【FP監修】いまさら聞けない生命保険の種類とは|特徴やしくみをわかりやすく解説
保険の加入や見直しを検討しているものの、種類が多くて違いがわからないという方は多いのではないでしょうか。
この記事では、保険の基本的な種類について解説します。加入する目的に合った選び方が理解できるので、ぜひ最後までお読みください。
記事監修者
金融ライター
松田竜太
生命保険の4つの種類
生命保険は、備えられるリスク別に以下4つの種類に分けられます。
- 死亡
- ケガ・病気
- 老後
- 介護
生命保険文化センターが実施した2022年度「生活保障に関する調査」によると、生命保険に加入している人の割合は、男性で77.6%、女性で81.5%です。
参照元:生命保険に加入している人はどれくらい?|公益財団法人生命保険文化センター
どのようなリスクに備えて加入するのか明確にしておくことで、自分に合った保険選びにつながります。
死亡保障
死亡時を保障する保険は、3つの種類に分けられます。
- 定期死亡保険(定期保険)
- 終身死亡保険(終身保険)
- 養老保険
それぞれ順番に見ていきましょう。
定期死亡保険(定期保険)
一定期間内に、被保険者が死亡または高度障害状態となった場合を保障するのが「定期死亡保険(定期保険)」です。
保険期間が終了となる「満期」を迎えると以降の保障はなくなるため「掛け捨て保険」と呼ばれます。
一定の保険金が支払われるため、家計の大黒柱に万が一の事態があった場合に家族を守る手段として効果的です。
保険商品の種類によっては満期を延長できるものの、契約時から保険期間を長く設定した場合と比べると、一般的に保険料は高くなります。
終身死亡保険(終身保険)
被保険者が亡くなるまで一生涯保障する保険が「終身死亡保険(終身保険)」です。
定期保険の保険料は更新のたびに増加するのに対して、終身保険は加入後の経過期間による変化がありません。
終身保険は途中解約した際に解約返戻金が受け取れるため「貯蓄性のある保険」といわれています。
また、一生涯保障が続くことから相続税などの納税の原資として活用が期待できます。
養老保険
養老保険とは、死亡保障に貯蓄性が追加された保険を指します。
一定の保障期間中に被保険者がどのような状態にあるかで、受け取れる保険金が変化します。
被保険者の状態 | 受け取れる保険金 |
---|---|
死亡もしくは重度の障害が残った | 死亡保険金 |
生存している | 満期保険金 |
死亡保険金と満期保険金は同額のため、保険期間内に万一の事態が発生するか否かにかかわらず、保険金を受け取れます。
終身保険との違いは、保険期間が契約時に設定した一定期間に限定される点です。
終身保険と比較すると、払込期間中の解約返戻金や配当金は高くなる傾向にあります。
収入保障保険
収入保障保険は、保険期間中に死亡または高度障害状態になった場合に、満期まで毎月一定の保険金を受け取れる保険です。
定額の収入が保証されるため、遺された家族や子どもの安定的な生活支援が可能です。
収入保障保険は、保険期間が減少するにつれて受け取れる保険金の総額が減るしくみになっています。
そのため、契約時に設定する受取総額が同じ場合、定期保険と比べると収入保障保険は保険料が安くなります。
医療保障
医療保険には、以下の4種類があります。
- 定期医療保険
- 終身医療保険
- がん保険
- 所得補償保険・就業不能保険
それぞれ順番に解説します。
定期医療保険
医療保険は、被保険者が以下の状態になった際、所定の給付金が受け取れる保険です。
- 病気
- ケガ
- 入院
- 通院
- 手術
保険金の金額は、入院・通院にかかった日数や手術の内容に応じて決定されます。
定期医療保険ではある一定期間のみを保障しており、満了後は保険契約がなくなります。
月額の保険料は、5年や10年で自動更新されるのが一般的です。
更新のたびに保険料は上がり、80歳などのある年齢に達した段階で保障が終了します。
収入や貯蓄の少ない若い世代にとっては、定期医療保険に加入することで割安な保険料でもしもの事態に備えられるでしょう。
終身医療保険
終身医療保険は定期医療保険と同様に、被保険者の病気やケガを保障します。
生涯にわたって保障は続き、保険料は上がりません。
保険料の支払いが一生続くのが一般的ですが、なかには保険料の払込期間を60歳や65歳に設定できる場合があります。
終身医療保険は若いうちに加入しておくと、年齢を重ねてから新規加入する場合と比べて保険料が割安になるのがメリットです。
また
「一定の年齢までに保険料を払い込んで老後に安心感をもちたい」
といった人生設計プランを実現可能です。
ただし、終身医療保険は生涯加入し続けることを前提につくられているため、保障内容の途中変更ができません。
途中変更したい場合は現行の契約を解約して、新しい保険に入りなおす必要がある点に注意しましょう。
がん保険
がん保険は、がんに関する入院や手術を保障する保険です。一般的に、以下の保障内容が備わっています。
- がん診断一時金
- 治療給付金
- がん入院給付金
- がん手術給付金
医療保険が幅広くケガや病気に備えているのに対して、がん保険では保障範囲をがんに特化しています。お金のかかるがん治療に割安
な保険料で備えたい方は、がん保険に加入しておくと安心でしょう。
所得補償保険・就業不能保険
所得補償保険・就業不能保険とは、ケガや病気で働けなくなった場合の収入の減少に備える保険です。
医師の診断によって就業不能と判定されると、減少した収入を保険金として受け取れます。
個人事業主やフリーランスとして働く人は健康保険に加入していないため、働けなくなっても傷病手当金を受け取れません。
所得補償保険・就業不能保険は、収入の大幅なダウンに備えたい人にとっては効果的な選択肢の1つです。
老後保障
将来の生活資金の不足に備えられる代表的な保険の1つが「個人年金保険」です。
払込期間のあいだに支払った保険料に応じて、一定の年齢以降に年金を受け取れるしくみになっています。
個人年金保険のタイプには「定額」と「変額」の2種類があります。
定額年金は契約時に将来の受取額が決定するのに対して、みずからの判断で商品を決定し運用するのが変額年金です。
年金の支払い開始前に途中解約すると、払い込んだ保険料の総額よりも解約返戻金のほうが少なくなります。
また、変額年金のほうが多くの年金を受け取れる可能性があるものの、元本保証はありません。
運用実績によっては、払い込んだ保険料を受取総額が下回る場合があります。
介護補償
介護保険には、
- 社会保障制度としての「公的介護保険」
- 保険会社が出している「民間介護保険」
があります。
民間介護保険は介護費用の一部を補填し、要介護状態になると介護保険金を一括もしくは年金形式で受け取れます。
公的介護保険と組み合わせることで、介護にかかる経済的な負担をサポート可能です。
介護を見据えた貯蓄が不十分と感じる人は、民間介護保険の加入を検討しましょう。
まとめ 生命保険の種類を解説
保険には、目的に応じたさまざまな種類があります。
自身の年齢や家族構成、将来的な資産計画を踏まえてもしもに備えられる保険への加入を検討しましょう。
なお、どれに加入したら良いかわからない場合には、保険のプロに相談するのが良いでしょう。
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