【FP監修】うつ病でも入れる保険を5つ紹介!備えておきたい保険もあわせて解説

うつ病に罹患してしまい「うつ病でも入れる保険はあるのだろうか」と不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事では「うつ病でも入れる5つの保険」を紹介します。
筆者が実際にお客様へアドバイスしたことも解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

うつ病でも加入できる5つの保険

この章では、うつ病でも加入できる以下5つの保険を紹介します。

  1. 引受緩和型医療保険
  2. がん保険
  3. 引受緩和型定期保険
  4. 引受緩和型終身保険
  5. 無選択型保険

それぞれの特徴を詳しく解説しているため、自分に必要な保障かどうか確認しながらお読みください。

1.引受緩和型医療保険

持病がある人でも加入しやすい、告知(健康状態の申告)が少ない引受緩和型医療保険はうつ病の人でも加入できます。

医療保険とは、主に入院や手術をしたときに保険金が受け取れる保険です。

告知内容は各社で多少の違いがあり「A社の告知には該当しないが、B社では該当する」ということもあるので、よく見比べる必要があります。

たとえば、以下のような質問に「はい/いいえ」で回答し、「いいえ」であれば保険に加入できます。

  • 現在入院中ではないか
  • 1年以内に医師から入院手術をすすめられていないか
  • 数年以内に病気やケガで入院手術をしていないか
  • 所定の病気(※)で医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがないか

(※)所定の病気は、各社によって違いあり

注意すべき点は、うつ病と同じ精神疾患である「統合失調症」の診断をされていると、引受緩和型医療保険でも原則加入できないことです。

また、持病がある人でも加入できる保険であることから、一般的な医療保険と比べて割高な保険料になります。

2.がん保険

がん保険は、名前の通りがんに特化した保険です。

うつ病でもがん保険に加入できる理由は、以下のとおりです。

  • うつ病とがんでは病気の関連性が薄い
  • がんに関連した告知内容に限定されている

がんは今や2人に1人がかかる病気であり、長期にわたって治療が必要になったり、高額な治療費がかかったりします。

うつ病に罹患していても、がんに対して不安な人や若いうちに備えたい人におすすめです。

うつ病以外に病気がない場合や健康状態に不安がなければ、がん保険の告知に該当しないか確認してみましょう。

3.引受緩和型定期保険

引受緩和型定期保険は持病がある人向けの死亡保険で、定期保険と収入保障保険の2つのタイプがあります。

定期保険 収入保障保険
仕組み 一括受取 毎月受取
特徴 亡くなった時期に関係なくいつでも満額の受取 受け取るタイミングによって受取総額が変わる
契約例

40歳男性

保険期間:60歳まで

保険金額(死亡時の受取金額):1,000万円

受取方法:一括受取

保険期間:60歳まで

保険金額(死亡時の受取金額):月10万円

受取方法:60歳まで毎月受取or一括受取

受取金額

50歳で亡くなった場合)

