【FP監修】入院費用っていくらかかるの?最新データをもとにプロが徹底解説
「いざ入院することになったら入院費用っていくらかかるんだろう?」と不安に感じていませんか。
この記事では、平均的な1日あたりの入院費用や備え方を解説します。
また、妊娠したら気になる出産費用についても紹介します。
知らないと損をしてしまう内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。
記事監修者
ファイナンシャルプランナー
森野夏美
1日あたりの入院でかかる金額は平均20,700円
生命保険文化センター「令和4年度 生活保障に関する調査」によると1日あたりの入院にかかった費用は平均で20,700円でした。
内訳を見ると、入院費用に10,000円〜15,000円かかった人が多くを占めており、23.3%です。
※治療費・食事代・差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)や衣類、日用品などを含む。高額療養費制度を利用した場合は利用後の金額。
参照:生命保険文化センター「令和4年度 生活保障に関する調査」
生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」から、直近過去5年間に入院した人の入院日数も確認してみます。
平均は17. 7日と20日も入院しておらず、短期入院の傾向にあることがわかります。
入院日数 | 割合 |
---|---|
5日未満 | 19.8% |
5~7日間 | 27.5% |
8~14日間 | 24.1% |
15~30日間 | 17.8% |
31~60日間 | 6.8% |
60日以上 | 4.0% |
約7割の人が2週間以内で退院しているため、仮に入院日数が14日間だったとすると以下のとおりです。
平均の20,700円×14日=289,800円
約30万円の費用がかかるため、医療費が高いと感じる人も、思ったより費用がかからないと感じる人もいるかもしれません。
2週間以上の入院になればさらに費用はかかるので、どのように対策すればいいか心配になるでしょう。
高額な医療費がかかったときにどう備えておくかをこの後の章で解説します。
妊娠出産は保険適用外!平均費用は約50万円
妊娠出産の費用と子どもにかかる費用がいくらになるかも解説します。
20代〜40代の女性が入院する理由の多くに出産があると思います。
出産(正常分娩)のときは公的医療保険の対象にはならないので、基本的に全額自己負担です。
厚生労働省の出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等についてによると、公的病院の平均出産費用は45.2万円、全施設の平均出産費用は46.7万円であることから、多く見積もって約50万円程度必要になることが想定されます。
原則42万円の出産一時金が手当として出るため、最終的に自己負担は数万円程度でおさまるでしょう。
公的病院は比較的安価な費用となるが、私立病院や施設では高額になるところもあるので、
- どこで出産するのか
- 個室にするのか
など、選ぶポイントによって費用は大きく変わってくるので注意しましょう。
正常分娩ではなく、異常分娩(帝王切開等)になると公的制度が使えるので、正常分娩より費用がかからなくなるケースもあります。
出産以外にも以下のようなお金が必要となります。
- 妊娠中の検診費用
- 妊娠中の切迫早産で長期入院し想定外の入院費用発生
- ベビー用品やおむつなどの消耗品
妊娠出産でかかる費用に関しても、大きな費用が必要となる可能性があるので備えが必要です。
入院費用だけでなく収入減や想定外の出費も考える
入院費用の平均額がわかり、入院に対してのお金をどう備えていくかをお伝えする前に知っておきたいことを先に説明します。
入院したときにかかるのは入院費費用だけではないことはご存知でしょうか。
家族の誰かが入院することによって、そのほかにもかかってくるお金があることをイメージしましょう。
収入源である夫や妻が働けない!世帯収入が減ってしまうおそれがある
会社員で社会保険に加入している人は有給や傷病手当金があるので、一時的な入院では大きなダメージはありません。
※傷病手当金については、この後の章で解説します。
しかし自営業やフリーランスはどうでしょうか?
会社員のような手当はないので、入院して働けない=収入が途絶える状況を想像してみてください。
例えば夫の収入が途絶えると妻が働く必要が出てきますが、夫が入院している中で満足のいく働き方ができるでしょうか。
よって入院したら必要なお金は入院費用だけでなく、収入減をカバーできるお金が必要であるということです。
専業主婦(夫)でも入院すると予想外の出費が発生する
専業主婦(夫)は収入がないから収入減のおそれがないと思いがちですが、大きな間違いです。
例えば、妻が入院してしまい普段やってくれていた家事育児を夫が仕事をしながらこなすことはできるかイメージしてみてください。
仕事との両立ができず、食事は外食や購入するため食費が上がり、ほかの家事もできず代行業をお願いすることになるかもしれません。
夫が家事育児をこなすために残業なしや、休日を多く取ることで給与の目減りにも繋がる可能性もあります。
子どもの入院は付き添う大人にお金がかかる
医療負担が子どもにはないので、入院してもお金がかからないと思っていませんか。
いざ入院すると、
- 子供の夜泣きが他の人に迷惑になる
- 家族がお見舞いに来るときには同室の人への配慮が必要
などの理由から個室にしたいと考える人が多いです。
大部屋とちがって個室にすると、差額ベッド代が上乗せされて費用が上がります。
入院中の子どもからは目が離せないため、付き添いの人の食事はすぐ買って食べられるものになったり、身内に買ってきてもらうなどしてもらうことから、食事代がかかります。
単純な入院費用だけがかかるだけではないことを知っておきましょう。
入院費用と収入減に備えるための3つの方法
入院費用が1日平均20,700円かかることや入院費用以外にかかるお金に対して、どのように対策をしていくか。
結論からいうと、公的制度と民間の保険を使って備えつつ、入院費用や収入減に対応できる貯蓄をすることです。
日本にある公的制度は、自己負担が少なくなるように作られているため、知らないと損をします。
