【FP監修】外貨建て保険の解約返戻金を効率的に増やすには?裏技を徹底解説
高い解約返戻率が人気の外貨建て保険ですが、更に返戻率を上げる裏技があるのはご存知ですか?
貯金代わりに外貨建て保険を契約する方は多いと思いますので、同じお金を払うなら、返戻率が高い方がいいですよね。今回は外貨建て保険の解約返戻金の増やし方をまとめました。
記事監修者
ファイナンシャルプランナー
前田 隆
外貨建て保険を活用する裏技とは?
マイナス金利が長く続いている近年、お金の置き場所に困っている方も多いのではないでしょうか。そんな中で人気を集めているのは外貨建て保険です。
外貨建て保険とは、外国通貨で保険料を支払ったり、保険金を受け取ったりする貯蓄型の保険です。日本円よりも金利の高い米ドルや豪ドルを用いることで、高い利率で効率よく資産を積み立てていくことができます。
また、万が一のための保障としての役割はもちろんのこと、老後の資産運用としても非常に有効です。外貨建ての場合、保険を解約したときに受け取れる解約返戻金は支払った保険料を大きく上回ります。今回はドル建商品の中でも非常に人気の高い、メットライフ生命の「ドルスマートS」というドル建終身保険を例に解説します。
商品の特徴
保障内容は、死亡または高度障害状態に該当した場合に保険金を受け取ることができます。30歳男性を例に実際に以下の条件でシュミレーションをしてみました。
契約年齢・性別 | 30歳男性 |
払込期間 | 60歳まで |
保険金額 | 61,000米ドル |
月額保険料 | 95.16米ドル |
※低解約返戻金特則を付加したシュミレーションです。
上記の表の例では、30歳男性が95.16米ドルの保険料で払込期間60歳までのプランに加入した場合、死亡保険金として61,000米ドルを準備することができます。
つまり、毎月約1万円の保険料で、保険金約610万円の保障を一生涯持つことができます。
また、ドルスマートSの場合、積立利率は米国の経済状況を反映して毎月変動しながら運用されていきます。年2.5%を最低保証されていますので、円建てに比べより高い利率で安定的に貯蓄していくことができます。
次に解約したときに受け取れる、解約返戻金について見ていきます。
解約返戻率
30歳・40歳・50歳の男性で月額保険料約1万円という3パターンの条件で設計して見ていきます。
詳しい設計は以下の通りです。
契約年齢・性別 | 30歳男性 | 40歳男性 | 50歳男性 |
払込期間 | 60歳まで | 60歳まで | 60歳まで |
保険金額 | 61,000米ドル | 37,000米ドル | 17,000米ドル |
月額保険料 | 95.16米ドル | 95.05米ドル | 95.18米ドル |
80歳時点の返戻率 | 149.9% | 136.6% | 125.3% |
※低解約返戻金特則を付加したシュミレーションです。
契約年齢が30歳男性の場合、80歳時点で149.9%もの返戻率です。
支払った保険料が1.5倍となって返ってくる計算になります。
また、契約年齢40歳の場合でも136.6%、50歳でも125.3%と、かなり高い返戻率であることがわかります。
より解約返戻金を増やすには
より解約返戻金を増やすには、支払保険料を割り引くことで返戻率を上げることができます。
その方法として、年払いと前納という払込方法を月払いと比較して解説していきます。
年払い
保険料を毎月支払うのではなく、年に一度まとめて支払っていく方法です。
月払いよりもトータルで支払う保険料が割り引かれ、返戻率を上げることができます。
前納
前納は保険料の一部を初回で一度に支払う方法です。
ドルスマートSの場合、10年分の保険料を前納することができます。
月払い・年払い・10年前納の3パターンの支払い方法を比較すると以下の通りです。
月払い | 年払い | 10年前納 | |
契約年齢・性別 | 30歳男性 | 30歳男性 | 30歳男性 |
払込期間 | 60歳まで | 60歳まで | 60歳まで |
保険金額 | 56,000米ドル | 56,000米ドル | 56,000米ドル |
保険料 | 96.26米ドル/月 | 1,104.26米ドル/年 | 1,104.26米ドル/年 |
トータル払込保険料 | 34,653.60米ドル | 33,127.80米ドル | 32,648.57米ドル |
80歳時点の返戻率 | 136.1% | 142.3% | 144.4% |
月払い年払い10年前納
契約年齢・性別30歳男性30歳男性30歳男性
