのではなく、分割した金額を費用として毎年計上できる仕組みです。

例えば、5,000万円で耐用年数が5年間のマンションAを購入する場合、1,000万円を減価償却費として5年間計上できます。

次に損益通算とは、不動産投資での赤字額を給与所得と相殺することで、表向きの収入を抑える仕組みです。

仮に上記のマンションAを投資用に購入して、家賃収入が600万円、減価償却費が1,000万円とすると、毎年400万円の赤字が発生します。

つまり年収1,200万円のサラリーマンの方の場合は、表向きの収入を800万円(1,200万円ー400万円)に抑えられます。

このように、不動産投資をして表向きの収入を抑えて、所得税を軽減することが可能です。

ただし不動産投資は他の節税方法と比べて、空室リスクや災害リスク、入居者トラブルなど様々なリスクがつきます。

さらに高年収の方でないと、十分な節税効果は見込めないと言われているため、節税に興味があるサラリーマンの方は、まずは確定拠出年金やふるさと納税から始めることがおすすめです。

まとめ サラリーマンの節税方法

全てのサラリーマンの方におすすめの節税方法は、以下の4つです。

  • 確定拠出年金
  • 生命保険料控除
  • ふるさと納税
  • NISA

なぜならこれらの方法は、所得税や住民税を軽減できたり、返礼品を受け取れたりしますが、リスクが少ないからです。

またサラリーマンの方が、特定の場合にできる節税方法も、3つ存在します。

  • 副業のために法人を設立する
  • 副業のために個人事業主を開業する
  • 不動産投資をする

ただし上記の3つは、複雑な手続きが必要だったり、資本金が発生したり、空室リスクが発生したりするため、いきなり取り組むのは難しいでしょう。

そのため節税に興味のあるサラリーマンの方は、まずは確定拠出年金や生命保険の加入、ふるさと納税、NISAから始めてみてください。

しかし自分一人だけで節税について考えるのは、不安な方も多いと思います。

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