いざというときに使えるように制度を抑えておきましょう。
保険に入ることのメリットと、どれくらい貯めるとよいかもあわせて解説します。
公的制度を使う
高額療養費制度
高額療養費制度は、医療費が高額になったときに、自己負担を減らせる制度のことです。
年齢や収入によって変わるので、自分がどれくらいの自己負担になるか確認してください。
例えば、月給30万円の男性会社員が入院して100万円の医療費がかかったとします。
窓口で30万円を支払ったあと、高額療養費制度の申請をすると約21万円が返ってきます。
なぜなら男性会社員の自己負担上限額は約9万円だからです。
ただしお金が戻ってくるまでは数ヶ月の時間がかかります。
すぐにお金が必要で事前に高額な医療費がかかると見込まれる場合は、「限度額適用認定証」を用意しておくと窓口での支払いが自己負担上限ですみます。
傷病手当金
傷病手当金は会社員(社会保険の加入者)が使える制度です。
働けない状況になり、有給などを使っても復帰ができないときに給与の2/3を健康保険から受け取れます。
働けない状況になったら給付されるわけではなく、受け取り条件があるので確認しておきましょう。
- 業務外でおきた病気やけがのために休む必要がある
- 仕事ができない
- 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けない
- 休んでいる間は給与の支払いが発生していない
引用:全国健康保険協会:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)
ポイントなのは給与の2/3はもらえると安心できるのか、1/3は減っているので差額分が足りないと不安になるのかを考えることです。
給料が高い人は毎月受け取っているお金が大きく減ってしまうため、差額を埋める必要があれば手段を考える必要があります。
傷病手当金は会社員が受けられる制度のため、自営業やフリーランスは利用できません。
働けなくなったら保障がないので、備えが大切です。
保険で備える
医療保険に加入をして、
- 入院費用の支払い
- 貯蓄が減ることへの備え
- 給与の減少
をカバーします。
もし事前に入院することがわかっていたら、保険会社にも連絡をして書類を送っておいてもらいましょう。
近年は診断書不要でかんたんな手続きでも保険金を受け取れるようになりました。
しかし基本的には医師の診断書が必要ですので、事前に保険会社から取り寄せをしておいて入院期間中に診断書を書いておいてもらえると手続きがスムーズです。
医療保険はあくまで病院への支払いが終わったあとに受け取れるものなので、病院には先に自分で支払わないといけません。
入院費用の支払いが難しい場合は、一度窓口に相談をしてみましょう。
支払いを待ってくれる可能性もあるので、その間に保険会社から保険金を受け取れるよう手続きを進めておきましょう。
貯蓄する
「入院費用やいざというときの給与が減ってしまったときに使う」という明確な目的をもって貯蓄をします。
目的をもって貯めていくことで、いざというときも安心して使うことができますし、費用を気にすることなく治療に専念ができます。
ただし、貯蓄している途中で入院したらどうでしょうか。
自分が安心して治療を受けられるだけの貯蓄額が貯まるまでの間は、医療保険で備えを用意しておくのも一つの選択肢です。
いくら貯めておけば安心なのかというと、家庭環境や考え方、生活費にいくらかかっているのかによってそれぞれ違うので答えはないでしょう。
考え方の例としては以下のとおりです。
- 医療費の平均20,700円×3ヶ月分
- 生活費×3ヶ月~6ヶ月分
半年間の入院はあまり多くないが、数ヶ月の入院後すぐには復帰できないと予想して余裕を持った貯蓄を持つようにしましょう。
入院費用に関するよくある質問
上記に解説したもの以外にもよくある質問をまとめました。かんたんに解説しているので参考にしてみてください。
入院費用の内訳は?
保険適用になるものは高額療養費制度が適用され、自己負担上限が設けられます。
保険適用外になる差額ベッド代や先進医療は高額になりやすいです。
先進医療の対象となる治療は厚生労働省が定めた治療法です。
例えばがんの治療に用いられる陽子線治療や重粒子線治療は約265万円〜約310万円かかります。
保険適用になるもの | 自己負担になるもの |
---|---|
入院基本料 | 差額ベッド代(個室代) |
治療費・手術費 | 先進医療 |
食事療養費 | 入院中の生活費や家族の交通費、宿泊費 |
高齢者はいくら入院費用がかかるのか?
70〜74歳は入院費用の2割もしくは3割負担です。
高額療養費制度も利用可能で、70歳未満の自己負担額よりも安くなります。
所得に応じて変化しますが、多くの人は月数万円程度で済むでしょう。
月をまたぐ入院の高額療養費制度はどうなるか?
1日〜 末日で計算されるため、月末から入院し翌月月初で退院すると2ヶ月分の自己負担が発生します。
例)1/28~2/8で入院した場合
1月の医療費:高額療養費制度を使って約9万円
2月の医療費:1月と同様
結果約18万円の支払いが必要となります。
同月内に入退と退院ができると、1ヶ月分の約9万円で負担はすみます。
調整ができる状況にあるのであれば、月内に退院できるとよいでしょう。
まとめ:いざ入院しても不安にならないように備えておこう
1日あたりの入院費用の平均額は20,700円で、4割以上の人は15,000円以上の支払いをしています。
数日の入院であれば、大きなダメージにはならないかもしれませんが、長期入院となってしまったらどうでしょう。
単純な治療費だけでなく、収入減や入院中の家族の生活をイメージしてみるとさらにお金がかかる可能性もあります。
「入院費用にかかるお金を心配して治療に専念できない」ということがないように、事前の備えが必要です。
- 公的制度を利用する
- 保険で備える
- 貯蓄する
公的制度は入院したときに利用できるものですが、保険や貯蓄は事前に始めておかなければなりません。
しかし「どんな保険を選べばいいかわからない」「貯蓄するだけではだめなのか」といったお悩みの方もいると思います。
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