【FP監修】賃貸のメリットは?持ち家と比較してどちらが得?
賃貸と持ち家のどちらを選ぶべきか迷っている人がいるでしょう。
住宅資金は、人生の三大資金のひとつです。
そこで今回は賃貸のメリットについてまとめました。
あなたにとって住宅購入が最善の選択なのか、一度考えてみてはいかがでしょうか?
今後の住宅選びの参考にしてください。
記事監修者
マネーペディア株式会社
嶋 時生
これでわかる賃貸と持ち家のメリット・デメリットの比較表
賃貸と持ち家のどちらを選ぶべきなのかがわかりやすいように、以下の表にまとめました。
まずはこちらの表で、賃貸と持ち家のメリット・デメリットを比較してみてください。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
持ち家 | ・自分の資産になる
・自分好みの家づくりができる |
・引っ越しが難しい
・住宅ローンがプレッシャーになる |
賃貸 | ・引っ越ししやすい
・環境の変化に対応できる ・初期費用が安い ・メンテナンス費用が不要 |
・自分の資産にならない
・家賃を払い続ける必要がある |
賃貸のメリット は4つ
持ち家と比較した賃貸のメリットは、柔軟性があることです。
環境やライフスタイルの変化に柔軟に対応できるのが賃貸の特徴です。
社会や環境の変化にともない、あなたの考え方も置かれる状況も変わりますから、時代に合わせて住宅環境を変化させることができるのは大きなメリットです。
次にそれぞれのメリットについて、個別で解説していきます。
賃貸のメリット①:引っ越しがしやすい
賃貸の最大のメリットは、自由に引っ越しができることです。
持ち家だからといって引っ越せないことはありませんが、引っ越す場合は持ち家をどうするかという問題を避けて通ることはできません。
たとえば、以下のような引っ越しの理由が考えられます。
- ライフスタイルの変化
- 家族の介護
- 隣人トラブル
ライフスタイルの変化
結婚したり、子どもが生まれたりすると、家族構成が変わります。
今住んでいる家が手狭になると広い家への引っ越しを検討するでしょう。
家族の介護
離れて暮らす家族が、思ってもいなかったタイミングで体調を崩し、介護が必要になることがあります。
持ち家であれば、引っ越すにあたって、今住んでいる家を売ったり貸したりすることを検討しなければいけません。
隣人トラブル
持ち家の場合、トラブルが発生して隣人と不仲になっても、簡単に引っ越すことができません。
あなたが家を建てた当初は問題がなくても、数年後に引っ越して来た隣人とトラブルになることもあるでしょう。
賃貸のメリット②:環境の変化に対応できる
環境の変化に柔軟に対応できるのも賃貸のメリットです。
環境の変化は大きくわけて2つが考えられます。
- 住宅周辺の環境の変化
- あなた自身の変化
住宅周辺の環境の変化
住宅購入当初は、落ち着いた住宅街で周辺環境が良くても、時が経つにつれて、近くにマンションや商業施設が建ち、騒々しくなることがあります。
この先何十年も住むにあたって、今の周辺環境が変わらないとは考えにくいでしょう。
賃貸であれば、治安が悪くなった、不便になったと感じたら、すぐに引っ越しを考えることができます。
あなた自身の変化
リモートワークが進み、地方移住を考える人も増えています。
この先ずっと都会に住みたいと思っていたけれど、やっぱり落ち着く地元に帰りたいと思うこともあります。
賃貸は、自分が住んでみたい地域、理想とするライフスタイルに合わせて、住宅環境を変化させることができます。
社会や環境の変化にともない、自分の考えが変わることは十分にありえますが、賃貸であれば、その時々の変化に柔軟に対応できます。
賃貸のメリット③:初期費用が安い
賃貸は、初期費用が安いです。
たしかに賃貸でも引っ越すにあたって、敷金や礼金、保証会社の費用など、数十万円の負担があります。
いくら月々の家賃が安くても、初期費用が0円ということはまずありません。
しかし、住宅購入のローンの頭金を考えれば安いものです。
ローンの頭金は、数十万円で収まることはありません。
物件価格にもよりますが、数百万円から、場合によっては数千万円を用意する必要があります。
ある程度の資金が貯まっていなければ用意することが難しい額です。
人生の三大資金は以下の3つがあります。
- 住宅資金
- 教育資金
- 老後資金
教育資金と老後資金を確保しながら、住宅購入の頭金として数百万円を用意するのは、簡単なことではありません。
賃貸のメリット④:メンテナンス費用が不要
賃貸の場合、メンテナンス費用を心配する必要がありません。
