【FP監修】三大疾病保険に入るべきかを徹底解説!三大疾病の種類についてもわかりやすく解説

働けない時への備え2023.04.17 公開 | 2023/04/17 更新

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「三大疾病保険って必要あるのだろうか」
「医療保険があれば三大疾病保険は不要なのではないのか」
と考える人は多いのではないでしょうか。
この記事では三大疾病がわからない人でも理解できるよう、FPである監修者が三大疾病保険に入るべきかどうか必要性について解説します。

三大疾病とは?

三大疾病保険に入るべきかどうかを判断するには、まず三大疾病が何かを知っておく必要があります。

がん(悪性新生物) ・いわゆる悪性のがん

・がん細胞が浸潤しておらず、転移の可能性が低い上皮内がんもあり

※保険会社によっては上皮内がんも対象

心疾患 ・心臓の病気全般のことを心疾患という

・代表的な疾患は、狭心症や心筋梗塞、不整脈、心不全
※保険会社によっては急性心筋梗塞のみを対象としている

脳血管疾患 ・脳の血管系の疾患を総称して脳血管疾患という

・代表的な疾患は脳卒中

三大疾病のいずれかで亡くなる確率は2人に1人であることから、罹患する可能性が高い病気だといえます。

三大疾病の医療事情 死亡率や入院日数・医療費など

がん・心疾患・脳血管疾患の三大疾病に備えるために、三大疾病の医療事情を知りましょう。

根拠をもとに必要かどうかが判断できます。

ポイントとなるのは以下の4つです。

  1. 死因別死亡確率
  2. 入院日数と通院数
  3. 医療費
  4. 働けなくなることによる収入減

公的なデータを用いながら紹介していくので、三大疾病保険が必要かどうかの判断材料にしましょう。

1.死因別死亡確率

亡くなったときの原因を厚生労働省のデータで調べると、男性はがんの割合が多く、女性は心疾患が多い傾向にあることがわかります。

(%)

【男性】 がん(悪性新生物) 心疾患 脳血管疾患
65歳 27.55 14.43 6.84
75歳 24.76 14.71 6.87
90歳 15.43 16.63 6.12

 

【女性】 がん(悪性新生物) 心疾患 脳血管疾患
65歳 18.28 16.75 7.55
75歳 16.12 17.22 7.64
90歳 9.63 18.19 7.31

どの年代も割合でみると、がん・心疾患・脳血管疾患の合計が40〜50%に近い割合です。

65歳以上になると、約2人に1人の確率で三大疾病のいずれかが原因で亡くなってしまう可能性があります。

将来罹患する可能性が高く、治療費を事前に備えておく必要があると考えられます。

2.入院日数

15歳〜75歳以上までの年齢を対象にした厚生労働省のデータによると、おおよその入院日数は以下の通りです。

がん(悪性新生物) 約14日~24日
心疾患 約12日~33日

※高齢になればなるほど日数が増える

脳血管疾患 約52日~93日

※どの年代も入院日数が長期であることがわかる

がん(悪性新生物)と心疾患は約2週間から1ヶ月程度であるが、脳血管疾患は約2ヶ月から3ヶ月入院を要することがわかります。

治療だけでなくリハビリ等も必要であることから入院日数が長くなりやすい傾向です。

3.医療費

三大疾病に罹患したときの費用は、健康保険適用の治療を行えば治療費自体は高額になりすぎることはありません。

なぜなら「高額療養費制度」を利用することで1ヶ月の自己負担に上限を設けられるからです。

自己負担の上限額は、年齢や所得に応じて1ヶ月の上限金額が定められています。

例 69歳以下の年収500万円の人ががんの治療をした場合

最終的な1ヶ月間の自己負担の上限は約9万円(健康保険適用の治療費)

差額ベッド代や食事代、先進医療などは保険適用外なので約9万円の中には入らない

12ヶ月以内に3回以上、上限額に達したとき上限額が軽減され44,000円になる

治療が長期になればなるほど、高額療養費制度で負担額が少なくなる仕組みになっています。

しかし保険適用がされる部分に対して高額療養費制度が使えるため、保険適用外や入院に関わる費用は実費です。

生命保険文化センターのデータによると、1日あたりの入院費用の平均は約2.1万円です。

がんであれば入院は短くても長期的に通院が必要であり、治療内容によっては毎月高額療養費制度の上限額を利用することになり、数万円の負担がかかり続けます。

心疾患・脳血管疾患であれば入院日数が長く、場合によって後遺症や合併症を引き起こしたり、リハビリや介護で費用が増えたりして費用の負担が大きくなる可能性があるでしょう。

4.働けなくなることからの収入減

現役世代で三大疾病になると、治療のために入院や通院が増えて仕事が満足にできなくなることも想定されます。

  • 退院できたとしても体調が優れない
  • 体力が落ちて仕事ができない
  • そもそも仕事ができる身体ではない

上記のような状態では、これまで通り働くことはできないかもしれません。

会社員は病気やけがで働けないときに給付される傷病手当金がありますが、給付の受取期間は最長で1年6ヶ月です。

自営業やフリーランスなら、傷病手当金はないので収入減に直結します。

三大疾病保険の種類とおすすめな人

三大疾病保険は、三大疾病になったときの治療費や収入減に備える保険です。

貯蓄が十分にあり、もし三大疾病に罹患しても治療費や生活費に不安がなければ無理に加入する必要はありません。

三大疾病に罹患することへの不安や、治療費の支払いや罹患後の生活費が不安な人は検討するとよいでしょう。

三大疾病保険が必要な場合、自分にあった三大疾病保険かどうかを判断するために三大疾病保険の種類や特徴を知っておきましょう。

  • かけすての三大疾病保険
  • 医療保険の三大疾病特約
  • 解約返戻金ありの三大疾病保険

三大疾病に不安を感じているがどんな保険商品があるか、何を選べばいいかわからない人に理解しやすい内容になっています。

おすすめな人もまとめているので自分の考えにあっているのか確認して、どんな選び方をすればいいかぜひ参考にしてください。

1. かけすての三大疾病保険

三大疾病保険には、期間の定まった定期型と一生涯保障の終身型の2種類があります。

三大疾病以外に、七大疾病もしくは八大疾病に保障の範囲が広がっている保険もあるため、三大疾病以外の生活習慣病に不安がある人は範囲を広くしておくことで、より安心できる保険でしょう。

