【FP監修】外貨建て保険の手数料って実際どのくらい?リスクや手数料を低くする裏技を徹底解説

外貨建て保険2022.03.15 公開 | 2023/03/25 更新

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マイナス金利政策の影響もあり、資産形成目的で利用する方も多い外貨建て保険。
しかし、意外と見落としがちなポイントとして手数料があります。
今回は具体的な手数料について、まあその手数料を低くするポイントを徹底解説します。

外貨建て保険とは?

外貨建て保険とは、外国通貨で保険料を支払ったり保険金を受け取ることのできる生命保険です。

日本円よりも金利の高い、米ドルや豪ドルを用いるで、より効率よく資産を積み立てていくことができます。

万が一の保障としての役割はもちろんのこと、マイナス金利が続いている日本において、高金利の外貨で運用する外貨建て保険は、非常に有効な貯蓄方法として注目を集めています。

一方で、近年外貨建て保険に対するクレームや危険性を謳う記事やニュースが散見しています。

この原因としては手数料の説明不足が挙げられます。

外貨建て保険の手数料について詳細に説明する担当者が少ないという現実があるのです。

そこで今回、具体的にどんな種類の手数料がかかるのか、また手数料を低くする裏技、外貨建て保険を検討するときの注意点を解説します。

 

外貨建て保険の手数料とは?

外貨建て保険は、外貨で保険料を支払い、保険金や満期保険金、解約返戻金を外貨で受け取る保険です。

しかし、日本で生活している限りほとんどの方は、外貨で支払い、外貨で受け取ることは不便に感じると思います。

そのため設けられているのが、「円貨支払特約」や「円貨入金特約」です。

この特約を付帯することで、日本円で支払いや受取りを行うことができます。この「円から外貨」「外貨から円」で生じるのが為替手数料になります。

 

為替手数料とは?

上記でお伝えした通り、外貨建て保険は、保険料を支払う際に、日本円から一度外貨へ換金して支払います。

同様に保険金や満期保険金、解約返戻金を受け取るときも、外貨から日本円へ換金して受け取る必要があります。

為替手数料とはこの換金に対してかかる手数料ですので、支払いにも受け取りにも手数料がかかるということになります。

例えば、外貨建て保険の保険料の支払いを月払いで100ドル、円預金から口座振替で行うとします。

1ドル110円だった場合

その月の保険料は単純計算で

100ドル×110円/ドル=11,000円

となります。

1ドルあたり、0.5円の為替手数料が発生する場合

実質契約者が負担する払込保険料は、

100ドル×110.5円/ドル=11,050円

となります。

つまりこの例で言うと、一回の保険料払い込みで50円の為替手数料が発生している計算になります。
また、為替手数料は支払い時だけでなく受け取り時にも同じことが言えますので、発生した手数料を引いた金額が口座に振り込まれるということになります。

ちなみに、契約者貸付制度(解約返戻金から貸付を受けることのできる制度)を利用する場合も、日本円で受け取る際には同様に為替手数料がかかりますので注意しましょう。

 

実際の為替手数料は?

為替手数料は銀行や保険会社によって異なる設定をしています。

なので外貨建て保険の加入を検討される場合は、各社の為替手数料を把握したうえで、手数料が少ない会社の商品を選択するのも一つの検討材料となるでしょう。

ほとんどの場合、銀行で日本円をドルに換金する際の手数料は1ドルあたり1円です。
また、保険会社では1ドルあたり0.5円です。

ただし、保険会社によっては1ドルあたり0.01円と、為替手数料が比較的安価なものもあるので、保険選びの参考にしていただければと思います。

 

保険料に内在する手数料についても解説!

為替手数料の他にも手数料は存在し、それは支払う保険料に内在しています。
では、保険料の具体的な内訳はどんなものなのでしょうか?

