【FP監修】がん保険と医療保険どっちを選ぶ?どんな違いがあるのかもあわせて解説!

「医療保険とがん保険はどちらを選ぶべきか」
「そもそも違いがわからない」
と不安に感じてはいませんか。
2人に1人ががんになる時代といわれ、がんに備えておくべきか悩む人も増えています。
この記事ではがん保険と医療保険のどっちを選べばいいか、それぞれの違いも含めて初心者の人にもわかるように解説します。

がん保険と医療保険はどんな違いがある?

がん保険と医療保険のどっちを選ぶべきか、どっちを優先させればいいのかを知るには特徴を知る必要があります。

違いがわかれば自分に必要かどうかがわかり、保険選びがしやすくなります。

1.がん保険とは

がん保険は名前の通りがんに特化した保険です。

  • がん診断給付金
  • 手術・放射線
  • 抗がん剤治療給付金
  • 入院給付金
  • 通院給付金

上記のように、さまざまな保険金があり、必要に応じて保障が備えられます。

保険会社によって、パッケージ化されている保険もあれば細かく自分だけの保険にカスタマイズできるような保険もあります。

また、がん保険には、生命保険会社が出しているがん保険と損害保険会社が出しているがん保険があります。

  • 生命保険のがん保険:終身型が多く契約時に決めた保障額を受け取れる
  • 損害保険のがん保険:定期型で実費補償がある

損害保険のがん保険は、治療費がかかった分だけ補償されます。

かかった費用分保険金が受け取れるので、治療費が高額になり保険金が不足する、ということはありません。

しかし数年単位で更新が必要となるため保険料が上がることに注意が必要です。

注意点は、あくまでも「がんのみ」の保障なので、他の病気やけがには対応不可であることです。

さらに、がん保険には90日間の免責期間があるため、加入してもすぐに保障が開始されるわけではありません。

万が一保険の保障開始から90日以内にがんになってしまっても保険は適用されないことがデメリットです。

2.医療保険とは

病気やけがで入院・手術をしたら保険金が受け取れる保険です。

入院は日額で受け取りが可能で、最近は短期入院が多いことから入院一時金としてまとめて何日分か受け取る方法もあります。

原則病気やけがの種類に制限はなく、入院や手術(日帰りを含む)をすれば保険金受取の対象です。

また、医療保険の特約でさまざまな保障を手厚くすることが可能で、その中の1つとしてがんの保障がつけられるがん特約が存在します。

がん保険と同じような保障内容のため、がん保険に加入するのではなく医療保険の特約としてがんに備えられます。

しかし、メリット・デメリットがあるため特約で備えるかどうかは確認が必要です。

このあとに詳しく説明します。

3.がん保険と医療保険の違い一覧

がん保険と医療保険の各比較項目を一覧にしています。

がん保険 医療保険
主契約の保障内容 がん診断を受けたとき

・がんの治療を受けたとき

・実費

入院・手術(ともに日帰りを含む)をしたとき
主な特約(オプション) ・入院したとき(日帰り含む)

・手術(日帰り含む)

・通院(がんの治療目的の通院)

・がん先進医療

・通院(入院後の通院)

・がん

・三大疾病

・女性疾病

・先進医療

入院の支払限度 無制限 制限あり(60日や120日)

※特約をつけると日数の延長や無制限にできる

通算限度 無制限 制限あり(1000日や1095日など)
免責期間 原則90日間 なし
保障範囲 がん(悪性新生物)、上皮内がんのみ 病気(がんを含む)やけが全般

各社の商品によって多少の差があるためイメージとして考えてください。

がん保険はとくに生命保険会社のがん保険と損害保険会社のがん保険で保障内容が変わります。

どっちを選べばいいかの正解はない

「がん保険と医療保険のどちらを選べばいいか」は個人の考えや環境で変わるため、正解はありません。

  • がん保険:がんに特化して治療費などに備えるため
  • 医療保険:幅広い病気やけがの入院・手術に備えるため

それぞれ加入する目的が異なるため、どちらを選ぶかは「どんなことに不安で、どんなことに備えておきたいのか」によってきます。

  1. がん保険を選んだほうがいい人
  2. 医療保険を選んだほうがいい人

それぞれの考え方や家族構成など多方面から、特徴を解説します。

1.がん保険を選んだほうがいい人

がん保険を優先的に選んだほうがいい人の特徴は以下のような考えです。

  • がんになったときの治療費や生活費が不安を感じている
  • 身内にがんの罹患経験があり不安を感じている
  • 医療保険がいらない
  • 保険料をおさえてがんに備えたい

