【FP監修】米ドル建終身保険ってどうなの?リスクは?FPがわかりやすく解説!

外貨建て保険2022.03.15 公開 | 2023/03/25 更新

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今回は、昨今話題になっている「米ドル建て終身保険」について解説していきたいと思います!
「よくネットで話題になっているけど、本当のところどうなの?」「私には向いているの?」「実際に加入した方がいいの?悪いの?」とお悩みの方、必見です!

米ドル建終身保険ってどうなの?リスクは?FPがわかりやすく解説!

 

米ドル建て終身保険とは?

まず、そもそも米ドル建て終身保険とは何でしょうか?

米ドル建て終身保険とは、払い込んだ保険料がアメリカのドルに変換され積み立てられていき、万が一亡くなってしまった時の保障が一生涯(終身)続く保険です。

「アメリカのドルというと、為替の動きが心配…」
「利率が高そうだから、増えるのでは?」
「そもそも換金する時に不便そう…」

私も様々な意見を聞いてきました。

では、実際にどんなメリットがあり、どんなデメリットが存在するのか?
そしてあなたには向いているのか?
解説していきたいと思います!

加入するメリット

 

銀行預金よりも高い利率で運用することができる。

まず一番のメリットとしては、金利が高いことです。

2021年5月現在、日本の銀行預金金利は0.001%です。例えば100万円を一年間預けていても約10円しか増えない数字です。

ですが、米ドル建て保険はアメリカの国債等で運用されるため、2~3%ほどで持つことができます。
長い間置いておくお金に関しては、この金利の差が大きく作用してきます。

例:30歳 男性 毎月3万円積み立てる場合(合計1,260万円)*1

銀行預金 米ドル建て終身保険*2
利率 0.001% 3%*3
65歳時の金額 12,602,160円 142,977.16ドル(約1,429万円*4)

*1:米ドル建て終身保険の場合、毎月の積み立て金額は300.4ドル(約3万円*4)
*2:メットライフ生命 ドルスマートの場合
*3:契約期間中、常に3%で固定されていると仮定
*4:$1=\100の場合

銀行の場合は2,160円しか増えていないですね…。
ですが、保険で積み立てをした場合、預入金額の一部が保険関係費として控除されてしまいますが、それでも約200万円増えていることが分かります!

また、保険で積み立てることで、約2,000万円の死亡保障を同時に持つことができます!

 

円建て終身保険にくらべ、少ない金額で大きい保障を持つことができる。

利率が高いという事は、上記のメリットに加え、より低い金額で大きな保障を持つこともできるというメリットもあります。

例:30歳 男性 保障期間60歳 の場合

円建て終身保険*1 米国ドル建て終身保険*2
死亡保障 1,000万円 100,000ドル(約1,000万円*3)
保険料 27,670円 166.60ドル(約16,660円*3)

*1:東京海上日動あんしん生命 長生き支援終身の場合
*2:メットライフ生命 ドルスマートの場合
*3:$1=\100とした場合

おおよそ同じ金額の死亡保障を持つのに、約1万円以上、約60%の差があります。
為替の影響を受けたとしても、大幅な節約になりそうですね!

 

保険料控除が使える

また、保険としてのメリットとして「保険料控除」があります。

毎年保険料として支払った金額の一部が年収から控除され、所得税や住民税が安くなるという事です。

例えば、年収500万円、毎月1万円を外貨建て終身保険で積み立てている方の場合、
4万円所得を下げることができ、年末に所得税が約8,000円返ってきて受け取ることができます。

つまり、ただ保険として積み立てるだけで、運用成績に関わらず、約6%の利益を毎年必ず得ることができるのです。

また、保険料控除には全部で3種類あります。
一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金控除です。

各項目、最大年間8万円の預け入れで、4万円の所得控除ができます。
3項目全て使えば、最大12万円の所得控除になります!年間の所得税だけを考えても、年収500万円の方の場合、約2万4,000円が毎年受け取れるようになります。

これだけでも保険をやる価値はありそうですね!