家は、長く住もうと思うとメンテナンスが必要です。
持ち家は経年劣化することもあれば、自分のライフスタイルの変化にともない、改築が必要になることがあります。
20代で建てた家に80代になっても住む場合、手すりをつけたり、段差をなくしたりと、バリアフリーを意識した家に改修する必要があります。
また、水回りが老朽化したり、時代に合わせてリノベーションしたりすることもあるでしょう。
その場合、持ち家だとすべての費用を自分でまかなわなければなりません。
今後の自分のライフスタイルを考えたうえで、資金を捻出してメンテナンスする必要があるのです。
賃貸であれば、その時々の自分にあった家を選んで引っ越すことができるので、メンテナンス費用を心配せずとも生活できます。
賃貸のデメリット
賃貸にもデメリットはあります。
- 自分の資産にはならない
- 家賃を払い続ける必要がある
自分の資産にはならない
同じ家を長く借りて住み続けたとしても、その家が自分の資産になることはありません。
家賃を払い続ける必要がある
持ち家はローンを完済すれば、メンテナンスや税金以外での費用負担はありません。
しかし賃貸の場合は、生きている限り、家賃を払い続ける必要があります。
家を借りようと思っても、高齢であることを理由に、そもそも審査に通らない可能性があります。
持ち家のメリット
持ち家のメリットは、以下の2つです。
- 自分の資産になる
- 自分好みの家づくりができる
自分の資産になる
その後の人生で、家賃を払うことなく家に住み続けることができるので、賃貸に比べて経済的な負担は軽減されます。
自分好みの家づくりができる
ライフスタイルに合わせて家を建て替えたり、リフォームしたりすることもできるので、自分好みの家をつくることができます。
持ち家のデメリット
持ち家のデメリットは、以下の2つです。
- 引っ越しが難しい
- 住宅ローンがプレッシャーになる
引っ越しが難しい
引っ越しをする場合は、持ち家を売ったり貸したりすることを考える必要があります。
必ずしも売れたり、貸したりできるわけではないため、思うような結果にならないこともあります。
住宅ローンがプレッシャーになる
ローンを払い続けることがプレッシャーになる人もいるでしょう。
収入が不安定になったり、給料が減額されたりすると、今後も同じ金額を払い続けることが難しくなることがあります。
賃貸に向いている人
賃貸に向いている人は、ライフスタイルに合わせて、柔軟に生活を変化させたい人です。
とくに若い人は、今後の人生がどう転ぶかわかりません。
結婚
一生独身でいたいと考えている人でも、5年後に結婚する可能性があります。
絶対に同じ場所に住み続けると断言できる人は少ないでしょうから、住宅を購入することはリスクになります。
移住
年齢を重ねることで、都市部から地方に移住したいと考える人もいます。
地方であれば家賃や物価が安いので、同じ家賃を払って、より広くて立地の良い住宅に住むこともできます。
近年は地方移住が話題になっているので、今後も希望する人が増えてもおかしくないでしょう。
社会や環境の変化に柔軟に対応したいと考える人は、持ち家よりも賃貸が向いています。
老後の生活では賃貸と持ち家どちらが安心?
では、老後の生活を考えるにあたって、賃貸と持ち家とでは、どちらが安心なのでしょうか。
結論は、あなたが理想とするライフスタイルによります。
今後も家賃を払い続けられる人
今後も家賃を払えるだけの収入が見込めるのであれば、賃貸のほうがメリットはあるかもしれません。
たとえば、結婚して子どもがいる家庭の場合、子どもが独立したあと、持ち家で広い家に住むのはメンテナンスの面から大変なことも多いです。
子どもが独立するまでは賃貸に住み、老後に住宅購入をするという手もあります。
老後の家賃が不安な人
先のことはわからないので、老後の家賃負担がどうしても不安な人は、持ち家を選んだほうが安心して生活ができるでしょう。
若いうちにローンを組めば、早い時期にローンを完済できるので、住宅について費用で心配することなく生活できます。
賃貸 or 持ち家? のまとめ
賃貸と持ち家、どちらにもメリット・デメリットがあることがわかりました。
住宅は大きな買い物ですので、後悔しないためにも、よく考えて判断する必要があります。
まだ住宅購入を迷っているのであれば、しばらくは賃貸で生活し、気に入った土地や家を見つけたタイミングで住宅購入に踏み切ってもよいかもしれません。
住宅選びに正解はありませんので、あなたのライフスタイルにあった選択をしてほしいと思います。
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