「がん以外の入院や手術は貯蓄でまかなえる」と考える人は医療保険の優先度が低いため、がんに対して不安がある人や長期治療に備えたい人はがん保険を選ぶことをおすすめします。

会社員や公務員は公的保障が手厚く、入院時の治療費も高額療養費制度や傷病手当金制度を利用すると負担がおさえられます。

よって、がん以外の病気やけがでの入院は貯蓄で備えられる人、がんに対して不安があり保険料も割安で備えておきたい人は、がん保険を選ぶとよいでしょう。

2.医療保険を選んだほうがいい人

がん保険を選ぶ前に、医療保険を優先的に選んだほうがいい人は下記のような人です。

  • 老後の医療費に備えたい
  • 心疾患や脳血管疾患に不安がある
  • 自営業・フリーランス
  • 貯蓄が少ない

今すぐではなくとも、将来の自分や家族のために備えたいと考える人や、心疾患・脳血管疾患の病気が心配な人は医療保険から用意するとよいでしょう。

厚生労働省「令和2年(2020)患者調査」によると、心疾患(高血圧性を除く)が24.6日、脳血管疾患が77.4日入院しています。

特に脳血管疾患は長期入院になるため、脳血管疾患への不安が大きい人は医療保険で備えると安心できます。

また、自営業・フリーランスの人は会社員と比較して公的保障が手薄です。

長期入院で仕事ができなくなれば収入減に直結するため、十分な貯蓄がなければ医療保険で備えておくとよいでしょう。

そもそもなぜがん保険が必要なのか

がんの治療のために入院する期間が、どんどん短期化してきています。

厚生労働省の調査によると、2020年のがん罹患者の入院日数は平均で18. 2日で、高齢の方でも20日程度の入院日数です。

通院での治療が主流になっていることがわかります。

がんによっては何年も治療に時間を要する可能性があり、通院での治療がほとんどです。

入院をしないと医療保険は保障されないため、がんの備えとして不十分な可能性があります。

そこで通院時の治療にも備えられるように、がんになったときの診断金や治療したら受け取れる保険金などで保障できる「がん保険」があります。

がんに対して、医療保険ではカバーができない部分をがん保険で補っているイメージです。

1.がん保険ではなく医療保険の特約で備える方法

医療保険に加入するときに、一緒にがんの特約(オプション)をつけてがんに備える方法もあります。

「医療保険も必要だけど、がんの保障も持っておきたい」

と考える人には、一緒に保障が持ててお得に感じるかもしれません。

しかし医療保険の特約で備えるには、それぞれメリットとデメリットがあります。

どんなメリット・デメリットがあるのかを理解した上で医療保険の特約でがんに備えるのか考えましょう。

医療保険の特約でがんに備えるメリット

  • 医療保険とがんの保障が一体型になることで管理がしやすい
  • 特約(オプション)のため不要になったら解約ができる

保険は種類が増えれば増えるほど、管理が複雑になっていきます。

医療保険と一緒にがんに備えられれば、1つの保険で入院にもがんにも備えが可能です。

自分や家族が管理しやすいようにひとまとめにできるのは、医療保険の特約にするメリットと言えるでしょう。

また、がんの保障が不要になったときや、見直しをしたいときは特約(オプション)なので解約がしやすい特徴があります。

2.医療保険の特約でがんに備えるデメリット

  • 医療保険を解約するとがんの保障もなくなってしまう
  • 医療保険の内容が魅力的でもがんの保障もいいとは限らない

医療保険自体を見直したい、医療保険が不要になった場合、医療保険を解約するとがんの保障もなくなってしまいます。

例えば、「医療保険はいらないけどがんの保障は残しておきたい」と思っていても、がんの保障は特約(オプション)のため、主契約を解約して特約だけを残すことはできません。

必ずしも医療保険の内容が納得のいくものだから、がんの特約(オプション)もよいとは限りません。

重要なのは、いざというときに保険金の受け取りができることなので、より保険金が受け取りやすい条件のものを選びましょう。

まとめ:どちらを選ぶかはあなたの考え次第

結論、がん保険と医療保険、どちらを選ぶかは保険に加入する目的によります。

「どんなことが不安で、なにに備えておきたいのか」で選択は変わります。

多くの保険会社が医療保険とがん保険を販売しており、何を選べばいいかわからなかったり、どう選べばいいかわからなかったりすると思います。

そんなときは保険のプロに相談することをおすすめします。

あなたにあった保険選びのサポートをしてくれます。

「まずは気軽にお金のことを相談してみたい!」という方にお勧めなのが、MoneypediaのオンラインFP相談サービスです。

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