保険料は2つの大きな要素で成り立っています。それは「純保険料」と「付加保険料」です。
大まかに言うと、純保険料は、将来の保険会社が支払うお金のに備える部分で、付加保険料は、保険会社の事業のための経費となる部分です。

付加保険料の計算には、代理店手数料運用手数料も含まれます。
これらの手数料は為替手数料とは異なり、保険料の中に含まれていて具体的な数字で示されていないため、見逃されがちになっているのが現状です。

しかし、運用手数料だけで計算すると、大体6~8%と言われており、他の投資信託などの運用手数料と比較すると非常に高額です。

とはいえ、外貨建て保険はあくまでも死亡保障のためのものです。

支払う保険料よりも大きな保障がある分、運用費用が掛かるのは避けられないものですが、加入を検討される際には見逃せない点です。

 

早期解約に注意!解約控除とは?

ここまで紹介した手数料の他にも、解約時にも解約手数料がかかる場合があります。

それは解約控除と呼ばれるものです

解約控除とは、解約や失効、払い済み保険への変更をした際に受け取る解約返戻金から、解約手数料として解約控除金が差し引かれることです。

一般的には契約してから10年未満の解約では解約控除されることがほとんどです。

そのため、外貨建て保険はあくまでも長期的な目で資産を作ることを念頭に置き、早期解約がないよう計画的に検討しましょう。

 

手数料を低くするには?裏技を解説!

ここまでで、外貨建て保険にかかる手数料について解説してきました。

外貨建て保険の加入を検討するにあたり、可能な限り手数料の低い保険に入ることが重要ですが、ここからはそんな手数料を減らす方法について解説していきます。

 

支払回数を減らす

上記で解説したように、保険料を支払う際、日本円から外貨へ換金するために為替手数料がかかります。
しかし、保険料の支払い方法は月払いの他にも、半年払い、年払い、一時払い(一括払い)があります。

支払方法が少ない方が保険料がお得になる保険が多いため、その分かかる為替手数料も小さくなるのです。

 

為替手数料の低い銀行で外貨預金口座を開設する

外貨建て保険の保険料を円預金口座からではなく、外貨預金口座から支払うことで、保険料支払いにかかる為替手数料をなくすことができます

もちろん、日本円を外貨預金口座に入金する際には銀行の為替手数料が発生します。

なので、外貨建て保険よりも為替手数料が低い銀行で日本円をドルに換金し、その口座から支払いをしていくことで、為替手数料を減らすことができます。

また、保険会社によって、支払い可能な外貨預金銀行口座が異なってくるのでそちらにも注意が必要です。

 

支払方法をクレジットカード払いにする

外貨建て保険によっては、保険料をクレジットカードで支払いすることの可能です。

更に、マニュライフ生命などの一部の保険会社ではクレジットカード払いをした際に余計な為替手数料がかかりません。

また、クレジットカードはそれぞれのカード会社が設定した還元率で、カード使用料に合わせて契約者にポイントを付与します。
クレジットカードのポイントは、ネットでの買い物や商品券、旅行に使えるマイルなどに交換することができるため、クレジットカードで支払う事により手数料が無くなるわけではありませんが、この方法はかなりお得な方法です。

 

まとめ

以上、外貨建て保険にかかる手数料について詳しく解説しました。

外貨建て保険は円建て保険よりも金利が高いためそちらに着目しがちですが、その裏で為替手数料がかかっていることなどが見落とされていたり、保険募集人の説明不足により、理解されていない現状があります。

特に為替手数料に関しては、保険によっては、1ドルあたり0.01円~0.5円ほどの幅がありますので、加入を検討される際には大いに参考にすべきです。

外貨建て保険は貯蓄性商品とはいえ、あくまでも保険です。

保障金額や予定利率を勘案したうえで、なるべく手数料の低い商品、より効率的な支払方法をしっかり検討する必要があります。

また、多くの難しい判断材料がありますので、プロの金融アドバイザーに相談をして加入するのも一つの手段でしょう。

 

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