【FP監修】学資保険はクレジットカード払いがお得？利用可能な保険一覧/返戻率への影響も紹介

まずは学資保険とはどんな商品かを、改めて確認していきましょう。

学資保険とは、子供の教育資金を準備するための貯蓄タイプの保険のことです。

子供が何歳のときにいくら準備したいかを設定し、払込期間や毎月の保険料を決めていきます。

多くの学資保険は高校卒業時にまとまった金額を受け取れるように設定してあり、大学や専門学校入学時の費用負担を軽減できるようになっています。

多くの方が加入する学資保険ですが、メリットデメリットはどんなところにあるのでしょう。

それぞれの特徴を知ることで、学資保険をより深く理解できます。

学資保険のメリットは下記の4点です。

1. 親に万一のことがあっても学資金を受け取ることができる
2. 返戻率によっては、支払った保険料より多い金額を受け取ることができる
3. 出産予定日の140日前から加入できる
4. 生命保険料控除が使える

学資保険の特徴の1つに「保険料払込免除特約」があります。

これは、親(契約者)に万一のことがあった場合、それ以降の保険料の払込は免除されるけれど保障は続く、という内容の特約です。

人生いつなにが起こるかはわかりません。

親に万一のことがあったときでも子供が学資金を受け取ることができる、というのは大きな安心材料になるでしょう。

また、学資保険は出産予定日の140日前から加入することができるので、比較的、時間のとれる時期にゆっくり検討し手続きすることができるのも特徴です。

税制面でも、生命保険料控除が使えるので、所得税や住民税の節税対策にもなります。

デメリットは下記の2点です。

1. 元本割れしてしまう商品もある
2. 契約形態によっては、保険金受取時に税金がかかる場合がある

学資保険で大事な要素の1つに返戻率があります。

支払った保険料に対してどのくらい学資金を受け取ることができるかを表した数値のことです。

返戻率が100％以上なら支払った保険料と同額もしくはそれ以上の学資金を受け取ることができますが、100％未満の商品は支払った保険料より少ない金額しか受け取ることができません。

返戻率は保険会社や特約の付加により大きく違いますので、加入前にしっかり確認する必要があります。

また、被保険者に万一のことがあったときは保険金が支払われますが、その場合に契約形態によっては税金がかかるケースがあります。

これは学資保険だけでなく保険全部に共通していることですが、契約者と受取人が同じ場合は所得税、契約者と受取人が違う場合は贈与税がかかるケースもあります。

ただし、受け取る金額によっては税金がかからない場合もあるので確認が必要です。

このようにメリットデメリットを比較してみても、メリットの方が大きいと思われる方の方が多いのではないでしょうか。

事実、子供を持つ家庭の約50％が学資保険に加入をしています。

学資保険は子供の教育資金を貯める保険です。

では、幼稚園から大学卒業までにはいくらぐらいの費用がかかるのでしょうか。

まずは、文部科学省が発表している2018年度のデータから、幼稚園から高校生までの平均費用を確認していきます。

上記の金額の中には、学費や授業料、給食費や部活動費、学校行事費用などが含まれています。

私立と公立で大きな差があるのがわかります。

続いて大学費用を確認していきましょう。

尚、下記のデータは2015年の日本政策金融公庫の調べから算出しています。

• 国公立：入学諸費用82万円・年間学費94万円・大学合計458万円
• 私立文系：入学諸費用107万円・年間学費142万円・大学合計676万円
• 私立理系：入学諸費用106万円・年間学費178万円・大学合計818万円

改めて確認すると、大きな金額に驚きます。

この費用を一度に準備するのは大変なことです。

そのためには学資保険などを利用し、計画的に教育資金を準備する必要があることがわかります。

学資保険に加入した場合、支払い方法は主に下記の5点です。

口座振替

一般的な方法で、登録した銀行口座から引き落としする方法です。

送金払い

保険会社から送られてくる振込用紙で支払う方法です。

団体払い

保険会社と務めている会社で団体契約を結んでいる場合には、この方法が使えます。

保険料は給与より天引きされるかたちで支払われます。

窓口払い

保険会社の窓口で直接支払う方法です。

クレジットカード払い

買い物と同じように、保険料をクレジットカードで支払う方法です。

クレジットカード払いに関しては、後ほど詳しくご紹介していきます。

学資保険を選ぶ基準で返戻率を重視する方は多いでしょう。

保険会社により返戻率は違いますが、実は、他にも返戻率を上げる方法はあるのです。

ぜひ、ご紹介する内容を試す前と試した後の返戻率を比較してみてください。

ただ、ここでは返戻率を上げる方法をご紹介していきますが、学資保険を選ぶ基準は人それぞれで、返戻率が全てではありません。

MONEYPEDIA

2022.03.14

【FP監修】学資保険の返戻率はカラクリに注意！貯蓄性を高める方法や選び方も紹介

https://syngroup.jp/moneypedia/types/pension/3085.html

学資保険は、加入時期が早いほど返戻率が高くなります。

例えば学資保険で人気のソニー生命の場合は下記のように差が生じます。

• 「契約者30歳男性、子供0歳男児、払込期間10年の場合」→返戻率105.5％
• 「契約者32歳男性、子供2歳男児、払込期間10年の場合」→返戻率101.9％