 

デメリットとリスクについて

もちろんデメリットやリスクも存在します。

 

為替の影響を受ける。

まず一番のリスクと言えば、為替の動きによって毎月の預け入れ保険料や、保証金額、解約返戻金額が変動することです。

例:保険料166.6ドル/月 死亡保障100,000ドル 65歳時の解約返戻金額77,620.54ドルの契約の場合

保険料 死亡保障 解約返戻金
$1=\80 13,328円 800万円 6,209,643円
$1=\100 16,660円 1,000万円 7,762,054円
$1=\120 19,992円 1,200万円 9,314,465円

少し大げさな例ですが、為替の変動によってこのように変化します。

為替の動きは、悪い方向だけでなく良い方向にも作用しますが、

「絶対に受け取らなければいけない、最低限の死亡時の保障金額」
「家計を1,000円単位で管理していて、その動きが気になってしまう方」

など“確定できない部分”を許容できない性質の資金、または性格の場合は、米ドル建ての保険はあまり向いていないかもしれませんね。

 

短期解約による元本割れリスク

また、保険の一番のデメリットと言えるのが、「短期解約」です。

商品にもよりますが、おおよそ10年未満での解約は、基本的に解約時受け取れる金額が払込金額を下回ってしまいます。また、解約控除と言って、短期解約時の手数料がかかるケースもあります。
最低でも10年ほどは無理なく続けられる金額を設定することが大切です。

ただ、逆に言えば10年以上の拘束力があるとも言えます。
「自分の意志じゃ全然貯金できないんだよなぁ。」なんて方は、このような仕組みで自分に強制力を持たせてもいいかもしれませんね!

 

円建てとどちらがおすすめ?

保険にはさまざまな形の商品がありますが、

  • 「死亡時の一時金の保障を効率よく持つ場合」
  • 「保障を持ちつつ長期の資産運用をする」

こういった場合は、米ドル建ての保険の方がメリットが大きいと思います。

逆に、「残された家族の最低限の生活費への備え」など、日本円でしっかり確定しておきたい場合は円建ての保険を検討されると良いと思います。

一番大切なことは、“目的をしっかり持つ”ことです。
どの商品にもメリットもあり、デメリットもあります。

「商品のどこの部分が優れていて、どこが劣っていて…」と考えるのではなく、
「自分にはこういう準備が必要だから、この特徴のあるこの商品が合いそうだ!」という風に、自分に合った選択をしましょう!

 

米国建て終身保険が向いている人、向いていない人

では実際、米国ドル建て保険にはどんな方が向いているかというと…

・老後へ向けた“堅い”資産形成をしたい
・家族への備えを少ない保険料で持ちながら、銀行より大きい利率で保有したい
・産まれたばかりのお子様の、将来の学費の積み立てをしたい
・どうせ使い道の決まってない貯金だし、少しでも税金を抑えたい

こんなお考えを持っている方は、米ドル建て終身保険と相性が良いと言えるでしょう!

しかし…

・今の生活にあまり余裕がない
・10年以内くらいに使い道の決まっている資金を、どこに置こうか考えている
・多少の変動も許されない、最低限の備えを準備する必要がある

このような方は米ドル建て終身保険はあまり向いていないと言えます。

 

まとめ

今回は「米ドル建て終身保険」にフォーカスを当て、解説をしてきました。

米ドル建て終身保険とは、預け入れたお金がアメリカのドルに変換され、積み立てられていく保険。

・メリット

2~3%ほどで運用できる。
日本円に比べ、安く保障を持つことができる。
保険料控除を使える。

・デメリット

為替の影響を受ける。
短期解約は基本的に損してしまう。

いかがでしたでしょうか?

今後の人生において、あなたの目的を達成するために必要と思ったら、是非一度検討されてはいかがでしょうか?

また、保険商品は他にもたくさんあります。さらに言うと、保険以外にもたくさん手段はあります。
自分の保有資産の状況や、今後の人生の目的、夢に合わせて組み合わせていってみてください。

もし、「そうは言っても、私じゃよく分からない…」
「結局私は何をすればいいの?」
「今後の人生の出費も分からないのに、どう将来の事を考えればいいの?」
と思われたら、是非一度ご相談ください!

「まずは気軽に保険のことを相談してみたい!」という方にお勧めなのが、Moneypediaのオンライン保険相談サービスです。
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