払込期間60歳まで60歳まで60歳まで
保険金額56,000米ドル56,000米ドル56,000米ドル
保険料96.26米ドル/月1,104.26米ドル/年1,104.26米ドル/年
(初回のみ10,563.37米ドル)
トータル払込保険料34,653.60米ドル33,127.80米ドル32,648.57米ドル
80歳時点の返戻率136.1%142.3%144.4%
※低解約返戻金特則を付加していないシュミレーションです。
同じ保険金額にも関わらず、トータルで支払う保険料は年払いの方が月払いに比べ約1,500ドル安くなります。
また前納すると、月払いに比べ約2,000米ドルも安くすることができます。
80歳時点での返戻率も、月払いよりも年払いの方が大きく、さらに年払いよりも前納した場合の方がより大きくなることがわかります。
支払方法を工夫することで、このように返戻率を上げることができるようになります。
外貨建て保険のリスク
ここまでのように、外貨建て保険は返戻率も高く、資産運用としてもとても有効な保険であることがお分かりいただけたかと思います。
しかし、メリットだけではく外貨建て保険は特有のリスクも存在します。
為替リスク
まず忘れてはならないのは、「為替変動のリスク」です。
ドルスマートSは米ドル建ての保険なので、米ドルと日本円の為替の影響を受けます。
例えば、月払い保険料100ドルの保険であれば、
1ドル=80円の時は、8,000円
1ドル=100円の時は、10,000円
1ドル=120円の時は、12,000円
と、為替レートで毎月の保険料が変動します。
また、保険金や解約返戻金を受け取る際にも為替レートにより、受け取る日本円の金額は変わるため、円高時にはお金が減少してしまうリスクがあります。
しかし反対に、円安時にはお金が増加するというメリットもあります。
ドルスマートSは終身保険なので、解約するタイミングを自身で選ぶことができます。
なので、円高の時には解約せずに、円安になるのを待つ、ということもできるわけです。
早期解約
為替以外のリスクとしては、何らかの理由で支払いが難しくなった場合に払込期間中に解約してしまうことです。
解約返戻率が100%を超えるのは、払込期間が過ぎてからの場合がほとんどなので、支払途中で解約してしまうと元本割れを起こす可能性が高い、というわけです。
しかし、もし金銭的に余裕がなくなり、支払いが難しくなってしまった場合でも、解約せずに保険料の負担を減らすことができます。
それは、払済保険に変更するという方法です。
払い済みとは、保障金額を下げる代わりに、保険料の支払いをストップし、負担をなくすことのできる仕組みです。
契約年齢30歳の男性が60歳払込の保険と、この保険を契約から10年後に払済保険へ変更した場合と比較をすると以下の通りです。
加入した保険 | 契約から10年後に払済保険へ変更した場合 | |
契約年齢・性別 | 30歳男性 | 30歳男性 |
払込期間 | 60歳まで | 10年間 |
保険金額 | 56,000米ドル | 21,551.01米ドル |
トータル払込保険料 | 34,653.60米ドル | 11,551.20米ドル |
80歳時点の返戻率 | 136.1% | 157.1% |
元の保険契約から10年後に払済保険へ変更した場合
契約年齢・性別30歳男性30歳男性
払込期間60歳まで10年間
保険金額56,000米ドル21,551.01米ドル
トータル払込保険料34,653.60米ドル11,551.20米ドル
80歳時点の返戻率136.1%157.1%
※低解約返戻金特則を付加していないシュミレーションです。
10年後に払済保険に変更すると、それ以降の保険料の支払いをなくすことができます。
その分、保険金額も減額されますが、変わらず終身保険として保障を持ち続けることが可能となります。
また、注目するポイントとしては、10年間支払った分の保険料も変わらず運用されるので、解約返戻金も年数の経過とともに増えていくというところです。
この例では、返戻率だけでいうと、元の保険よりも大きな返戻率の保険として持つことができます。
まとめ
万が一の保障として、また外貨を用いた資産運用として、非常に優れている反面、為替リスクも伴う金融商品です。
少しでも解約返戻金を大きな金額で受け取れるように、返戻率を上げる支払方法を選択することをオススメします。
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