2年経過するだけでこれだけの差があることがわかります。

そのため「子供が生まれたら学資保険に加入しよう」と思っている方は、「いつか」ではなくできるだけ早目に加入することをおすすめします。

学資保険に加入する際には、保険料の払込期間を選ぶ必要があります。

その際にできるだけ短い期間で支払うとその分、返戻率も高くなります。

保険会社により払込期間の設定は違ってくるので、複数社のプランを比較してみることをおすすめします。

上記と同じように、ソニー生命の例を確認してみます。

• 「契約者30歳男性、子供0歳男児、払込期間10年の場合」→返戻率105.5％
• 「契約者30歳男性、子供0歳男児、払込期間18年の場合」→返戻率102.6％

ご覧の通り返戻率は高くなりますが、気をつけたいのが毎月の保険料です。

払込期間を短くする分、毎月の保険料金額は上がりますので、家計が苦しくない範囲で設定をすることをおすすめします。

学資保険の払込方法は、月払い・半年払い・年払い・一括払い・全期前納払いなどがあります。

基本的に一度に多額の金額を払い込む方が返戻率は上がります。

払込方法も保険会社によって設定があるので、希望の払込方法があるか確認が必要です。

こちらもソニー生命の例を確認してみましょう。

• 「契約者30歳男性、子供0歳男児、払込期間10年、月払いの場合」→返戻率105.5％
• 「契約者30歳男性、子供0歳男児、払込期間10年、年払いの場合」→返戻率106.3％

まとまったお金を用意できる方は、年払いの方がおすすめです。

また、学資保険をクレジットカード払いにした場合、各クレジットカード会社のポイント還元などがあると、具体的な返戻率も変わってきます。

ただし、クレジットカード払いが可能な保険会社は限られていますので、確認が必要です。

学資保険では学資金を設定し、それに基づき保険料が決まります。

一部の保険会社では、学資金の設定金額により返戻率が上がる場合があります。

明治安田生命の例で確認してみましょう。

• 「契約者30歳男性、子供0歳男児、払込期間10年、学資金200万円設定の場合」→返戻率104.7％
• 「契約者30歳男性、子供0歳男児、払込期間10年、学資金300万円設定の場合」→返戻率105.7％

ただし、全ての保険会社が学資金の設定額で返戻率が変わる訳ではありません。

それぞれの保険会社で複数プランを比較してみることをおすすめします。

学資保険は口座振替とクレジットカード払いのどちらが得なのでしょう。

クレジットカード払いのメリットデメリットをお伝えしていきます。

これがクレジットカード払いの最大の魅力とも言えます。

クレジットカードは支払い額に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントは現金同様に使えたり、商品と交換したりすることができます。