1,000万円 50~60歳までの10年間:毎月10万円を受取

10万円✕12か月✕10年=総額1,200万円

どちらも掛け捨ての保険のため、途中で解約したり保険期間が終了したりしても返ってくるお金はありません。

できるだけ保険料を抑えられる商品を見つけられるよう、比較検討しましょう。

4.引受緩和型終身保険

引受緩和型終身保険は、持病がある人でも加入しやすい一生涯の死亡保障を備えられる保険です。

いつ亡くなっても死亡保障があること、掛け捨てではなく解約返戻金があることから、保険料が割高な傾向にあります。

うつ病以外にも持病がある人や、年配の方で今後保険の見直しが難しい人は引受緩和型終身保険で備えるとよいでしょう。

  • うつ病の症状が回復するまでの間、死亡保険がほしい
  • 寛解後に保険の見直しをしたい
  • 安い保険料で死亡保障と積立が同時にできるものを選びたい

上記のような人は、引受緩和型定期保険を一時的に加入し、時期をみて一般的な終身保険に見直しできないか検討することを勧めます。

5.無選択型保険

無選択型保険は告知をする必要がないため、引受緩和型の死亡保険や医療保険でも入れないときの選択肢として検討できる保険です。

健康状態に関係なく誰でも加入できるため保険料が割高であり、保障も少なめで一定期間内は保障されないデメリットがあります。

「死亡時や入院時に備えたいが、加入できる保険がない」

というときに検討できる保険です。

健康状態がよくなり、引受緩和型保険の告知に該当しなくなったら、無選択型保険からの見直しを検討しましょう。

保険料も安くなり、その分保障額も大きくできます。

うつ病になると保険に加入できなくなる理由

保険会社の視点で考えると、うつ病の人は入院や通院で治療する可能性が高く、健康な人と比べて「リスクがある人」だと見えてしまいます。

持病がある人と健康な人が同じ保険に加入すると、契約者間の公平性が保てなくなることから、同等の保障に加入することはできません。

うつ病は完治しているかの判断が非常に難しく、再発する可能性があることから、他の病気と比べても診査が厳しくおこなわれます。

よって、うつ病になると保険に加入できなくなってしまいます。

うつ病の人が加入中の保険を見直したいときにやるべきこと

うつ病になってしまったが、なんらかの理由から加入中の保険を見直したい人もいるでしょう。

たとえば、保障内容が古く今の医療事情にあっていない場合や、更新すると保険料が高くなってしまう、などです。

うつ病になると保険に加入しにくくなることから、見直しについて以下の対応策を紹介します。

  1. 加入中の保険をすみずみまで確認
  2. 減額もしくは不要な保険・特約を解約
  3. 新規で加入できる保険と比較

筆者が実際のお客様にもアドバイスさせてもらっていた内容ですので、ぜひ参考にしてください。

1. 加入中の保険をすみずみまで確認

まずは、どんな保障内容になっているかをすみずみまで理解しましょう。

死亡保障・医療保障・特定の病気への保障など「何に対して、どういうときに保障される」のかを確認します。

【支払事由】

どのような状況になったら保険が適用されるのか、支払事由を見てみましょう。

保険加入時からしばらく見直しをしていない場合は、保障内容が古いままの可能性が高いため、今の医療事情に適しているかをチェックします。

せっかく加入していても、保険金を受け取れる条件に当てはまらなければかけている意味がありません。

【いつまで保障されるのか】

種類 内容
一生涯保障(終身) いつ亡くなっても保障がある

保険料がずっと変わらない

葬儀代や死亡整理資金として使える

期間を決めて保障(定期) 保険期間が終わると保障も終わる

新たに保険に加入する、もしくは更新するしかない

一時的に手厚い保障ほしいときに加入する(たとえば、子どもが独立するまで)