終身型を選ぶと一生涯の保障が続くため、一度保険金を受け取ったとしても保険が終わることはなく、複数回保険金を受け取れます。

1回の受取金額は一時金として数十万円〜100万円程度で、契約時に設定した金額を受け取ります。

保険の受取事由も条件が厳しすぎることがなく、治療費や収入減に使いやすいような内容です。

ただし、かけすての保険のため解約をしても戻ってくるお金はありません。

【かけすての三大疾病保険がおすすめの人】

  • 三大疾病を一生涯で備えたい人
  • 治療が続けば複数回保険金を受け取れるので、長期化する治療に備えたい人
  • 医療保険で入院や手術の保障は不要だが、三大疾病に不安がある人

2.医療保険の三大疾病特約

医療保険を同時に検討している場合、医療保険のオプション(特約)で三大疾病に備えることもできます。

かけすての保障であるため、特約を解約しても戻ってくるお金はありません。

特約(オプション)なので、主契約である医療保険自体を解約すると三大疾病の保障もなくなってしまうことがデメリットとなります。

つまり「医療保険は不要だが三大疾病の保障だけ残したい」と考えていても、三大疾病の特約のみを残すことはできません。

三大疾病の保障が必要な場合、医療保険をやめて三大疾病保険に加入し直しになることに注意が必要です。

【医療保険の三大疾病特約がおすすめの人】

  • 医療保険で入院や手術の保障も必要な人
  • 医療保険と一緒にまとめることで管理をしやすくしたい人

3.解約返戻金ありの三大疾病保険

保険を解約したときにお金が戻ってくるタイプの三大疾病保険で、三大疾病保険以外にも死亡時や高度障害状態時にも受取可能な保険です。

かけすてのタイプに比べて、1回の受取金額は一時金として数百万円〜と大きな金額を受け取れる代わりに、三大疾病になったときの受取事由がやや厳しめとなっています。

かけすてではないので、もし将来的に三大疾病保険が必要ないと判断したときに解約返戻金が発生します。

積立を同時に行っているため、掛け捨ての保険より保険料が割高であることと、一度保険を受け取ると保険は消滅して無くなってしまうところがデメリットです。

三大疾病に罹患したあとに保険に加入することは難しいため、あらためて保険に加入したいと思っても難しい可能性が高いでしょう。

【解約返戻金ありの三大疾病保険がおすすめの人】

  • かけすての保険に加入したくない人(将来の積立を同時に行いたい人)
  • 複数回の受取がなくてもいいからまとまったお金を一括で受け取りたい人
  • 死亡保障も持ちたい人

三大疾病を選ぶときに気をつけること

三大疾病保険は、種類ごとに特徴が大きく異なります。

「どんな特徴を持った保険なのか」

「自分の考えにあっている特徴を持つものはどれなのか」

上記の内容を考えたうえで、さらに保険選びをするときに気をつけるべきポイントが2つあります。

  • 支払事由
  • 給付回数

今後の保険選びで損をしないよう、しっかりとポイントを抑えましょう。

1.支払事由

三大疾病に罹患し、どんな状況になれば保険が使えるのかを確認しましょう。

【例:がんの場合】

  • がんの診断確定で給付対象になるのか
  • がんで入院や手術が必要なのか
  • 対象となるがんの種類はどんなものがあるか

どんな条件に該当すれば保険金が受け取れるのか商品によって変わってきます。

できる限り保険の受取がしやすい条件に設定している三大疾病保険を選ぶようにしましょう。

2.給付回数

2つ目のポイントは、保険金の給付回数です。

治療を行っている最中に保険がどれくらいの頻度で何回受け取れるのかを確認します。

  • 1年に1回なのか、2年に1回なのか
  • 受取回数の合計は無制限なのか、一度受け取ったら終わりなのか

上記のように、受取の頻度と、何回受け取れるのかは保険商品によって変わりますので、より条件のよい内容かチェックしましょう。

かけすての三大疾病保険や医療保険の特約で備える方法は、複数回受取が可能で1年もしくは2年に1度保険金が受け取れます。

解約返戻金があるタイプは、三大疾病・死亡・高度障害いずれかで受け取ったら、以降受け取れる保険金はありません。

まとめ:三大疾病に入るべきかどうか

三大疾病保険に入るべきかどうかは、以下の4つから考えます。

  • 罹患率
  • 入院日数と通院数
  • 医療費
  • 働けなくなることによる収入減

三大疾病に罹患することに不安がある人や治療費・生活費に対する不安がある人は加入を検討しましょう。

三大疾病にしか対応していないので、幅広く病気やけがに備えたい人は医療保険を選択するほうが優先です。

特に、働き世代でこれから生活費や教育費がかさんでいくタイミングの人は、三大疾病に不安がなくても検討したほうがよいといえます。

罹患した場合、治療費がかかるだけでなく働けない状態に陥る可能性があり、生活費や教育費に影響が出る可能性があるからです。

三大疾病保険は、医療保険ではカバーができない部分に備えている保険です。

不安度合いや貯蓄額と相談し、保険料とのバランスをみて検討するのがよいでしょう。

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