ポイント還元率はカード会社によって差がありますので、できるだけ還元率の高いカードを選ぶことをおすすめします。

学資保険の保険料支払い額を10年間で200万円に設定した場合、1％の還元率だと2万円、0.5％の還元率だと1万円分がトータルで付与されることになります。

支払い方法が選べる

クレジットカードの支払い方法は主に3通りあり、一括払い・分割払い・リボ払いがあります。

保険料が多額の場合は分割払いを選ぶことで毎月の費用負担を軽減することが可能です。

家計管理がしやすくなる

クレジットカードは月ごとで利用明細を見ることができるので、後からでも何にいくら支払ったが明確になり、家計管理が簡単になります。

では、逆にデメリットにはどんなことがあるのでしょうか。

注意点と合わせてお伝えしていきます。

分割払いやリボ払いにした場合には手数料がかかる

手数料がかかってしまうと、実質の返戻率も下がってしまいますので、可能な限り一括払いをおすすめします。

保険会社の手続きに時間がかかる場合がある

一般的に口座振替よりクレジットカード払いの方が手続きに時間を要します。

子供や契約者の年齢が上がる直前に契約した場合、クレジットカードの承認手続きが遅れ、契約年齢が上がってしまう可能性もあるので、注意が必要です。

その他の注意点としては

• 契約者とカードの名義人は同一でなければならない
• 支払限度額に達しないようにする

などがあります。

学資保険にクレジットカード払いをおすすめしたい人はこのような方です。

• クレジットカードのポイントを貯めている人
• 生活費の支払いにクレジットカードを利用している人
• 銀行への入金など、手間をかけたくない人

総合すると、普段からクレジットカードを利用している人におすすめです。

毎月引き落としになる保険料でポイントが貯まっていくので、楽しみが増えるでしょう。

学資保険の支払い方法には、月払いの他、半年払い、年払い、一括払い、全期前納払いなどがあります。

一度に支払う金額が多いほど割引が適用されるので、保険料支払総額は月払いが一番多くなる仕組みです。

ただし、クレジットカードのポイントは支払い額に応じて付与されるので、保険料支払総額が一番多い月払いがポイントも一番多く貯まります。

そのため「ポイント付与」という面だけで見ると、クレジットカード払いは月払いが得になる場合もあります。

しかし、注意しなければならない点もあるのです。

注意しなければならないのは、返戻率とポイントの関係です。

先ほども説明した通り、一度に支払う保険料額が大きいほど、返戻率は上がります。しかし、クレジットカードのポイントは支払った金額が多いほど多く貯まります。

• 返戻率→一括払い・全期前納払い＞年払い＞半年払い＞月払い
• ポイント額→月払い＞半年払い＞年払い＞一括払い・全期前納払い

つまり、上記のような比較になります。

そのため、加入している学資保険の返戻率や利用しているクレジットカードの還元率によって、どの方法が得になるかは変わってくるため、一概に月払いが得になるとは言い切れません。

クレジットカード払いを扱っている「ＪＡ共済」で検証してみましょう。

下記の表は、クレジットカード払いで月払のケース/口座振替で年払のケースを比較しています。

契約者30歳男性/子供0歳男児/払込期間12歳/受取金額200万円の場合

• 年間保険料：月払164,472円/年払157,608円
• 返戻率：月払101.3%/年払105.7%
• 支払保険料累計：月払1,973,664円/年払1,891,296円
• クレジットカードのポイント：月払19,736円分/年払０円分
• 支払保険料累計ー獲得ポイント：月払1,953,928円円/年払1,891,296円円
• 差額：月払のほうが62,632円多くなる

このように、月払いと年払いの返戻率に差がある場合は、ポイントが多く貯まっても支払総額は年払いの方が得な場合が多いです。

元々、月払いを検討している方はクレジットカード払いの方が得ですが、年払いが可能な方はポイントと返戻率のどちらが得になるかを比較して決めることをおすすめします。

ここでは、学資保険の支払いにおすすめの、高還元率のクレジットカードをご紹介していきます。

一般的な還元率は0.5％ぐらいなので、1％を超えるものは還元率は高いと言えるでしょう。

最初にご紹介するのは「OricoCard THE POINT」です。

年間費無料で、還元率は常に1％、入会後6か月間は2％にもなります。

また、楽天市場やAmazonなどのショッピングサイトでは更に還元率が上がります。貯まったポイントはギフト券などにも交換可能です。

次にご紹介するのは「JCB CARD W」です。

こちらも年間費無料で、還元率は常に1％、セブンイレブンやスターバックスなど特定の店舗では更に還元率が上がります。

大手カード会社ならではのポイントの利用先もたくさんあります。

最後にご紹介するのは「楽天カード」です。

こちらも年間費無料で、還元率は常に1％、楽天での買い物は更に還元率が上がるので、楽天市場をよく利用する方にはおすすめのカードです。

現在、口座振替等になっている支払い方法をクレジットカード払いに変更するには、保険会社に連絡をし変更手続きをします。

保険会社によってはWEB上で変更手続きができる会社もありますので、ホームページ等で確認してみましょう。

ただし、全ての保険会社がクレジットカード払いに対応している訳ではありません。

まずは、加入している保険会社が対応しているかどうかの確認が必要です。

ここでは、クレジットカード払いに対応している学資保険をご紹介していきます。

対応している学資保険の中には、初回保険料のみ対応可能のタイプもあるので注意が必要です。

毎月、クレジットカード払いができる学資保険はこちらです。(2022年3月現在)

一般的なクレジットカードは使用できますが、念のため、利用前にカード種類の確認をおすすめします。

• 住友生命：スミセイのこどもすくすく保険
• JA共済：こども共済学資応援隊
• アフラック：夢見るこどもの学資保険
• 東京海上日動あんしん生命：こども保険
• ひまわり生命：こども保険
• あいおい生命：＆LIFE

住友生命とJA共済は一般的なクレジットカードは使用できますが、念のため、利用前にカード種類の確認をおすすめします。

初回の支払いのみ、クレジットカード払いができる学資保険はこちらです。(2022年3月現在)

2022年3月現在で、クレジットカード払いができない学資保険はこちらです。

• 明治安田生命「つみたて学資」
• 日本生命「ニッセイ学資保険」
• フコク生命「学資保険みらいのつばさ」

上記の3つは比較的返戻率の高い学資保険なので、将来的にクレジットカード払いができるようになることを期待したいものです。

また、今おすすめの学資保険の詳細をこちらの記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

この記事では、学資保険の特徴や返戻率、支払い方法についてご紹介してきました。

今はたくさんの保険会社が学資保険を販売していますので、ご家庭にあった学資保険がどの商品か悩む方も多いでしょう。

そのようなときは一度、保険のプロに相談してみてください。

保険のプロは学資保険の情報はもちろん、国の制度にも精通しているため、この先の具体的なライフプランを作成してくれます。

ライフプランを見ると、今後どのようにお金を貯めていくか、目標が定まって安心する方も多くいます。

電話や対面が苦手な方にはメールでの相談も可能なところが多いので、無料相談をうまく利用して、ご家庭に合った学資保険を見つけましょう。

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