何の目的で加入しているのか、いつまで必要な保障なのかを確認します。

【過剰に保険をかけていないか】

  • 不必要なオプションがついている
  • 死亡時の保障額が大きすぎる
  • 子どもが独立後も大きな死亡保険がついている

上記のように、本来不要な部分まで保険に加入していないか確認する必要があります。

無駄にかけすぎてしまわないよう、必要な時期に必要な分だけ保障が用意できるようにしておかなければいけません。

適正な保険期間と保険金額を設定できるように、もう一度自分や家族に必要な保障を考えてみましょう。

2. 減額もしくは不要な保険・特約を解約

うつ病の人が加入中の保険を見直すときは、加入中の保険の中でできることから始めましょう。

  • 不要と感じる保障がある
  • 過剰に保障をかけている

上記のような悩みがある場合、保険金額の減額もしくは保険・特約(オプション)を解約しましょう。

たとえば、以下のような対応方法です。

死亡保険金:5,000万円→3,000万円に下げる

入院日額:10,000円→5,000円に下げる

医療事情にあっていない通院特約を解約する

死亡・医療保障が一体型になっている保険だと、一部の保障が解約できないこともあるため注意しましょう。

加入中の保険で「できること・できないこと」を、証券や当時の見積書・パンフレットをみて確認し、不明点があれば保険会社に確認してください。

3. 新規で加入できる保険と比較

保障が今の医療事情にあっていないときや加入中の保険で減額や解約ができないときは、新規で保険に加入することを検討しましょう。

まずは、引受緩和型の保険と比較してみます。

いくつかの保険で見積もりをとって、保障内容・保険料を比較し、加入中の保険とどちらが納得いく保険になるか確認します。

新しく加入し直すことで保険料が高くなりすぎる場合は、一般的な保険に加入できる症状になるまで待ってから検討するほうが現実的でしょう。

うつ病になったときに加入しておくと助かる保障

うつ病は精神疾患のひとつで、発症する症状はさまざまです。

  • 気分が落ち込む
  • やる気が出ない
  • 眠れない
  • 疲れやすい

脳がうまく働かず、気分や感情のコントロールができなくなります。

精神的・身体的ストレスなどがきっかけで発症するようですが、明確な原因はわかっていません。

万が一今後うつ病になったときのために、用意しておくと助かる保障内容を紹介します。

現時点でうつ病に悩んでいる人や、これから新規で保険に加入しようとしている人の参考になる内容です。

1. 入院・通院

うつ病はほかの病気に比べると長期で入院する可能性が高く、治療費負担が大きくなりやすい傾向にあります。

令和2年患者調査の概況では、以下のデータが確認できました。

病気の種類 入院日数
精神及び行動の障害全体(統合失調症や神経症性障害など含む) 294.2日
気分[感情]障害(躁うつ病を含む) 137.4日

すべての病気に対する入院平均日数が32.3日であることから、どれだけ精神疾患の治療に長期入院が必要かわかります。

治療費自体に高額な費用が発生する訳ではありませんが、入院中にかかるベッド代や食事代、日常生活で使う雑費などにお金が必要です。

筆者も精神疾患ではありませんが持病で3か月入院した経験があり、当時は治療費より生活するためのお金がかかりました。

洗面用具やティッシュ、マスク、コインランドリー、飲み物など毎日必要なものからときどき買わなければいけないものまで費用負担があります。

民間の医療保険に加入していると医療費全体にかかる負担を減らせるため、備えておくと安心できる保障でしょう。

2. 就業不能保障

うつ病は精神的な症状が出る病気なので、これまで通り仕事ができなくなる可能性が高いです。

治療が長期化するほど収入減少は続き、働けないうちは貯金などを取り崩しながら生活しなければいけません。

貯蓄が減る不安や、働けないことで収入が得られない不安を解消するために、就業不能保険を検討しましょう。

就業不能保険には、精神疾患が対象外となる保険もあるので、加入する場合は対象となる病気を確認してから選びます。

うつ病でも入れる保険に関するQ&A

うつ病で保険に加入するときに気をつけておくべきことや、疑問点、参考になる情報を集めています。

  • 告知せずに加入したらどうなる?
  • うつ病になったら保険はおりる?
  • どうしたら通常の保険に入れるようになる?
  • うつ病で助けになる公的保障は?

それぞれ確認しておきましょう。

告知せずに加入したらどうなる?

申告すべき健康状態を隠したり、嘘をついたりして保険に加入すると告知義務違反として最悪の場合保険契約が解除されます。

  • 支払事由に該当していても保険金の支払いがされない
  • 契約解除となったときは支払った保険料が戻ってこない

上記のようなデメリットしかないため、正しく告知をして保険に加入しましょう。

うつ病になったら保険はおりる?

うつ病に罹患する前や告知をしっかりとした上で加入した保険であれば、保険がおりる可能性は高いでしょう。

入院や通院の保障が受け取れる可能性があります。

しかし、入院せずに通院だけで治療している場合は、受取事由に該当せず保険金が受け取れない商品もあります。

どうしたら通常の保険に入れるようになる?

治療終了から5年経過すると、一般的な保険の告知に該当しなくなるため、加入できる可能性が高くなります。

投薬が続いていたり医師の診察を受けたりしている間は完治していないため、告知に該当します。

経過観察中などであれば、症状や投薬治療など総合的に見て特別条件付きで加入できることもあるため、一度手続きできるか保険のプロに相談してみましょう。

保険会社によって健康状態の診査基準は違うため、手続きする前に加入できそうか確認を取ることをおすすめします。

うつ病で助けになる公的保障は?

  • 傷病手当金
  • 障害年金
  • 自立支援医療(精神通院医療費の公費負担)
  • 精神障がい者保健福祉手帳

上記の制度は、うつ病になったときにかかる費用をおさえてくれる働きがあります。

手当としてお金を支給してもらえる、医療費の自己負担が減る、サービスを受けるときに割引が使える、などの補助があります。

うつ病の病状によって認定されるかどうかも変わるため、お住まいの市町村役場窓口に確認してもらいましょう。

まとめ:うつ病でも入れる保険はある!保険選びはFPに相談してみよう

  1. 引受緩和型医療保険
  2. がん保険
  3. 引受緩和型定期保険
  4. 引受緩和型終身保険
  5. 無選択型保険

上記の5つがうつ病でも加入できる可能性が高い保険です。

引受緩和型の保険や無選択型保険は、持病がある人向けの保険であるため、保険料が割高なことや、一部の期間保障がされないことに注意しましょう。

「数多くの保険からどうやって選べばいいかわからない」「契約のしかたがわからない」など不安や疑問がある人は、保険のプロに相談してみることをおすすめします。

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