【FP監修】生命保険の配当金ってなに?仕組みや平均額、税金までわかりやすく解説!

保険の基本を知る2022.12.08 公開 | 2022/12/22 更新

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生命保険に加入すると「配当金をもらうことができる」という話を聞かれたことがある方もいるのではないでしょうか。
しかし商品によって配当が出たり出なかったり、出るものの中でも配当率が変わったりと少しややこしいかもしれません。
今回は保険の専門家がわかりやすく解説していきます!

生命保険の配当金とは?

相互会社の保険だと支払われることがある

生命保険契約の中には、加入をすると配当金といって一定期間ごとにお金を受け取ることが出来るものが存在します。

配当金と聞くと、例えば株式を保有している際に、株主還元として受け取れる株主配当をイメージする方が多いかもしれません。

生命保険の配当金とは、契約者から集めた保険料をもとに保険会社が企業運営をし、剰余金を事後精算として一定期間ごとに契約者に対して還元する仕組みです。

保険会社は

  • 相互会社:日本生命保険相互会社、明治安田生命保険相互会社など
  • 株式会社:第一生命保険株式会社、アクサ生命保険株式会社など

という2つの形態にわけられますが、保険契約に加入して配当金が支払われるのは相互会社での保険契約です。

 

生命保険の配当金の仕組み

まず生命保険の保険料は3つの数字

  1. 予定死亡率
  2. 予定利率
  3. 予定事業費率

をもとに算出されます。

 

①予定死亡率

過去の統計をもとに、性別や年齢によって死亡者数を予測して保険契約の為に必要な保険料を算出します。

この計算に用いる死亡率を、予定死亡率と言います。

 

②予定利率

生命保険会社は、お客様から集めた保険料を資産運用することによって運用収益を見込んでいます。

この運用結果によって保険料を割り引きますが、割引率を予定利率と呼びます。

 

③予定事業費率

保険会社が会社運営を行う上で必要な経費をあらかじめ見込んで保険料に組み込みます。

この割合を予定事業費率と言います。

保険会社の利益とは?3利源について解説

しかし、実際には予定した通りの死亡者数、運用結果、事業費になるとは限りません。

その結果、保険会社に利益剰余金が生じることがあり、それらを3利源と言います。

  • 死差益・・・予定死亡率によって見込まれた死亡率よりも実際の死亡者数が低かった場合に発生する利益
  • 利差益・・・予定利率によって見込まれた運用収入よりも実際の運用収入が多くなった場合に発生する利益
  • 費差益・・・予定事業費率によって見込まれた事業費よりも実際の事業費が少なかった場合に発生する利益

この3利源によって剰余金が生じた場合、保険会社は契約者に剰余金を還元することがあります。

それを配当金といいます。

 

有配当保険と無配当保険の違いは?

保険契約は配当の有無によって

  • 有配当保険:配当金が出る保険
  • 無配当保険:配当金が出ない保険

に分類されます。

 

有配当保険

有配当の保険には3利源配当タイプと利差配当タイプがあります。

 

3利源配当タイプ

3利源配当タイプとは、3つの予定率と実際の結果との差によって生じる損益を集計し、剰余が生じた場合に配当金を出す仕組みです。

 

利差配当タイプ

予定利率と実際の運用成果との差によって生じる毎年の損益を一定年数ごとに通算して余剰が生じた場合配当金を出す仕組みです。

 

無配当保険

無配当保険とは、文字通り配当金がない保険です。

しかし配当金が支払われない代わりに有配当保険に比べて保険料は割安となることが一般的です。

 

配当金の受け取り方法は4つある

配当金の受取方法には下記の4つの方法に分かれます。

受取方法は契約時に選べますが保険の種類によっては予め受取方法が決まっており、選べないケースもあるので確認が必要です。

 

積立配当

銀行預金の利息のように、配当金を保険会社に預け一定の利息で積立てる方法です。

積み立てた配当金を途中で下すことも出来ます。

また、満期や死亡の際には保険金と一緒に受け取ることも出来ます。

 

保険の買い増し

配当金を一時払の保険料として保険を買い増していく方法です。

この場合、保険金額が増え、保障を厚くすることができます。

一般的には終身保険や養老保険など、資産性のある保険で用いられることが多いです。

 

保険料の相殺

配当金を、これから払い込む保険料に充てて相殺する方法です。

保険料が割り引かれます。

 

現金支払い

配当金を現金で受け取る方法です。

主に団体契約の保険契約で用いられるもので、個人契約では用いられることがあまりありません。

 

配当金の受取時期は3つある

配当金を受け取れる時期は主に3つです。

  • 毎年配当
  • 3年毎配当
  • 5年毎配当

またこれらとは別で特別配当といって、10年以上などの長期継続者に対して特別に配当金が支払われるものも存在しますが、あまり一般的ではありません。

配当金には税金がかかる?

生命保険の配当金には基本的に税金は掛かりません

しかし配当金を受け取るタイミングや形態によっては、課税対象になりますので、下記でご紹介します。

 

※2022年12月の執筆時点での法令をもとに解説しておりますが、個別税務につきましては所管の税務署でご確認をお願い致します。

 

契約期間中の受取

契約期間中に配当金を受け取った場合は課税されません。

しかし、生命保険料控除を計算する際は支払保険料から配当金額を差引いた金額で申請する必要があります。

この場合は毎年10月ごろに送られてくる保険料控除証明書を確認することが重要です。

 

保険金と同時に受取

保険料と配当金を同時に受け取った場合は、保険金額に配当金額を足したものに課税されます。

課税形態については、一時所得・贈与税・相続税など契約形態によって異なりますが、配当金は保険金の額に含まれてまとめて課税対象になります。

参考:国税庁 

 

生命保険の配当金の税金の注意点

生命保険は契約者と保険金を受け取る人の関係が親子なのか夫婦なのかなどの契約形態によって、税金の種類が相続税か贈与税、一時所得などに変わってきますので注意しましょう。

詳しくは生命保険会社や担当者、所管の税務署へご確認をお願い致します。

有配当と無配当、どちらがいい?

一概に申し上げることは出来ないため、よく比較検討をして選択することが重要です。

 

有配当保険のメリット・デメリット

メリットとしては、配当がもらえることですが、デメリットとしては保険料が割高になりがちであったり、予想していた配当がもらえないことが挙げられます。

 

無配当保険のメリット・デメリット

メリットとしては、保険料が割安であること、デメリットとしては配当が出ないことが挙げられます。

 

生命保険の配当金についてのまとめ

ここまで配当金について受取方法や税金について細かく説明してきましたが、保険の配当金とは、保険契約者が3つの利率をもとに生じて分配される剰余金のことです。

受取時期や受取方法は様々で、そこにかかってくる税金も人それぞれなので自分で考えるよりも何がベストなのか、専門家の方に相談してみてはいかがでしょうか。

「まずは気軽にお金のことを相談してみたい!」という方にお勧めなのが、MoneypediaのオンラインFP相談サービスです。

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まずは一度、ご相談されてみてはいかがでしょうか。

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